11カ月間のアフリカ留学が私に教えてくれたこと

皆さんこんにちは、信州大学4年の米田耕太郎です。

 

僕は先月9月末までトビタテ留学JAPANの9期生として、1年間大学を休学し、アフリカを舞台に「野生生物保全を地域の発展を繋げる」をテーマにボランティア活動を行なっていました。

現在は大学に復学し、卒業研究と院試の準備に励んでいます。

 

前回までの記事に引き続き、今回はアフリカ留学最後の活動地、南アフリカでのボランティア活動の様子と、そこから得られた発見について書かせて頂きました。

 

南アフリカでの活動を始める前にはケニアから陸路で縦断しました!

 

 

この記事が僕の今回のアフリカ留学に関するラストの記事になります。拙い文章ですが、最後まで読んで頂けると嬉しいです!

南アフリカでの活動内容

南アフリカでも同様に、「野生生物保全を地域の発展を繋げる」というテーマを掲げ1ヶ月半の間、Kariega Game ReserveAmakhala Game Rreserveという、2つの自然保護区でそれぞれ3週間ずつ活動していました。

 

僕が今回参加したプログラムに興味のある方は是非このウェブサイト(https://www.enkosini.org/)を覗いてみて下さい!
アフリカでの野生生物保全系のボランティアプログラムを提供する団体の中でも(あくまで個人の感覚ですが)プログラムのラインナップが多く、安いのでお勧めです!

 

滞在した2つのGame Reserveでは、基本的に平日の午前(8:00~13:00)と午後(14:00~17:00)に活動し、夕方以降はフリーという生活でした。以下に毎日の基本的な活動を簡単に挙げていきます。

ゲームドライブ

活動の中心となっていたのがゲームドライブでした。

※ゲームドライブとは?
車に乗って保護区内を回るサファリのこと。ゲームドライブの他にもウォーキングサファリ、ボートサファリなどがある

このゲームドライブ中は、

それぞれの野生動物の特徴を学んだり

ゾウの食性調査をしたり…

 

テレメトリーを使ってライオンやチーターの追跡作業を行なったり

保護区内に生息する鳥類の種構成を調査して地元の大学に報告したり…(写真はダチョウの卵)

 

保護区内のAPU(Anti-Poaching Unit・反狩猟団体)と連携して保護活動に役立てるためにサイのGPSを取ったりしていました。

※サイに関してはSNSに写真を載せるとそこから位置情報等がばれ、密猟者のターゲットとなる可能性があるため、写真は掲載できません。

 

植林活動

気候変動への対策として、二酸化炭素の吸収効率が良いとされているPorkbushといわれる種の植林活動を保護区内で行ないました。

 

外来種の駆除

外来種のサボテン(南米原産)の駆除作業を行ないました。毎回全身棘だらけになりながら作業していました(笑)

 

フェンスのメンテナンス

活動させてもらっていた保護区の周囲に張り巡らされたフェンスのワイヤーが絡まっていないか?電気柵の電圧は正常か?などをチェックしました。

 

 

地域コミュニティプロジェクト

地域の学校に行って、環境教育に関するプレゼンテーションを行なったり、ゴミだらけのタウンシップを変えるべくポイ捨てを禁止するポスターを作成したりしました。

 

講義

環境保全全般に関する知識を深めるため、講義を受けました。同じボランティアとして参加していた海外の学生達の環境問題への意識の高さには驚かされました。

 

 

 

南アフリカの活動を通じての気付き

南アフリカの活動を通じて得られた気付きは大きく2つあります。

保護区の自然は「手つかずの大自然」ではない

1つ目は保護区が「手つかずの大自然」を持つ場所ではないということです。

どういうことかというと
まず、南アフリカのほぼ全ての保護区ではフェンス(電気柵)が設置されています。

 

この保護区におけるフェンスには、2つの意味があります。

土地の区分をはっきりと示すこと

政府が管理するNational Parkにせよ、私有地であるGame Reserveにせよ、明確にその保護区と地域住民との土地の境界を定める必要があります。

保護区内に野生動物を留めること

管理者が観光客向けに準備した野生動物を保護区内に留め、保護区外に野生動物が逃げることで生じるHuman-Wildlife Conflictを防いでいます。

 

