はじめまして。Yamamoto Hirotakaです。
旅行、スポーツ観戦、料理が好きな1990年生まれです。
大学を卒業後、上下水道の維持管理巡回営業を3年、求人広告の営業を3年半。休日は水と衛生のNGO団体の手伝いをし、グローバルフェスタなどでファシリテーターとして登壇。
退職し2022年1月よりJICA海外協力隊カメルーン隊員に。
職種はコミュニティ開発(水の防衛隊)として活動しています。
この記事の目次
水の防衛隊とは
始まりは2008年5月、横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)で、日本は
「アフリカでの安全な水へのアクセス向上や
衛生状態の改善などに寄与する人材を派遣する」
と表明し、同年11月より、「水の防衛隊」の派遣が始まりました。
水の防衛隊となったのは、水・衛生分野のニーズがある地域に関連性のある職種で派遣されるJICA海外協力隊やJICA専門家たちです。
2018年6月までに派遣者数は260人、活動国は21カ国となっています。
(JICAホームページ:「アフリカの大地にじわり浸透:「水の防衛隊」発足から10年」より引用)
水の防衛隊の実際の活動とは?
では、実際、水の防衛隊はどのような活動をしているのか。
JICA海外協力隊の活動は上記でも述べたように、主な活動は「水」・「衛生」の2つに分けられます。
「水」分野の主な活動は、
- 生活水・井戸の調査
- 井戸の修繕
- 井戸の維持管理方法の提案
- 住民団体の水委員会組織運営
- 治水
などです。
「衛生」分野の主な活動は
- 学校や地域住民に手洗いをする意味を伝える啓蒙
- ゴミ拾い
など草の根レベルの活動が主となっております。
実際に私が行っていること
私は現在カメルーンで水の防衛隊として活動しています。
カメルーンに来てから、約6ヶ月が経過しました。
今もまだまだ住民との信頼関係構築などに難しさを感じたりしていますが、地域住民の生活水・井戸ポンプの調査・マッピング(型や製造国の調査)、住民団体の会議へ参加などを通して少しづつ「水の防衛隊」らしい活動が出来てきていると思います。
9月以降は長期休みが明け、小学校なども再開するので、そこで手洗いの授業を2校、今住んでいる地域周辺で手洗い紙芝居などが出来ればと考えています。
一筋縄ではいかない協力隊活動
上記で記入した通り、この文章だけ見れば活動がスムーズに見えるかもしれませんが、ここに至るまで半年間、様々な苦労や葛藤がありました。
まずは住民団体へのアプローチです。
井戸ポンプを調査して、故障している(ニーズがある)地域からアプローチしていく作戦で、計画を立て行動していました。
村長的な人にアプローチして、すんなり受け入れてくれて、すぐ住民団体の会議に参加できた地域もありました。
しかし「来るな」「帰れ!」など落ち込むことを何度も言われたこともあります。
言われた瞬間は落ち込むこともありますが、
- 知らないアジア人がいきなりコミュニティに入らせてくれと言ってきた
- このアジア人は何を言うつもりなんだろう?
- 今までの培ってきたコミュニティが壊されたらどうしよう
など色々思うところがあるのは当然であり、帰れなど言われることはある程度想定はしていました。
想定してはいましたが実際言われると凹みます。
他にも現地の人で仲良くなり、街の問題点などを聞いて連絡先などを交換して、今後のその地域のパートナー的な人になるかもしれないと思っていた人から、毎日「実は仕事がなくて、困っているから仕事を紹介してほしい」などの連絡が来ることも多々あります。
もちろん、人種も文化も違うので、そこのバランスをうまく見ながら、粘り強く、アプローチを続け、どう信頼を構築できるかなど、日々試行錯誤しています。
現地での“ニーズ”はあるのか
では実際現地はニーズで溢れているのか?
結論から言うと、私から見たらニーズに溢れています。
読まれている方からしたら、派遣されているんだから当然だろうと思うかもしれませんが、その通りです。
※私の配属先の市の全員が井戸で生活しているかというとそういうわけではありません。
しっかり家に水道が通っており、水道水で生活している人も多くいます。(断水も起こります
。)
上記でも書いたように、生活水確保のために井戸ポンプの水を汲み、水を手に入れるにも、時間・体力が割かれています。
これがなくなり、仕事や、勉強に時間を当てることができれば、その方の生活の改善にも繋がります。
しかも私の住んでいる地域は、子供が水汲みの仕事を担っていることが多いです。
井戸ポンプを使っている以上、この労働はなくすことは難しいですが、何か他にアイデアを絞り出し、井戸ポンプと住宅の往復回数などを減らせることはできないかなと、直接水問題に関わってはいないかもですが、このようなことも日々考えています。
衛生面でも、海外にいったことある人なら、カメルーンに限らず、道端に大量のゴミが落ちている風景を1度は見たことがあると思います。
このゴミも景観を悪くするだけではなく、地下水への影響、はたまた飲水・体への影響とゴミ一つで、生活レベルまで連鎖しているのです。
しかもこのゴミがギニア湾へと流れることも多く、カメルーンの国だけの問題ではなくなることも日々考えらせられます。
このような問題点を洗い出して、いざ行動しようとしてもどこから手をつけていいかわからなくなる時もあります。
それと同時に一応水・衛生の知識などを会社やNGOの手伝いをしながらつけてきたと自負してきた部分はありましたが、自分の知識不足を痛感する時が多々あります。
そして、私が問題やニーズがあると思っていても、現地の人からしたら、私が考えていることがニーズではない場合もあります。
ニーズの不一致というやつです。
なので、しっかり聞き込みや話し合いを通じ、双方が納得した形で何か解決していくことも大事な活動と言えると思っています。
海外にわたって直面した《水問題》
協力隊に参加している隊員の中には自分の希望職種・国とは違う案件などで渡航している人も多くいます。
しかし私はありがたいことに国も案件も第一希望が通り、ここカメルーンにいます。
そしてなぜ私が、水の防衛隊を希望したかというと、大学時代に行ったボランティアが大きな理由の1つとなります。
大学時代に私は、インドとバングラデシュに家を建てるボランティアに参加しました。
高校時代に韓国に行ったことはあったものの、ガッツリ海外は初めての経験で、何もかもが新鮮な状況でした。
そんな中、現地で生活していると、断水や道端でのトイレ、泊まっている宿のシャワーから赤さびの水、このような現状を目の当たりにし、日本との衛生面の違い、問題意識を持つようになりました。
その後も約30ヵ国ほど世界を旅行しましたが、安全に水道水を飲める国は少なく、より水問題について考えるようになり、就職、協力隊活動、そして今後の人生においても世界の水事情の改善の一役を担えればと思っています。
そして今カメルーンで残り任期1年半、できることを全力で取り組めればと思っています。