に いびょーご!
(現地モレ語で「こんにちは!」)
今日も汗と涙と虫とヤモリと土ボコリにまみれてブルキナファソで育児に奮闘中のてんやわんやママです。
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今日は、今から3年ほど前、ベナンに住んでいた時のお話です。
ベナンには海があり、首都コトヌーにあるこの砂浜で、ワイルドにハイハイをしていました。
そんなムスメ1号の手首から、ある日突然、生きたハエの幼虫が出てきたのです。
今日は、その時の体験談と、その犯人「ヒトクイバエ」について書きたいと思います。
この記事の目次
(体験談)手首からハエの幼虫が出てきた
ある日、ムスメ1号の左手首に、蚊に刺されたような赤い腫れを見つけました。
私はただの虫刺されだと思い、ベビー用のかゆみ止めをこまめに塗っているだけでした。
しかし2日経っても、一向に良くなる様子はなく、腫れはどんどんひどくなっていく一方でした。
ムスメも、ちょくちょく手首を触っています。
あまりに腫れがひかないことと、本人もずっと気にしていたことに、少し違和感を感じ、明るいところで患部をじーっと観察してみました。
よーーく見てみると、
蚊に刺されたにしては、おかしいくらい真っ赤に腫れ上がり、真ん中に小さな白っぽいものが見えました。
そう思い、膿を出そうと、真ん中の白いところを中心に、患部を指でギューッとつまんでみました。
結構かたい。
かたくてなかなか膿が出てこないので、さらに力を入れてギューーーッと押し出します。
いたいよねー
と心の中で謝りながら、さらに力を入れて、膿を押し出そうとします。
しばらくそのまま押し続けていると、
コロリ。
ムスメ1号が、今まで聞いたことのない声で「ギャー!」と一声泣いたと同時に、患部から何かがコロリと落ちてきました。
すぐにそうわかりました。
コロリと出てきたものが何だったのかを確認するために、足元を見てみると…
床の上に、2〜3ミリの白いものが落ちているのを見つけました。
パッと見た感じは、何かの卵のようでした。
ムスメの手首から出てきたものは何なのか、顔を近づけ、さらによーーく見てみると…
ウニョウニョ…
な、なんと、生後10ヶ月のムスメ1号の手首から、ウニョウニョと動く生きた幼虫が出てきたのです。(恐怖)
お医者さんに診てもらう時に、手首から出てきたものの実物を見せた方がいいだろうと思い、とっさにこの幼虫を捕まえ、逃げないように、かつ、先生が見やすいように、透明なテープで固定しました。
ムスメの手首から幼虫が出てきたーー!!!
と叫んだり、取り乱したりすることなく、結構冷静にウジ虫を捕まえて、ドクターが見やすいようにテープで固定する一連の動作をしながら、アフリカ生活でたくましくなった自分を、心の中で讃えました。
世界中どこにいても、母は強しです。
その後、出てきたウジ虫を持ってお医者さんへ行くと、先生がいろいろと調べてくださり、後日連絡が来ました。
その結果、ムスメ1号の手首から出てきたのはヒトクイバエの幼虫だったようです。
「ヒトクイバエ」とは
(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Cordylobia_anthropophaga)
(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Cordylobia_anthropophaga)
私が協力隊として赴任していたザンビアでは、「マンゴーフライ」や「プチフライ」と呼んでいる人が多かったです。
本来は、幼虫が一定の大きさになると、自分で皮膚から出てくるようですが、ムスメの場合は、まだ幼虫が小さいうちに、私が無理やり押し出してしまいました。
では、もしあなたがヒトクイバエに寄生されたらどうしたらいいのでしょうか?
対処法、治療、予防まとめ
1)対処法
もし、あなたがヒトクイバエに寄生されて、自分のカラダの中にウジ虫がいるとわかったら、
ハエの幼虫を取り出さなければなりません。
ヒトクイバエの幼虫は、切開などをしなくても、比較的取り出しやすいようです。
(実際、はじめての私でもうまく取り出せました。)
が、皮膚内で幼虫が死んだままになったり、幼虫の一部が体の中に残ってしまうと、異物反応が起きてしまうこともあるようなので、可能であれば、病院で適切な処置を受けた方がいいと思います。
協力隊時代に、ザンビア人の友人が、
なんて、笑い話にしていたことを思い出しましたが、その時は、まさか私まで自分の子どもの手首から生きた幼虫を取り出すことになるとは、全く想像もしていませんでした。
もし、どうしてもすぐに病院へ行けない場合は、自分で押し出すしかないかと思います。
その場合のうまく取り出すポイントは…
とにかく思いっきりギューーッと押し出すこと。
私もまだ0歳のムスメに、こんな強い力でかわいそうだなぁと思うくらいの力で押し出しました。
幼虫を取り出すことからは、もう逃げられません。
覚悟を決めて、ありったけの力で押し出してください。
私は試していませんが、幼虫が呼吸をする小さな穴にワセリンを塗ると、幼虫が空気を求めて表面へ顔を出すので、その時にピンセットなどでつまんで簡単に取り出せることもあるようです。
2)治療
ヒトヒフバエの幼虫を取り出した後は、
- 患部に幼虫が残っていないか確認
- 抗生剤の軟膏を塗る
という治療が行われました。
患部がきれいに写っていませんが、これは幼虫が出てきた翌日の写真です。
3)予防法
ヒトクイバエは、濡れた洗濯物などに卵を産みつけるので、予防法は以下の通りです。
外に干したすべての洗濯物にアイロンをする!
ヒトクイバエの卵や幼虫は、熱に弱いので、生息地域に住んでいる人は、しっかりと洗濯物にアイロンをかけてください。
「うちに電気なんて通ってないよー!」
っていう人は、電気がなくても炭を入れて使う(めちゃくちゃ重い)アイロンなどがありますよね。
(近所の仕立屋さんなんかに聞いたらわかるかと思います。)
まあ、そんなアイロンを使ったり、毎日下着にまでアイロンをかけるのって、面倒くさいですよね。そこはあなたの判断にお任せします。
でも、もし自分のパンツにヒトクイバエの卵が…
(下着は直接身につけるものですからね。あー、想像しただけでコワい!)
って考えると、パンツくらいには、アイロンをかけようかなと思いませんか?
なんだか、最後はおどしてしまったような気もしますが、これからアフリカへ旅行に行く方や、アフリカ滞在中のあなたのカラダから、ウジ虫が出てこないように祈っています。
ちなみに我が家のムスメ1号は、しばらくの間、このウジ虫が出てきたぷっくりとふくらんだ傷あとをさわりながら、眠りについていました。
ヒトクイバエに寄生された傷あとは、どうやら、さわると落ち着くようです♡