ベナン共和国、コドワリ村に青年海外協力隊、コミュニティ開発で派遣されている福井沙織です。
前回は比較するということについて書いてみました。
今回は最終回として、協力隊で行った活動、そして生活して感じたことをまとめて書きたいと思います。
2018年7月にベナン共和国に派遣されましたが、この2020年3月に1年9ヶ月の任期が終わり(現職参加のため。通常は2年間の任期です)、日本へ帰国しました。
振り返るとあっという間の日々で、初めはどうなるやらと不安な日々を過ごしていましたが、今ではそれも懐かしく、ベナンに来て良かったなと思っています。
何気ない日常が、非日常になってしまったと思うと、とてもさみしい気持ちになることもあります。村人、子ども達、お世話になった人々との別れは辛く感じます。
1年9ヶ月間で私が行ったこと
せっかくなので、この場をお借りして、私がこの任期で何を行ってきたかを「JICAボランティア事業の3つの目的」と照らし合わせて紹介したいと思います。
JICAボランティア事業の3つの目的とは、
- 開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
- 異文化社会における相互理解の深化と共生
- ボランティア経験の社会還元
であり、これは派遣前訓練でも暗記させられるほど、ボランティアとして大切にするべき目的かと思います。
この3つを私の生活と活動に当てはめると
①自分の知恵を共有し、協働する
☑︎改良かまどづくり
☑︎手洗い啓発活動
☑︎Tippy-Tapづくり
☑︎水の安全についての衛生活動
②村人の生活を知る、自分も習う
☑︎同じ食べ物を食べる
☑︎時間を共に過ごす
③日本とベナンをつなぐ
☑︎ベナン通信の作成
☑︎日本の小学校と手紙交換
☑︎Skype交流
1つ1つを詳しく紹介することはできませんが、目的に合わせて自分の任期を全うできたかなと振り返ります。任期を総じて思うことは、やはり人との出会いが大きな原動力となったことです。
上記に挙げたことは、自分で進めて実施できたというよりもあらゆる人との出会いの中で生まれた産物であり、決して自分一人では成し得無かったということです。
そして、このようなタイミングは自分の思い通りになるわけもなく、いつ巡ってくるか分からないからこそ、長期的な視点を持って進めることが大事だということも学びました。
もっと早く出会っておけば、色々と一緒に活動できたのに…と思うことは多々ありますが、タイミングをつかんで、できることを最大限行うことが大切だと思います。
また、「何をするか」も大事ですが、「誰と行うか」というのもとても重要であると感じています。小学校の活動でも、担任の先生によって、子ども達に与えられる影響は驚くほど違ってきます。
この経験で、誰と行うべきかという判断力はとても身についた気がしますし、同時に自分も一緒に行おうと言ってもらえる人材でありたいと思います。
知ることから始まる、終わりのない学び
村人と共に生活することで、いろんな現状や考え方などを見聞きすることができました。
その1つ1つが私の財産であり「知ること」がいかに大切か、身をもって実感しています。
そして「知ること」には終わりがなく「終わりのない学び」であるとも思っています。
協力隊生活は終了しましたが、それで「終わり」ではなく、また新たなスタートだと私は考えています。
これは社会還元にも繋がる部分かと思いますが、
◆自分の知ったことを自分のものだけにせず、いかにたくさんの方々に還元することができるか
◆これからもベナンに関心を持ち続け、またベナンから得た学びを日本でどう活かして生活するか
という様に様々なチャレンジが始まると思っています。
協力隊生活でできなかったこともたくさんありますが、これからできることもまだまだあると思っています。
協力隊参加を通じて得た、たくさんの出会いをこれからも大切にしていきたいです。
また、今まで出会った方にたくさんの励ましを頂いたお陰で、私の協力隊生活も無事に終えることができました。
そのようなつながりをこれからも大切に、自分にできることを模索し続けたいと思います。
「知ることから始める、終わりのない学び」
これからも知ることに貪欲になって生きていきたいなと思います。
4回を通じて、ベナンでの生活や感じたことを書きました。
ですが、これらはベナンだからこそ感じると言うわけではなく、どこにいても身近なテーマであるかと思っています。
日本にいるとつい日常化し、感性が鈍ってしまう気もします。そうならないよう、自分で意識的に刺激を与えていかなければいけない(人と出会ったり、いろんな場所を訪れたり…)とこの経験を通じて感じています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
記事を通して、少しでもベナンが身近になり、またいろんなことを考えるきっかけになれば幸いです。