2018年11月28日
中央大学ビジネススクール、オープンワークショップにて開催された、「アフリカ経営を語る」にて、ビィフォアード山川社長の講演会に出席しましたので、内容をまとめました。
アフリカを含めた中古車輸出事業で1000億円企業を目指す、毎月15,000台の中古車を輸出販売し続ける、業界圧倒的No1企業のアフリカビジネス成功の秘訣とは?
2、業務のデータ化と分析の蓄積
3、無いものは自社でつくる!
4、お客様が応援する仕組みづくり
1、お客様目線で考える
国内の中古車店で販売されている車は、内装も外装もピカピカ、ギズがあってもキレイに補修されているものが一般的。
このビジネスをアフリカ向けに展開する場合、アフリカのお客様も、ピカピカの車を好み、一生懸命キレイに磨いて、高品質の日本の中古車を並べれば、きっと喜んで買ってくれるだろう!と、ごく自然に考えるだろう。
しかし、かけた時間とコストに見合うだけの販売が出来るかといえば、それは違う。
ビィフォアード創業当初、いまほどアフリカ向けに車を販売していなかった頃、国内で廃車として引き取った車を、海外向けに売っていた。見た目は良くない、走行距離も伸びている、いわゆる廃車。
しかし、中古車輸出販売のポータルサイトに掲載すると飛ぶように売れた。
「まるでNew Car!」と、ジンバブエの女性のお客様から嬉しい声が届いた。
これがお客様の本当の声だ。同じ商売でも、市場が変わるとニーズも変わる。日本人が良いと信じている、業界の商習慣、品質、価格設定の感覚は、世界に通用すると限らない。
今回のジンバブエのお客様の場合、期待した車が、自分の予算内の価格で売っていた。送金して数ヶ月後、車が届いたら、期待以上の品質だった。これが、ビジネスが成立した流れ。
国内で廃車と判断されたから「ダメな車」ではなく、お客様の期待を上回れば、ビジネスが成立し、満足してくれる。お客様の声を聞けば、だんだん何を求めていかが分かってくる。
2、業界に先駆けたIT導入
創業当時の中古車輸出業界は、ITの導入が遅れていた。
車の仕入れは、中古車相場が頭に入った古参のバイヤーが、オークション会場で職人芸のように応札する。オフィスは、インボイスや、船積み書類に埋もれ、販売データや、顧客の購買動向など、ほぼ活用されていなかった。
これを全てデータ化し、集約、解析し、次の販売につながるよう活用する。データ化することで、職人芸でなく、誰でも客観的に仕事が理解でき、即戦力として活躍できる人材になれる。
これが圧倒的に販売数を伸ばすことにつながった秘訣。
3、無いものは自社でつくる!
日本からアフリカまで車を届けるには、船で輸送する。
しかし、お客様が内陸国の方で、自国に港がない場合、近隣国の港で荷揚げをし、自国まで運ぶ必要がある。ビィフォアードのお客様は、個人の方がほとんどで、生まれてはじめて海外から車を輸入する方も多い。
その場合、通関業者を活用したり、陸送業者に依頼し、ドライバーに何千キロも運転して、届けてもらうことになる。また、慣れていないと、相場以上費用を払わされたり、輸送途中で車がトラブルに会い、無地に車が届くまで心配が絶えない。
これらのお客様が感じる煩わしさ、困りごとを知り、自社で解決しようと、ビィフォアードは考えた。独自で通関業者と契約を結び、安全に適正価格で陸送できる環境の整備をすすめた。
ここまでは、同業者他者でも実施している会社もあったが、ビィフォアードの凄さは、自社でサービスカー用意し並走させ、自前でトラブル対処しながら、数千キロの移動の間にチェックポイントを設け、常に車がどこまで移動したかを確認できる仕組みをつくったところだ。
これもお客様の心配ごとを、極限まで減らし、満足度を上げることを第一に考えた結果である。これらの小さな施策の積み上げか、現在の月間15,000台の販売につながっている。
4、お客様が応援する仕組みづくり
ネット上の口コミを会社の資産と考え、いち早く膨大なコストをかけて、一気に推進したことが、現在の圧倒的なウェブサイトPVと、販売台数につながっている。
購入したお客様からのコメント、写真、口コミ、お友達の紹介、SNSのいいね!、ブログ、コミュニティサイトの投稿など、ネット上でビィフォアードに関することを拡散する仕掛けが、いくつも同時並行で展開されている。もちろん拡散することで得られるメリットは、金銭や、Tシャツなどのノベルティーグッズなど、さまざまなものが用意されている。
例えば、車を購入されたお客様が、車とお子様の写真をビィフォアードに送ると、写真1枚に対し、100ドルプレゼントされるなど。
また、もともとはビィフォアードから車を仕入れ、転売していたブローカー達が、あまりにもビィフォアードブランドが拡大したため、自身が応援する立場のサポーターとなり、「どうすればビィフォアードがもっと拡大するか」を、お互いに勉強し合う国もある。
まだまだ、アフリカ経営の秘訣はあるだろうが、今回でいちばん記憶に残ったことを、まとめてみた。
これからアフリカ進出される方々の参考になれば、幸いです。
アフリカビジネスサポート
代表 有吉徹
www.africabiz.jp