本日は、アフリカに関する活動を続ける中で、幾度となく頂いてきたご意見についてお話させていただければと思います。
この記事の目次
海外より、まずは日本の問題に目を向けなさい。
「アフリカもいいのだけど、まずは日本の問題に目を向けなさい。」
私が日本の先輩方からよく頂くご意見。最近は減りましたが、活動を始めた当時は本当によく頂く言葉でした。
2016年、私はアフリカ、タンザニアという国の教育支援を行う団体を立ち上げました。鉛筆と紙がないという理由で勉強ができない子どもたちを目の当たりにし、どうにかその世界を少しでも変えたいと思い奔走しました。
沢山の方々や企業様のお陰で、有難いことに現在でもその団体は活動を続けているのですが、やはり当時は胸が苦しくなるようなご意見をよく頂いたことを覚えています。
君は、日本はどうでもいいと思っているのか。
熊本地震の発生もあり「災害の年」とも言われた2016年。そんな中、「アフリカのために」と大声で駆け回る大学生の私。
「まずは日本の問題から取り組みなさい」
そんなご意見を頂くのも当然のこと。
さらに当時駆け出しの私は、そのようなご意見に対して返す言葉も見当たらず、ひたすら「申し訳ありません」とお答えしていた記憶があります。今考えると自分が情けなく悔しい限りです。
しばらくは「なぜアフリカ、まずは日本ではないか」の納得のいくお答えが出来ない日々が続いたのですが、ある体験を機に心の整理がつきました。それはアフリカの山奥の民族で過ごしたことに始まります。
今、隣にいる人を愛すこと。
タンザニアで活動を終え帰国日も近づいた頃、私は何を思ったか一度団体を離れ一人でこちらの山岳民族の村を訪れました。知り合いのツテで急遽住まわしていただくことに。
この村では子供からお年寄りまで多くの家族が生活しているのですが、私が挨拶に回ると例外なくどの家族も暖かく受け入れてくれました。
彼らの言葉を全く理解できない遠い国の私。
もう戻ってこないであろう先進国の私。
それでも村人の皆さんが一生懸命伝えてくれたこと、それは
今、隣にいる人を愛すこと。
私の隣人は、偶然アフリカ人でした。
私の隣人は、偶然アフリカ人だった、それだけのこと。
縁があって導かれ、出会った人が助けを必要としてる、それだけのこと。
そこに国境線は存在せず、とにかく今、心が近い人を大切にする。
電車でたまたま乗り合わせた方に席を譲るのと、たいして変わらないのかもしれません。
国際協力だとか、ボランティアだとか、日本が、アジアが、世界が。
そんな言葉に惑わされていた未熟な自分に気付きました。
"日本人"として、隣の人を愛します。
「なぜアフリカなんだ」
「他国を優先してどうする」
「まずは日本の問題に目を向けなさい!」
今なら胸を張ってこうお伝えしたいです。
私は、"日本人"として隣の人を愛するだけです。