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【クラウドファンディングに挑戦中!】最貧国シエラレオネ、あと1万人に布マスクを届けたい!
はじめまして、NPO法人アラジ代表理事の下里夢美です。
私たちが2014年から様々な支援活動を続ける世界最貧国シエラレオネ共和国にも、コロナウイルス感染症は上陸しています。
西アフリカに位置するシエラレオネ共和国では、2002年までダイヤモンド鉱山の利権争いのため、政府と反政府軍が長期に渡って苛烈な内戦を繰り広げていました。現在も、教育やインフラの未整備、脆弱な医療体制などにおいて、様々な課題を抱えています。
マスクが足りない!
私たちは、シエラレオネ共和国ケネマ県の現地パートナー団体「Global Village Network」と協力して、コロナウイルス感染症対策支援を実施しています。
きっかけは、パートナー団体代表のピディーア氏からの一本の連絡でした。
「ユメさん、緊急で助けが必要なんだ。
人々がコロナウイルス感染拡大に
備える手段が一つもない!
ケネマ県は人口60万人なのに
人工呼吸器は一つもないし
隔離病棟は50床しかないんだ。
50か所じゃないんだよ」
現在(6月23日)のシエラレオネのコロナウイルス感染者は1,132名、うち84名は、ケネマ県で報告されています。これは、都市部に次いで最も多い感染者となっています。
ケネマ県の農村部の人々には、上下水道がなく、日常的に手を洗い感染予防をするということさえできません。車が通れる道がなく、インターネットも繋がらないため、人々にはコロナウイルス感染症がなんであって、どういった予防をしたらよいのかという知識も不足しています。
例えば、ケネマ県のグアラ地区に住むサマさん(45歳)は…
アラジが設置した簡易手洗いバケツをもって10人家族で、農業を営んでいます。家族が1日に支払うことのできる金額はわずか10,000リオン(約120円)。人々が適切な感染予防を行うことは大変難しい状況でした。
私たちはすぐに資金を集め、4月末より以下の緊急支援活動を開始しました。
7月中までに実施予定の緊急支援内容
物資支援:感染予防のための以下の物資を配布完了予定です。
- 簡易手洗いバケツ-計320個の設置
- 固形石鹸-約6,000個の配布
- 布マスク-約10,000枚の配布
啓発活動:配布後にコロナ感染症についての正しい予防方法や、発熱時の行動などの啓発活動をしています。シエラレオネ国民の10人に8人(81%)がラジオ放送を利用しているため、ラジオ放送での啓発活動も行っています。
- 感染予防啓発活動-31か所
- 5つのラジオ局と提携した感染予防啓発活動
※物資は現地パートナー団体スタッフ4名がバイクで農村部の末端まで届けています。
7月中に対象地域の村落入り口、最貧困家庭、病院施設、道路沿いの警察チェックポイント、教会やモスクなどの全域に、人々が手洗いをできる環境つくりはほぼ100%完了する予定です。
しかし、飛沫感染予防効果の高い、繰り返し洗って使える布マスクの配布が遅れています。
人々はマスクをする習慣がないことに加え、マスクが手に入る場所もありません。急ぎ1万枚の布マスクの制作・配布をする準備は整えていますが、これは私たちが支援を届けることのできる対象地域人口の4分の1程度です。多くの人が同じ予防対策をしなければ、感染拡大は防ぐことはできないでしょう。
※布マスク配布の際には、正しい着用方法、正しい手洗いの仕方、ソーシャルディスタンスなどについても、徹底的に啓発を行っています。
支援の対象について
ケネマ県16地区のうち現地パートナー団体が支援を届けることのできる7~11地区の5地区(人口約10万人)のうち、最貧困層7割の4歳以上の約4.2万人に、最終的には布マスクを配布するべく調整しています。
すでに、1万枚の布マスクの配布は進んでいるため、今回のクラウドファンディングでの目標金額達成で追加1万人に配布すると、支援対象者の47%まで布マスクを届けられることになります。
資金の使い道
現地で調達できるカラフルなアフリカ布を使って、現地の4名のテーラー(布の仕立て屋)が布マスクを制作しています。(布マスクは、3枚の布を重ねて制作しておりますが、飛沫感染を防ぐもので、ウイルスを完全に遮断できるものではありません)
- 支援金 1,095,400円
- READYFOR手数料 171,600円
- 早期振込手数料 33,000円
計130万円
※支援金は現地パートナー団体に付与され、布マスク制作費1枚約100円(仕立て代約80円+布代約20円)や、現地スタッフの交通費・手当などに利用されます。
配布スケジュール
6月:弊団体HP経由で集めた寄附金や助成金で1万枚の布マスクを配布完了予定です。
7月:クラウドファンディングでご支援を集めながら、自己資金で追加1万枚の布マスクを制作、対象地域の貧困世帯を優先して支援を届けていきます。
※現地の感染拡大状況により、フルロックダウン(外出禁止令を伴う行動制限)などの感染対策措置が取られる可能性があり、プロジェクト実施スケジュールに延期や遅延が発生する場合があります。
代表理事より挨拶
アラジ代表理事:下里夢美
はじめまして、NPO法人アラジ代表理事の下里夢美です。高校2年生の時に、テレビのドキュメンタリー番組で、シエラレオネの男の子アラジ君に出会いました。当時8歳のアラジ君は、内戦で両親を目の前で殺され、将来学校へ行くことを目標に、兄弟を養うために必死で働いていました。
シエラレオネの貧困を目の当たりにした私は、その後の人生がすべて変わってしまうくらいの衝撃を受けました。私は、大学卒業と同時に任意団体アラジを立ち上げ、その後2017年にNPO法人化し、今では、現地スタッフや現地パートナー団体と一緒に、「災害孤児支援」や「小学校教材配布支援」など、様々な支援事業を行ってきました。
シエラレオネの人々は現在、3年前のエボラ出血熱の流行に続き、コロナウイルス感染症の拡大によって、経済的に大きな危機にさらされています。失業、食糧不足、児童労働の増加、命に関わる深刻なその他の課題は、もう目の前まできています。
私にとっては、顔見知りの人々・知った場所からのSOSです。ですが、今回の緊急支援で「顔の知らない誰かを思って」ご支援を託してくださるたくさんの人がいることに改めて感嘆しております。もう少しだけ、皆様から力を分けていただけると嬉しいです。
現場からのメッセージ
パートナー団体代表:ピディーア氏
パートナー団体・Global Village Network代表の、ピディーア・ジョセフ、43歳です。今回の緊急支援に関して、シエラレオネのケネマ県、5地区の首長と住民を代表して、日本の皆様に心から感謝申し上げます。皆様からの迅速な資金提供のおかげで、私の責任下のもと、政府の手の届かない農村部の奥深くまで、簡易手洗い場の設置と布マスクの配布を続け、人々は感染拡大に備えることができています。
コロナ禍の現在、日本とシエラレオネの繋がりは、私たちが得ることのできた唯一のかけがえのない財産だと思っています。この災厄に勝利したいつの日か、日本に必ず恩返しをします。改めて、皆様のご支援本当にありがとうございます。
※本クラウドファンディングにおいて、支援者の皆様への税制優遇はございません。
※本プロジェクトは布マスクを日本から輸送するものではありません。物品の輸送は、輸送費や関税もかかりますし、現地経済にも影響を及ぼします。マスクの物品寄付などはお受け取りできませんので、ご了承ください。
ぜひたくさんの皆様に応援いただけますと嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。