NPO法人アラジ代表理事下里夢美(27歳)
「誰もが夢を叶えるためにステップを踏める社会」の実現を目指し、世界で最も命の短い国・シエラレオネ共和国の就労支援を行う。また日本では啓発活動とともに、「若者が最初に発信する場所」つくりを行い、若者の社会起業を応援する。
NPO法人アラジ
代表blog
下里夢美氏へのインタビュー
Tokyo Africa Collectionは、設立から早3年。2018年夏に開催されるショーでは前回に引き続き、シエラレオネをテーマにしたランウェイが登場します。シエラレオネと聞くと、つい数年前まで続いていた紛争やエボラ熱を想像する方も多いのではないでしょうか。今回はそんなシエラレオネのリアルをNPO法人アラジで代表理事を務める下里夢美さんに聞いてきました。
田中:
NPO法人アラジを立ち上げてから1年が経ちましたね。まずは、ご自身でNPOを立ち上げようと思った経緯から伺いたいのですが…。
下里氏:
シエラレオネのダイヤモンドは私たちが身につける指輪の産出国でもあり、かつて、そのダイヤモンド原石の密輸は、武器取引などに使われていました。遠い国の出来事が消費国である日本とも深く関係していることに、責任を感じました。映像にショックを受けた私は、国際協力の専攻できる大学へ進学し、卒業後自らNPO法人アラジを立ち上げるまでになりました。
田中:
なるほど。この1年はどういった活動をしてこられたのでしょうか?
下里氏:
ポートロコ村での小学校支援や、昨年発生した土砂災害により孤児となった子ども達に対して教材支援を定期的に行っています。またアフリカ布を使ったオーダーメイド服や雑貨販売事業を通して、火事で家を失ったテイラー(仕立て屋)の就労支援も行なっています。
田中:
そういった活動をする中で、当然シエラレオネの方と接する機会がたくさんあったと思います。下里さんが感じた、シエラレオネに住む人の性格や性質を教えてください。
下里氏:
根本的に楽観的で優しい人が多いです。昔からコミュニティーで生活しているので、一人ぼっちで生活をしている人を見かけません。みんなで分け合いながら生活しているようです。
田中:
下里さん自身、シエラレオネだけでなく他のアフリカの国へ足を運ぶ機会が数多くあると思います。下里さんが思う、他のアフリカの国にはないシエラレオネ独自の特徴や魅力は何ですか。
下里氏:
正直なところ、文化や観光地など、これといった魅力はないんですよね。
ちなみにシエラレオネの人たちはみんな国旗の色が好きですね。国旗の色は緑白青で、緑は山を、白はダイヤモンドを、青は海を表しています。
田中:
白のダイヤモンドと言えば、現在のダイヤモンドを巡る情勢はどうなっているのでしょうか。
下里氏:
ただ、そんなネガティブな側面も持つ一方で、最近では「平和のダイヤ」が注目を浴びています。
田中:
「平和のダイヤ」とは何ですか?
下里氏:
シエラレオネでみつかった706カラットのダイヤモンドの原石のことです。売上の半分以上はシエラレオネの教育や医療・インフラ整備など、人々の生活向上のために使われることが決定しています。武器の取り引きではなく、国の発展のためにお金を使うという風潮がシエラレオネで巻き起こっているんです。
田中:
なるほど、「平和のダイヤ」がもたらす国への影響からも目が話せないですね。是非ショーのコンセプトに取り入れさせていただきます!
下里さん、この度は貴重なお時間と情報をありがとうございました!
今回は、NPO法人アラジで代表理事を務める下里夢美さんにシエラレオネの今を伺いました。かつては紛争の原因となり「Blood Diamond(血のダイヤモンド)」とも呼ばれていたシエラレオネのダイヤモンド。そんなシエラレオネのダイヤが「Peace Diamond(平和のダイヤモンド)」に変わりつつあるというお話が印象的でした。2018年夏のショーでは、こういったシエラレオネの想いをショーに込めてお送りしたいと思います。
田中寛子 早稲田大学文化構想学部4年
担当国:シエラレオネ、エチオピア
詳細及びチケットはこちらのHPから☟
https://www.tokyoafricacollection.com/
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