JAMBO!!!刀根 泉(とねいずみ)です。
ティンガティンガアートのオフィシャルショップAfricanHandsのバイヤー、プロモーター、商品デザインを主にやってます。
第1弾はAfricanHandsについて書かせていただきました。
第2弾は “Tingatinga(ティンガティンガ)”についてです!
Tingatingaアートに心ぶち抜かれて8年目になります。
実は私、いつかティンガティンガをディズニーレベルまで日本で有名にしたい!と本気で思ってるんです。
今日は簡単に描けそうで描けない、ティンガティンガの世界をわかりやすく!わかりやすく!紹介させていただきます。
この記事の目次
ティンガティンガとは?
Edward saidi Tingatinga
(1932年〜1972年)
1968年、東アフリカのタンザニアで生まれたポップアートです。創始者エドワード・サイディ・ティンガティンガの名前に由来していると言われています。
タンザニアのお土産物屋さんに並べられた絵画のほとんどがコンゴからのものだった1968年、それを見たティンガティンガは、
と描きだしたのが始まりでした。
創始者のティンガティンガは、自分の絵が順調に売れるようになると、絵に興味を持った親族などに惜しげも無く伝授しました。
彼の画家人生はたった4年。
不慮の事故で亡くなりましたが、その後も、直弟子達が、弟子を持ち、今でも100人近いアーティストによって受け継がれています。
そう、お弟子さん制度なんです。そのお弟子さんたちが描くペンキアートを総称して「Tingatingaアート」と呼んでいます。
彼が生涯に持った弟子は7人。
2015年、長老として、直弟子の1人として、最後まで活躍したアモンデ氏が死去。
このアモンデ氏が、ジミー大西氏に絵を教えた人です。(NHKドキュメンタリー)
Tingatinga Arts Co-operative Society(TACS)
5年以上の修行を積んで、認められたタンザニア人アーティストだけがTingatinga Arts Co-operative Society(TACS)という組織の登録メンバーとなり、正式なTingatingaアーティストと名乗ることができます。現在約85名ほど。
毎年クリスマスに行われる総会で、投票があり、選ばれし、1人のチェアマンと、6人のメンバーでリーダーズが決まり、その7人で1年間、Tingatinga村の運営をします。
メンバー達は、売上の15%をTACSに支払い、そのお金で工房の必要経費が賄われます。
ティンガティンガ村の正体
アーティスト達が絵を描いている場所は、TingaTinga村と呼ばれていますが、実際は工房です。みんな自宅から通ってきて、机を並べて絵を描き、夕方には自宅へ帰っていきます。
朝はスーツでやってきて、ボロボロのシャツに着替えて絵を描き、スーツで帰っていく人。
綺麗なズボンの上から、ボロボロのズボンを重ねエプロンがわりにする人、多数。
みんなここでワイワイ雑談しながら描いています。
ティンガティンガ村への行き方
タンザニア ダルエスサラーム ムササニ半島 マサキエリア
ダルに到着して、
というワードで行けます!
ティンガティンガは何で描いてるの?
当時は、建築用の合板にペンキ。現在は、キャンバスにペンキ。
ペンキは、白、黒、赤、青、黄、緑の6色。
中間色はすべて混ぜて作っています。
と言われているけど、実はペンキのメーカーによって、同じ原色6色でも少しづつ色味が違うのです。
なので、私は特に背景色を指定するときに、「黄色はレモンの方、使ってね!」とか、「赤はバガラ村で売ってるやつにしてな!」とか、言うようにしてます。
色味の研究中。。。
テインガティンガ制作過程大公開!
1. キャンバスから手作り
ティンガティンガ村の裏手にはカーペンターたちがいるので、アーティスト達は、その人たちに木枠を依頼し、布をくぎで打ち付けます。
「水性のペンキを塗る・乾かす・凸凹をヤスル」を3回繰り返す。
キャンバス作り完成。
2. 背景塗り
ここでやっとペイントスタートです。油性を塗ります。ペンキとオイルを使って、背景色を塗っていきます。
ここでも、塗る、乾かすを2回繰り返します。
3. 下書き
アーティストによって、下書きする人としない人がいます。するときはボールペン。
絵の工程を進めるに幾度となく日光の下で乾かしますが、乾かしてるうちに、ボールペンのインクだと飛んで消えていくからです。
4. シルエット
こんな感じ。
動物の場合、ただのベタ塗りでなく、筋肉を意識して描け!と言われます。
5. 小指を軸に筆を進めていきます
6. 元祖ティンガティンガアートのモチーフに使われる木々
実は、綿棒を使います。ドットの部分です。
筆でやるとすぐに筆が悪くなるらしい!それに、綿棒の方が早いです。
7. グラデーションも手作業
初めて絵だけ見たとき、スプレーやと思いましたが、豚の硬い毛の筆を使って、叩くように伸ばしていきます。
8. 模様を入れていく
9. アウトラインを入れる
10. 最後は目を入れます
11. サインして完成!!!!
