ルワンダから留学生を呼ぼう!
皆さん、こんにちは。
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センターの武内と申します。4月初めから5月一杯、ルワンダから留学生を呼ぶためのクラウドファンディングを実施しています(https://readyfor.jp/projects/asc-piass)。
大変ありがたいことに、初期の目標は開始から10日余りで達成することができ、現在は「ネクストゴール」に向けて取り組みを続けています。これまたありがたいことに、All About Africaの運営人さんから、コラム執筆のお誘いを受けました。この機会を利用して、なぜこんな取り組みを始めたのか、どうして所期の目標が達成された後もしつこく「ネクストゴール」を掲げているのか、ルワンダってどんなところなのか、どんな学生がやってくるのか、などなど、いろいろお伝えしたいと考えています。
今回は初回ですので、私たちの自己紹介と、取り組みの内容についてお話しさせていただきます。
現代アフリカ地域研究センターは1年前の2017年4月に東京外国語大学に設置された、新しい組織です。現代アフリカに関する研究を行うとともに、アフリカの大学や研究機関との関係強化を目指しています。私自身は、長い間JETROアジア経済研究所で中部アフリカ諸国の政治や経済を研究してきましたが、このセンター設立に際して、本務をこちらに移しました。
センターの活動を始めたとき、もっとアフリカから留学生を招きたい、と強く思いました。東京外大には国際社会学部にアフリカ専攻があり、毎年15人くらいアフリカ好きの学生が入学してきます。しかしこれまで、彼らが日常的に付き合える同世代のアフリカ人留学生はいませんでした。これは東京外大に限りません。日本には、学部レベルのアフリカ人留学生がほとんどいないのです。
これにはいくつかの理由があります。学部レベルで日本に留学するには、日本語のテストを含む試験にパスしなければなりません。アフリカには正規科目として日本語を教える大学がなく、この試験が高いハードルになっています。加えて、経済的な問題があります。東京外大は学部レベルで交換留学の仕組みを持っていますが、交換留学の場合、国費留学と違って航空運賃や滞在費が支給されないので、それらを自前で賄わねばならないのです。アフリカ人学生にとって、簡単に払える額ではありません。
幸い、この4月からガーナ人学生1名を交換留学生として迎えることができました。東京外大にとっては、初めてのアフリカからの交換留学生です。彼の来日に際しては、トヨタガーナ社が航空券を支給してくださいました。こうした企業のご支援は、大変にありがたいものです。
PIASSのキャンパス
アフリカは国の数が多いので、様々な形で留学生を招く取り組みを続ける必要があります。その中でこの国なら、と考えたのがルワンダでした。ルワンダは私も長く調査で通っている国ですが、友人の佐々木和之さんが「プロテスタント人文・社会科学大学」(PIASS)で平和学を教えています。また、佐々木さんを頼って、東京外大を中心に多くの日本人学生が留学しています。その一方で、先に述べた理由から、PIASSの学生はまだ一人も日本に来ていないのです。
PIASSの正面入口
PIASSなら、佐々木さんがいるので、優秀な学生を確実に送ってくれます。また、元留学生を中心に、日本人の側にもPIASSから学生に来てほしいという希望が強くあります。こうした状況を勘案して、PIASSから学生を呼ぶためのクラウドファンディングにトライしようと決意したのです。
大変ありがたいことに、クラウドファンディングは開始から10日余りで目標額を達成しました。元留学生や東京外大のOB、OG、そして佐々木さんの支援団体を中心に、多くのご支援をいただきました。本当に有難く思っています。
ただし、勝負はこれからです。なぜなら、この取り組みは続けなければ意味がないからです。PIASSからの学生が毎年東京外大にやってくることができて初めて、両校の間での交換留学が軌道に乗ったと言えます。現在取り組んでいる「ネクストゴール」は、来年度以降にPIASSから留学生を招くために使います。その意味で、初期の目的を達成したとはいえ、私たちの取り組みの本気度はいささかも変わっていません。
PIASSから継続的に留学生を招くことができるよう、是非とも、引き続きご支援よろしくお願いいたします。次回のコラムでは、PIASSと佐々木さんについて、詳しくお話ししようと思います。
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