つまり、保護区は巨費をかけて「設立」され、境界が人為的に「デザイン」されているわけです。

 

保護区内のロードメンテナンス作業。 サファリの際に利用するロードも人為的に作成され、メンテナンスされています

 

 

また、観光客を呼ぶために目玉の動物の導入もしばしば行われています。

 

また、保護区毎に野生動物を密猟者から取り締まるため、Anti-Poaching Unit(反狩猟団体)を持っていることも常識となっています。

つまり保護区における生物相は「コントロール」されているわけです。

 

そして、保護区内には豪華なサファリロッジがあり、海外などから来る富裕な「消費者」が想定されています。

 

僕が滞在させてもらったサファリロッジはその地域では一番安いサファリロッジとのことですが、一泊3~5万円ほどするそうです。(価格は季節によって変動)

 

つまり、保護区=「手つかずの自然」「人の手が加わらない場所」という認識は正しいものではなく、保護区は様々な管理のもと、成り立っているわけです。

スポーツハンティングの専門誌

 

また、アフリカ最大のスポーツハンティング産業国であり、ゲームミートが人気の南アフリカではゲームミート専用の動物を用意するための保護区が存在しています。

 

 

スーパーではスポーツハンティングに関する雑誌が店頭に並び、レストランではゲームミート(シマウマ、ワニ、ダチョウ等野生動物の肉のこと)を楽しむことが出来ます。

 

本などを読んでこの事実は知っていましたが、実際に目の前にしたとき、少し複雑な気持ちになりました。

 

保護区と地域の関わり

2つ目の学びは「それぞれの保護区が、それぞれの地域に合わせた異なる手段での地域コミュニティへの貢献を目指している」ということです。

 

滞在させて頂いたKariegaAmakhala 2つのGame Reserveは組織の中にそれぞれ地域貢献専用の組織(それぞれKARIEGA FOUNDATIONAmakhala Foundation)を持っています。その組織が環境教育や地域の孤児の支援、職業訓練などの活動を行っていました。

地元の小学校にて

 

この僕の留学テーマである、「どのように野生生物保全を地域の発展に繋げるのか?」に対するひとつの回答を得たような気がしました。

 

南アフリカでの活動を通じ、アフリカの野生生物保全活動の現場では個々の自然保護区が野生生物保全と観光にてついてだけではなく、保護区外のこと(地域住民との生活の両立)にどう貢献するか?ということ常に考える必要があるな、と確信させられました。

留学を終えての自分の変化とこれからの目標

僕は1ヶ月ほど前に、約11ヶ月に及んだアフリカ留学を終え、帰国しました。

 

アフリカから帰ってきて感じる自分の一番大きな変化は、「将来の目標に向けて自分の毎日の行動を決められるようになった」ということです。

 

留学するまでは「毎日の行動の基準や頑張る理由は特に無いけど、頑張ること自体に価値があるから頑張る」という感じでした。

 

しかし、留学を終え「何のために、なぜ頑張るのか?(why)」がハッキリしたため、「何をどう頑張るのか?(what and how)」に、よりフォーカス出来るようになりました。

 

勿論、まだまだ足りないことだらけであることは自覚していますが、日々の行動や努力が将来の目標に繋がっている、という感覚が新鮮で凄く楽しいです。

 

そんな僕の将来の目標はズバリ、今回の留学のテーマでもある「アフリカの野生生物保全活動を地域の発展に繋げる」活動に関わり続けることです。

 

そのテーマにどう関わり続けるのか、現時点ではなかなか見えていませんが、自分の大好きなこの活動に長い時間をかけて関わるための術を自分なりに模索し続けて行きたいと思います。

最後に

今回のアフリカ留学の価値はこれからの自分の行動次第でかなり変わってくると思っています。

ここからがスタート。

 

次のアフリカ渡航でより大きなものを手にするためにも、時間を大切にしながら日々努力したいと思います!

 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

もしよろしければ、少しでいいので記事の感想を僕宛にぶつけて貰えると嬉しいです。次回以降、よりよい記事を書くために是非役立てたいと思います。

それでは、また!

 

 

 

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