南アフリカ共和国。
アフリカ最南端のこの地で、わたしは今年の春休みに2週間ほど滞在しました。
アパルトヘイト、ネルソンマンデラ、ケープペンギン、経済大国…そんな様々な側面を持つこの国で、わたしは大学の研修旅に参加し、観光だけでは絶対に知らなかったたくさんのことを学びました!
今回と次回の2回にわたって、私が南アフリカで経験したこと、そして学んだことをお伝えしたいと思います。
今回、第1弾では歴史的にもアパルトヘイトなど格差や差別が象徴的な南アフリカの現在の格差の実情についてお伝えします。
格差が根強く残る南アフリカ
私が最初に訪れたケープタウンは大自然に囲まれながらも発展した街並みをもつユニークな都市でした。
ケープタウンには喜望峰やテーブルマウンテン、そしてケープペンギンなど観光地がたくさんあります。道路は舗装され、高級住宅街が存在し、その様子は世間一般的なアフリカのイメージを大きく覆すものでした。高台からケープタウンの街並みを見下ろせば、そこはアフリカであることを忘れさせるほど建物がたくさん建ち、車が走っています。
しかしこのケープタウンはそのユニークな見かけによらず、内部には大きな格差を抱えていました。
高台から見下ろしたとき、街のほぼど真ん中に大きな道路が縦に走っており、その道路より左側は貧困層が、右側は富裕層が住んでいるという、まるで1つの街でありながら断絶されたかのような、そんな風景を見ることができました。
これが高台から見下ろしたケープタウンの街並み。道路により富裕層と貧困層が分断されています。
実際に貧困層、富裕層のどちらの側も車で周りましたが、その差はかなりひどいものでした。
また喜望峰などの観光地にはほとんど現地人がいません。それは後からコーディネーターの方が説明してくれましたが、現地の貧しい人々は明日を生きること、日常生活を送ることで精一杯で、そうした観光地に立ち寄る金銭的余裕がないそうです。
観光地でさんざん楽しく見て回っていたあとにそんな話を聞かされた私にはかなりの衝撃で、プログラムに参加したメンバーの中でも、現地の素晴らしい自然、魅力を現地の人が体験できないこの国の構造についてたくそんの疑問が浮かびました。
南アフリカはアフリカ大陸の中でトップクラスの経済大国です。
先進国と発展途上国2つの側面を持つこの国では、やはり世界から見るとアフリカの中でも発展していると見なされ、援助の数が他のアフリカ諸国に比べて少ないそうです。しかし、実際に行ってみると分かるのが、貧困層が住んでいる地域は支援が必要としか思えない状況でした。
発展しているという数字があるからこそ受けられない支援。冷房の効いた部屋で椅子に座って数字を見ているだけでは絶対にわからない現地の様子。改めて現地に実際に赴くことの大切さを感じた研修でした。