fa-exclamation-triangleこの記事は単にトビタテ!留学JAPANについて紹介する記事ではありませんfa-exclamation-triangle
アフリカや先進国以外の国へ留学・フィールドワークへ向かうあなたの強みを最大限に引き出し、少しでもご自身の留学の良さを伝えやすくなる経験則について解説したものです。
と聞かれたら僕は真っ先に
と伝えます。
なぜなら、こんなにも自由度と支給額が高く、アフリカや新興国に行きやすい奨学金はほかにないからです。
そして、海外渡航や留学前に行いがちな、怒涛のアルバイトをする必要性をなくしたり、現地で一文無しにならずにトビタテの仲間と切磋琢磨しながら思う存分現地で活躍できるからです。
トビタテ合格に必要な要素や書類の書き方などの良質なノウハウは、ネット上にトビタテOBOGによってすでに数多く共有されています。
だからこそ、今回は他のブログやnoteには取り上げられていなかった
- 留学先を新興国に特化した書類の書き方
- 軽視されがちな自由記述書のかき方
- 新興国に渡航をしたトビタテ生が書類・面接を通して意識したこと
- 実際に面接で聞かれた新興国渡航者ならではな質問
などの内容にも力を入れて解説することにしました。
新興国留学の全体像を捉え直した上で、自らの計画のブラッシュアップ・面接練習・最終確認に使ってもらえれば嬉しいです。
これから面接に挑戦する12期のみなさん、13 期の応募を考えているみなさん、心から応援しています。
この記事の目次
1章 | 新興国へ行くならトビタテを絶対に使うべき理由
まずは、なぜ「 新興国へ行くならトビタテを絶対に使うべき」なのかを以下の理由から解説します。
🌍 採用されるとほとんどお金に困らなくてよくなるから
▲画像は明らかに僕ですが、主張と一切関係はありません。
採用された場合、以下の額が支給されます!
支援金※一定の所得制限があります。
〈 毎月16万円 〉
北米、シンガポール、欧州(一部地域を除く)、中近東
〈 毎月12万円 〉
アジア(シンガポールを除く)・大洋州・中南米・アフリカなど
留学準備金
アジア地域...15万円
アジア以外...25万円
授業料
一律30万円(語学学校を除く)
アフリカや中南米での生活は日本より物価が安いことも多く、物価にもよりますが比較的ゆとりのあるくらしができます。加えて、応募時に明記する必要はあるものの、インターンの給与や他の奨学金と併用もできるので、採用が決まればお金に困る必要がありません。
- 家賃・食費4万円
- 交通費3000円
- 交際費(外食など)3万円
毎月4万円くらい余ってました。←これも返済不要
上記のようにお金も十分だったので、語学を磨いたり、現地の若手起業家が集まるご飯会に行ったりと、将来に繋がるような投資もすることができました。
加えて後述しますが、近隣のアフリカ諸国に旅行もすることができ、知見や見聞を広げることもできました。
🌍 短期でも28日以上ならOKだから
「夏休み中にしか行けない!」というあなたにもトビタテの門戸は開かれています。
現地にて28日以上の滞在が奨学金の支給対象!短期のフィールドワークに挑戦する方も応募が可能です。実際に夏休みを使った1ヶ月程度の留学を行っている友人もいました。
🌍 留学中に外国も行けちゃうから
これがトビタテの特徴の一つ。
月15日以上申請した国にいれば海外渡航も禁止されていません。
留学中の国から周囲の国を旅行して、発展度や経済力などを比べてみるのも良い見聞になるかもしれませんね。
僕も実際に、ベナン留学中に東アフリカと西アフリカの違いを知るためにルワンダ、ケニア、エチオピアへ行きました。
各国のトビタテ生とも会うことができ、経験のみならず仲間の輪も広がっていきました。
▲ルワンダでトビタテ生たちとコーヒー工場見学。
🌍 中南米・アフリカ志望は全体のたった5%だから
そして新興国への渡航を考えるみなさんはトビタテ内でも、圧倒的な競争の少なさがメリットとして挙げられます。
トビタテ3 期生以降の数字をみてみてると、欧米・北米が全体の約7割を占めているのに対し、新興国が多いアジア・アフリカ・中南米の地域へ留学するトビタテ生は26%ほど。
なかでも、アフリカや中南米へ行く人数はごくわずかです。
【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN - その経験が、未来の自信。『日本の留学事情』より引用 https://tobitate.mext.go.jp/
🌍 新興国コースの倍率はたった2倍だから
次に、トビタテ全体の倍率が3〜4倍であるのに対し、新興国コースは2〜3倍と比較的低い特徴が挙げられます。
