三週間。短いけれど、そこにはたくさんの思い出が詰まっている。
連載というかたちで、私のタンザニアでの他愛のない思い出をぽつぽつと、皆さんに共有したいと思う。
今回は、ごはんのはなしをしよう。
人間の体力はもちろん、体調や気分なんかも左右するのは、「食」である。
そして私は「食」は文化であると思っている。当たり前だと感じるかもしれないが、これには文化という言葉以上のものが含まれている気がするのである。
地域の特色、慣習、気候、人々の性格などをうまく表したシンボリックなものだと考えながら、各国を食す。
さて、タンザニアの食事と聞いて、あなたなら何を思い浮かべるか。
この話をするとよく知り合いや友達なんかに言われたのは、「イモムシたべるんでしょ?」である。
アフリカ=ゲテモノという認識があるらしく、イモムシの味食感のコメントを期待しているようだが、実は私は一度もイモムシさんにお世話にならなかったのである。
渡航前にタンザニア経験者から、「タンザニアのごはんは食べられたものじゃないよ」と散々に脅され、食べることが大好きな私は素直に恐怖し、三週間の滞在で急激にやせてしまうのではないだろうかと不安な思いを抱えたまま、ついに入国してしまった。
最初に入ったレストランはダルエスサラームのローカル店だ。郵便局の横にある、いわゆるビジネスランチの食堂的な場所である。
注文したのはWARI YA SAMAKI (WARI=ご飯、SAMAKI=おさかな)。
以下をご覧あれ。
あら、魚は日本食っぽいし、色合いもいい。お野菜もついてるし、おいしそう!完食した。
美味しい。美味しいぞ。
私に忠告した人は、いったいどの料理について言っていたのか…。
こうして私は毎回の食事をほぼ完食していった。量は男性と同じ、しかも私は他の人のお皿の残りにさえ手を出す始末。途中から身体に贅肉を感じながらも、勿体ない精神に勝る美味により、口に運ぶ手は止まらなかった。
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ドドマ(筆者連載一回目参照)では、NDIZI(バナナ)料理にハマった。主食用のバナナは甘くはない。
スープと一緒によく煮てあるため、非常に滑らかな口当たりである。
こちらではお肉を食べる際に、焼肉のときの白米感覚で、NDIZIを一緒に食べる。たまに、少々甘いものもあるが、それがまたくせになる。
ちなみに私はUGARIという、トウモロコシの粉からできている練り物の主食も頂いたが、おいしすぎて困った。
という調子で、タンザニア飯には何も問題なく毎回美味しくいただき、帰国後には三キロの増加を確認した。ある意味で幸せ太りである。
アフリカではイモムシなどの虫を食べると思っている皆さん、きっとイモムシを食べる場所もあるが、それはもっとずっと山奥だったり、限定的な事実である。
ジェネラルにはとっても美味しい料理を食し、日々の活力としている。
タンザニアの味付けは濃くなく優しい味わいである。繊細で、いつ食べてもホッとする。
タンザニアのお母さんたちの分厚くて柔らかい手のひらのようだった。