西アフリカの「世界で一番命の短い国」シエラレオネ共和国で就労支援活動に取り組むNPO法人アラジ代表の下里夢美です。
シエラレオネと日本人ハーフモデルのリサちゃんとの一枚
お子様ドレスの撮影会にて♪
前回の記事
前回の記事では、テイラーさんが住むエリアで起こった火事と、人々の以外な価値観について連載させていただきました。
今回はいよいよ最終章です。12名の収入を支えるプロジェクトにおいて、現地の人々と仕事をする苦労話しについて、つらつら文句を含めながら書いていきます。
この記事の目次
アフリカ人と仕事するうえでの苦労と、本当に大切なこと。
シエラレオネの首都フリータウンで、テイラー(仕立て屋さん)の多いストリートで、火事で家を失ったテイラー12名の収入を支え、日本人の皆さんのオーダーメイドのお洋服を制作したり、アフリカの布を使って、シエラレオネの魅力を伝えるとともに、仕立てる、というアフリカならではの文化を保存する活動でもある、このプロジェクト。
テイラーさんたちとの信頼関係も芽生え、商品ができるたびにワクワクし、とても大好きなプロジェクトであると同時に、やっぱり問題も山積みで、特にアフリカ人の仕事観とは、多々ぶつかることもあるわけで…。
名指しはしませんが、見習いテイラーの一人と揉めに揉めた話しを赤裸々に紹介。「アフリカあるある~!」と思うこと間違いなしです。
まぁ、時間は守らない。合言葉は「Tomorrow」
Yume「モハメドこれは3日でお願い、いつも夕方いるから、いなかったら鬼電するから」
Mohamed「OK!まかせて!」
ー3日後ー
Yume「これ、できてなくない?組合化したら、仕立て代天引きするよ?」
Mohamed「OK! ソーリーソーリ Tomorrow!」
―次の日ー
Yume「あなた昨日、Tomorrowって言ったよね?」
Mohamed「Oh Yume…(やっべーって顔で)Tomorrow!」
ーTomorrowー
Mohamed「ソーリーYume,(開きなおった割りとすがすがしい顔で)Tomorrow!」
おまえはトゥモローおじさんかあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
そんな感じで納期を守らないのは当たり前ですが、最近はそういうことも少なくなってきました。みんな私がショップで待っていたりすると、汗だくで走ってきてくれます。私がすごい剣幕で怒るので。
ちなみに、アラジの現地マネージャーは、時給制で雇っているのですが、10分以上遅れてきたことがありません。ただ、シエラレオネの人とどこかに遊びに行こうよ!となった場合、待ち合わせの時間通りにくることはまずありません。それで、通算12時間はまったと思う。
俺のせいじゃない、全部布のせいだ!いいわけMaybe事件
見習いテイラーのほとんどは、「布を綺麗に仕立てる」とか、「お客様目線で商品を制作する」などを考えたこともありません。それでずっと許されてきたので。
ましてや自分の商品が輸入され付加価値がついて、仕立ての倍以上の値段になって販売されるなんて(あ、倍以上の値段になっても送料もかかっているのでまだまだ赤字ですよ!w)考えたこともないわけです。日々ひたすらずれ込む、検品基準と、仕事観。
ある日、全然スカートの仕上がらない若手テイラーに、「注文の赤い布に、黄色のシミがついてるんだけど!」と指摘したところ、「俺は知らない、たぶん布のせいだ」と言って、そのまま現地のごはんを食べだしました。
おそらく彼は、検品が厳しすぎて毎日若干イライラしていました。だけどどう考えても、赤い布に、黄色いシミが元からついてるわけないと思うんだ。てゆうかなんで今ごはん食べるの?と、こっちもイライラ。
テイラーたちは毎日マビンチという豆ごはんを食べてます。
とってもおいしい。
だからマビンチがついっちゃってるんじゃんんんんんんんんん!!!???
私が怒ってもらちがあかないので、ベテランテイラー2人を連れていって状況を説明すると、こっぴどく年上の2人から叱られていました。基本的に私の言うことは聞かないので、こういう処置をとると、次のオーダーからは一目置いてくれます。
信頼のおけるベテランテイラーやその地域の権力者と手をとるのは、アフリカビジネスには不可欠です。
※記事は次のページへ続きます。