中でも、7〜8倍を叩き出す多様性人材コースとの差は一目瞭然で、合格の可能性に大きくアドバンテージがあるのが新興国コースです。
倍率に関してはこちらの記事がよくまとまっています。【完全保存版】トビタテ留学JAPANの倍率推移~狙い目コースはコレだ!~
ちなみに、僕が合格した8期では以下のような結果が報道されています。
4コース全体の採用予定人数500人に対し1,496人が応募した。
コースごとの採用予定人数と応募学生数、倍率はそれぞれ、「理系、複合・融合系人材コース」が220人に対し552人が応募し2.5倍、「新興国コース」が80人に対し182人が応募し2.3倍、「世界トップレベル大学等コース」が100人に対し185人が応募し1.9倍、「多様性人材コース」が100人に対し577人が応募し5.8倍。
なお、平成30年度募集要項からは、「理系、複合・融合系人材コース」内に「未来テクノロジー人材枠」が新設されている。『トビタテ!留学JAPAN、第8期派遣留学生に1,496人が応募…倍率3.0倍 』より https://resemom.jp/article/2017/10/31/41118.html
2章 | 合格への道。超えなければならない壁 書類編
ここからは実際の応募に関する経験則を共有します。給付型の奨学金なので審査もしっかり時間をかけて行われます。
ぜひこれを踏まえてあなたの書類もブラッシュアップしてみてください。
■ 「留学計画の目的と概要」を書き上げるのに必要な論理的思考
トビタテは自分がやりたいだけでは通りません。どれだけ社会・産業界に貢献できるかをだれもが納得できる形で、論理的に説明する必要があります。
これを考える上で参考になるフレームをトビタテ9期でルワンダに留学していた高橋菫(fa-twitter@cmwebsv1)さんに提供してもらいました。
世界や社会にはどんな課題があって、自分はどれを解決したいのか?
↓
〈 きっかけ 〉
自分は何がきっかけで、もしくはなぜこの課題を解決したいのか
↓
〈 理想の自分〉
解決するためにはどんな人材にならなければならない(なりたい)のか
↓
〈 留学先での学び〉
その人材になるにはどの国で何を勉強するべきなのか
↓
〈 留学へ向けた活動 〉
そのために今努力していること、挑戦していることは?※「留学計画実現のための取り組み」で深堀りする
「留学計画の目的と概要」の1000字が書類のメインディッシュといっても過言ではありません。
その人の留学計画や実現性を判断する上で大事な項目になります。ロジカルに・わかりやすく・完結にを心がけましょう。
■ 自由記述書は要素を分解して構成を考える
トビタテの中で最も「なにを書いたら良いの!!??」と詰まりがちになる書類がA4枚用紙2枚の自由記述書です。
まずは落ち着いて募集要項を読んでみましょう。すると、自由記述書に書かなければならないことは以下の4点であることがわかります。
- 留学によってどんな自分になりたいか
- 困難を克服した経験
- トビタテ!(中略)に対して自身が貢献できると考えること
- その他アピールできるポイント
順を追って解説していきましょう。
fa-check-square-o「留学によってどんな自分になりたいか」はいつも変わらない
なりたい自分の理想像を描きましょう。留学計画の目的と概要でも記述した夢や志と同じで構いません。
fa-check-square-oいままでの人生を振り返ろう!「困難を克服した経験」
これを考える上にはいくつかのステップを踏む必要があります。
はじめに、「いままで生きてきた中で一番キツかったこと、コンプレックスだったこと、嫌だったこと」を思い出してください。
そして、それは「なぜ自分にとって苦しかったのか」を考えてみます。すると苦しかった原因がみえてくるでしょう。
その原因と自分はどう向き合ってきたのかを考えれば「困難を克服した経験」に近くはずです。
fa-check-square-o「トビタテに貢献できること」は大きく分けて3つのアプローチ
トビタテへの貢献できる対象は大きく分けて3つ。
①同じトビタテ生同士で構成されるトビタテコミュニティー
②現地でのアンバサダー活動
③帰国後のエヴァンジェリスト活動です。
この3点に対して、自分はどう貢献できるのかを考えてみると書きやすいかと思います。
fa-check-square-o「その他アピールできること」ではあなたのキャラを伝えよう
語学力や趣味の実績、意外な得意技など、あなたのキャラクターがわかるエピソードがあると良いかもしれません。
■ 自由記述書ならではの強み!ビジュアル化を怠るな!
