「マダガスカル」と聞いて、みなさんは何を想像しますか?

 

映画「マダガスカル」に出てくるライオンやキリン、ペンギンが躍るジャングル、、、を想像したあなた!実際のマダガスカルは実は日本との共通点もたくさんあり、「アフリカの中のアジア」と呼ばれるほどです。

 

もちろん、豊かな生態系も魅力の1つでマダガスカルにある動植物のうち90%がマダガスカルでしか見られない固有種です。こんなポテンシャルの高いマダガスカルですが、実は世界で5番目に貧しい国で、貧困ゆえに観光客向けの性観光産業も盛んという深刻な社会問題もあります。

 

日本ではなかなか知られていないマダガスカルの魅力と生の声を現地からお伝えします!

 

アフリカの中のアジア、民族と米食文化、言語、国民性

まず、マダガスカルがどこにあるか、某お笑い芸人のおかげで知っている人も多いのではないでしょうか。そうアフリカ大陸の東側、モザンビーク海峡とインド洋の間に位置する島国です。国土面積はなんと日本の1.5倍で世界で4番目に大きい島です。

 

マダガスカル人は実は3世紀から10世紀の間に東南アジアからカヌーに乗ってやってきた移民です。さらにアフリカ大陸からも人がやってきたため、今いるマダガスカル人はいわゆるアジア系とアフリカ系の混血。1口にマダガスカル人と言っても地域によって18の部族があり、アジア系統の強い高山地域に主に住むメリナ族、アフリカ系統の強いベツィミサラカ族など様々です。

 

東南アジアからやってきた移民は稲作を持ち込んだため、マダガスカルでは現在でも稲作が盛んで米が主食として食べられています。朝も米、昼も米、夜も米、、、しかも1度に食べる米の量も多いです!日本語でも「ご飯」は「米」の意味と「食事」の意味がありますが、マダガスカル語で米を表すVaryという単語は「食事」という意味も表します。

マダガスカルの公用語はマダガスカル語と旧宗主国の言語であるフランス語です。現地語であるマダガスカル語はインドネシア語やマレー語に近いオーストラロイドの言語。ここでもアジアとの類似性がありますね。

 

マダガスカル人の国民性は大陸アフリカ(特に西アフリカ)の人々とは違い、一般的にシャイで自分の意見をあまりはっきりとは言いません。特に目上の人に対して反対意見を言うことが少なく、仕事上でその場では「Yes」と言っておいて後で根回しをしてプロジェクト等を実施できなくする、ということもあります。

 

不思議な島:生態系

マダガスカルを語る際に外せないのが、島の豊かな動植物。実はマダガスカルにいる動植物のうち90%がマダガスカルでしか見ることのできない固有種で、その多様な生態系を見るために観光客や研究者が多くやってきます。

 

本「星の王子さま」でおなじみのバオバブの木はマダガスカルの各地で複数種見ることができます。写真は「バオバブ並木」で有名なマダガスカル南西部の都市、ムルンダバ。ここではバオバブの実やバオバブジュースも試すことができます。

ムルンダバのバオバブ並木

 

中でも有名なのがキツネザルの仲間たち。日本でも有名なワオキツネザルやアイアイは野生でも生息していますが、国立公園等で確実に見られます。しかし、観光客向けにキツネザルが売買されたり、客を呼ぶためにキツネザルをホテルが買い敷地内で飼ったりする場合も多々あり、それらがキツネザルの数の減少につながり問題になっています。

 

白くしっぽの長いキツネザルの仲間、シファカ

 

世界で5番目に貧しい国

 

このように観光産業、その他にも農業、天然資源の分野で大きなポテンシャルを持つマダガスカルですが、世界で5番目に貧しい国として大きな社会問題を抱えています。

 

街を歩くと、物乞いの子どもが集まり、寒いなか道の上で寝ている小さな子どもと赤ちゃんの姿も目にします。人々の識字率は約60%で中等教育を修了できる子どもは約25%。また、電力普及率は15%で、きれいな水にアクセスできる人の割合は約50%です。慢性的な栄養失調の割合は国民の半数に達します。国民1人あたりの国民総所得は402ドル(2015年)と189カ国中186位の低さでした。

 

このような芳しくない成長には様々な要因がありますが、そのうちの1つが政治の不安定さ。2009年にはクーデターによって民主的でない政権が誕生し、その際にはJICAを始め世界の国際援助組織はマダガスカルから撤退をしました。また、今年の11月と12月には大統領選挙が行われる予定で、現在もデモや省庁のストライキが続いており、死者も出ています。

 

また、この国の別の大きな問題の1つが性観光業です。観光業が盛んなことから、主に観光地や海岸沿い地域で特に外国人相手に多くの若いマダガスカル人が売春をしています。

 

私の町にもマダガスカル人と外国人が出会うバーやレストランが数軒あり、夜になるとタイトなドレスを着た若い女性と、多くは年を取った欧米系外国人が集まります。中には貧困から家族のメンバー(親や兄弟)が若い娘や妻に売春を促すケースもあるそうです。

 

もちろん、モラル的にも問題がありますし、性病や避妊の知識が不足している女性たちにとって、身体を危険にさらす可能性もあります。逆に外国人と結婚するか子どもをつくるかして、相手の国籍を取得しようとするマダガスカル人もいるそうで、現地の人々の間では「惚れ薬」や「呪い」、「魔女」等が信じられています。

 

いかがでしたか?日本から訪れるには飛行機を2回乗り継いで、約24時間かかります。が、こんな魅力いっぱいのマダガスカル、一生に1度は訪れてみたいのではないでしょうか?

 

参考文献

外務省「マダガスカル共和国(Republic of Madagascar

基礎データ」https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/madagascar/data.html

WaterAid. “Madagascar.” https://www.wateraid.org/uk/where-we-work/madagascar

UNICEF. “Madagascar.” https://www.unicef.org/madagascar/5559.html