忘れずに取り組んで欲しいのがビジュアル化。
上記の内容をA4×2枚分wordで打ち込もうなんて絶対に考えないでください。(それで落ちるとは限りませんけど...)
なぜ自由記述書が提出書類の1つになっているのかを考えてみましょう。それは、他の書類には表せない要素がそこにあるからです。
比較してみると、他の書類はすべて文字でしか表現できませんが、自由記述書のみ「写真・図・イラスト」も記載できます。
この利点を最大限活用してください。
審査も文字以外の情報も求められていると考えられます。特に、上記4つそれぞれに関連する写真があると良いですね。
■ 実際に提出したあべまさきの自由記述書
作成時に意識したポイントは以下のたった3つです。
fa-bullhorn写真をフル活用!自分の「ひととなり」を伝えきる
自身の写真を多く使うことで、文字だけでは伝わり切らない熱意や雰囲気も書類に載せましょう。
だいぶカッコつけてますが、好きな言葉も載せちゃうのもアリです。
あなたがどんな人生を送ってきて、どんな想いを持っていて、なんでトビタテなのか、将来どうしたいのかをここで伝え切りましょう。
fa-bullhorn見出しを必ずつける
1500人の応募が集まることもあるので、審査員が1人の書類選考にかけられる時間はかなり限られています。
そんな状況下でもなにが書いてあるかわかるように、新聞のように各項目に小見出しをつけておくことを強くお勧めします。
審査員が興味のある項目、知りたい項目だけ詳細が読めるよう工夫をしておきましょう。
fa-bullhorn読んで欲しい順番にナンバリング!
上の理由に関連して、どこから目を通せば良いのかがはっきりわかるように見出しの前に番号を振っておきます。
■ その留学プランは実現できる?
fa-edit 計画は慎重に、変更に制限あり。質の担保はマジ重要
トビタテの闇世界で「計画を盛って書いてもあとで変更できるから大丈夫」という魔の呪文を一度は耳にするかと思います。
マジで気をつけてください、大きなウソです。
たしかに、留学計画はあとから変更ができます。しかし、その回数に大きな制限があることと、質の維持が欠かせません。
たとえば、世界ランク10位の大学に留学を計画し、それを変更するとなった場合、それと同等の学力を持つ大学への変更をしなくてはなりません。かなり厳しい基準です。最初から無理のある計画は控えましょう。
渡航できる地域も限られている!治安レベルに注意
留学プランを自分で設計できる柔軟性を持つトビタテですが、もちろん渡航が認められない地域もあります。
外務省が発表する海外安全情報の危険レベルが1までが渡航できる対象です。
留学中の旅行も含め、治安レベルには常にアンテナ貼っておきましょう。実際に僕のいたベナン共和国では留学中に一部地域でレベル1から2に変更となり、行ってはいけないエリアが生まれました。
▲ベナンの安全情報。黄色いエリアはいけるが、オレンジのエリアには立ち入れない。急な情勢の変化には常に気を張っておきましょう。
3章 | 合格への道。超えなければならない壁 面接編
ここからは面接について解説していきます。面接で落ちる人には必ずといって良いほど理由があります。
■ データはスラスラ言えるようにしよう
国際協力・支援の分野であればあるほど、知識面の素養をみられることが多いです。
- 渡航希望国で知っておきたい情報
- 人口
- 経済力
- 平均所得
- 主要産業や生産年齢人口
- 大統領の名前と特徴的な政策
最低でも上記は頭にいれておきましょう。
▲実際にあべまさきが面接で使った資料。
どうしても覚えられない細かいデータは資料を作っておくのもアイデアの1つ。
■ 面接を受ける前に問い直した方が良いチェックリスト
fa-check-square本当にその国じゃないとダメ?
なぜその留学先を選んだのかを問い直してみましょう。本当に他の新興国では実現不可能なものなのでしょうか?その国で活動することが自分の理想とする社会の実現に最も近いのでしょうか?
少しでも揺れるひとはもう一度考え直してみましょう。
fa-check-square本当にトビタテじゃないとダメ?
トビタテ以外にも奨学金制度は数多あります。なぜトビタテでなければならないのでしょうか。
これへの答え方として、私が実際に回答したのは
①他の奨学金に比べて資金面のサポートのみならず、トビタテ生同士の強い横のつながりがあり、切磋琢磨できる環境や支え合える環境があるから
②先の情勢が予想しづらいアフリカへ行くにあったって、計画変更が可能な奨学金が他にないからでした。
fa-check-square民族衣装は着て行くべき!?
面接の説明書には、スーツを着用しないことを推奨する文言があります。スーツを切る必要は全くないですが、民族衣装に関してはぶっちゃけどっちでも良いです。
着ていくと現地文化への愛を伝えることができますが、面接官も何百人とそういう人にあってることを考えると、厚かましすぎるのは避けましょう。
結局のところ、自分が可愛いorカッコ良くみえるのであればどんな服でもOKな気がします。
fa-check-squareスライド・資料はあったほうが良い?
面接を終えたのち、グループディスカッション前に4分間のプレゼンテーションがあります。そこでスケッチブックやスライドを使うことができます。そのためスライド・資料はあった方が便利でしょう。
しかしながら、そのためのスライドを面接時に使えるかどうかは、担当する面接官次第のようです。(ぼくは使えました)
スライドの使用を控えるよう言われることもあるとか。
fa-check-square会話のキャッチボール、できてる?
最初の留学計画説明では、簡潔にわかりやすく!でも淡白にはさせず、面接官に質問を投げかけたいと思わせる罠を作ることが大切です。
つまり全て喋りすぎないことで、MAXでも6割まででやめておき、それ以降質問がきても話せる引出しを持っておくことを忘れないようにしましょう。
残りの4割で引出しを準備しておいて質問された時に徐々に出していくくらいのイメージです。
基本時間が余れば、「最後に一言あればどうぞ」と尋ねてくれるので、そこで喋り残っていた話を放出することができます。
もし、そうでなく言い残しがある場合は「最後に一言言わせてください(いわせていただいてもいいですか?)」と自分から言うことも選択肢のひとつです。
「この人を留学に行かせたい!」って審査員に思ってもらえることを心がけましょう。
4章 | 新興国コースのトビタテ生実際に聞かれた質問
実際にトビタテ生が面接時に聞かれた印象的な質問を掲載しています。ここからは面接に来た気持ちで自分に問いかけてみてください。
- 簡潔に自分の留学計画について話してください。
- 留学先の国の人口は?経済力は?主要産業は?
- 日本はその国にいくら支援してるの?
- 現地に日本人何人いるの?
- 現地の言葉はしゃべれるの?
- その国に難民は何人いるの?
- 他の奨学金もあるのになぜトビタテにしたの?
- トビタテが受からなくてもこの留学を実現しますか?
- 現地人や暮らしに寄り添える人材になるために必要な力は?
どうでしたか?答えられない質問があるのならば、もっと訓練が必要かもしれません!
面接は慣れと練習がモノを言います。周囲の友人や大学の担当課、トビタテ生などに話を頼って練習してもらいましょう。
終章 | おわりに
最後にぼくからお伝えしたいことは、「ひとりでできることなんてちっぽけだから、周りを頼りまくろう。」ということです。
留学計画をたてるところから、書類作成、面接練習など、トビタテに関するすべての過程は一人だけで終えることはできません。
周囲のトビタテ経験者や大学の担当窓口、各大学にいるブランドマネージャーなど、サポートしてくれる人は大勢います。
独りで突っ走らず、周囲のアドバイスを取り入れてみてください!きっと、良い方向に向かっていくはずです。
これから面接に挑戦する12期のみなさん、13期の応募を考えているみなさん、心から応援しています。頑張ってください。
聞きたいことあればぜひこちらまでメッセージください!@abemasaki98