そう!描いては乾かしてを繰り返して、重ねていく技法です。
工房には、すでに描いてある絵が数多く展示されているので、時間がない方はここから選んで購入できます。
簡単そうにみえるけど・・・
冒頭でもお話したように、Tingatingaアートに心ぶち抜かれて8年目になりますが、初めてTingatinga村を訪れた時の興奮は今でも鮮明に覚えています。
当時は、自分もティンガティンガアーティストになりたい!と本気で思っていたので毎回タンザニアを訪れるたびに習って描いていました!
それなりには描けるけど、オリジナルを作っていこうとすると結構難しい。
アーティストとして活躍する!という夢はアッサリ簡単に諦めたわけですが、いつもオーダーしたり、アドバイスしたりだけでなく、手伝いしたり、趣味程度に一緒に肩並べて描いたりしてるので、大変さめっちゃわかってます。
なので、お客様に「こんな絵自分で描けそう!」と鼻で笑われると、心の中で怒ってます。笑
結構、目と肩しんどいんやからな〜〜〜〜〜!
てな感じで怒ってます。
オーダーメイドのメリットデメリットとは?
時間がある方は、もちろんオーダーも可能です。
その際のメリット、デメリット。
メリット | デメリット |
希望サイズにできる | 納期が守られないことが多い |
背景色や動物が思いのまま選べる | 値切りすぎると雑に仕上げてくることがある |
予算に合わせることもできる | 思ったものと違うものが出来上がるときがある |
劣化していないものが手にはいる | 完成品が気に入らない場合揉める |
アーティスト本人に会える | 英語ができないアーティストが多すぎる |
日本への持ち帰り方法
持ち帰るときは、キャンバスから外してくれるので、丸めて持ち帰るだけ。
- スーツケースに入れると折れることがあるので出来るだけ筒に入れてもらおう
- 帰国後すぐに丸めた絵は広げよう
- 額装しよう。最初はいいけど、日が経つにつれ、湿気でデコボコしたり、割れます
思わずツッコみたくなるティンガティンガ編
それ何の動物なん!?
虎、犬、猫、似顔絵は不得意です。絶対こんなことになります。
犬なんか?猫なんか?虎なんか?黄色いシマウマなんか?全然わかりません。
アニメの中に突如実写がきても〜〜〜〜〜なんでやねん!てなります。
もし、成功例があったらご一報ください。
もう一度いいます!虎、犬、猫、似顔絵は不得意です。笑
さすがやわ、長老!
(左)長老たちは味があります、真似したくてもできないです。
(右)若手たちは正確性があります。迷いのない曲線は見事です。
どこまで筆使うん!?
筆は太いのを買って、どんどん削っていって最後の毛10本程度まで使います。
【AfricanHands】人気アーティストランキング!!!
ここでいきなり!ですが、アフリカハンズでの人気アーティストランキングを大発表しちゃいます。
ズベリ・ダイム
これは初めて会ったとき、豹の顔に黒を使いすぎてて、すんごく怖かったのでちょっとアドバイスさせてもらって以来のロングセラー!
ダウディ・ティンガティンガ
2016年このタッチが大ブームに!
創始者が生前に描いた絵を参考にして!とお願いして、アフリカンハンズオリジナルで描き上げた作品。
ムスタファ・ユスフ
これを描かせると人気なのが、ムスタファ。
こんなユニークなのもあるよ!
2019年ヒットだったのはこれ!!(背景をドット、チテンジ柄)
AfricanHandsのティンガティンガ村への還元
1. 日本製の筆のプレゼント!
絵のクオリティが上がりますように。
2. 雨漏りがひどかった外の建物の再建
変わり続けるTingatingaアート
長老たちが、毎年1人、また1人と亡くなっています。長老でなくとも、病気や事故で急に会えなくなってしまう若手アーティストも多いです。
ルールは同じでも、描き手が変わると、タッチも変わります。
他国の影響であったり、時代の流れであったりと、どんどん変わり続けるTingatingaアート。
最初、ヒットを作るためにしてきたアドバイスは、自分がライバルに負けない為に、ビジネスを成功させる為でした。
結果、アートの方向性を変えてしまうのでは?と悩んだ時期もありました。
でも、それが確実にアーティストの生活を豊かにしてるのなら、それでいいやん!と今は思っています。
2020年はどんな作品で日本のお客様に喜んでいただこう!!!?
それを考えるのが日々の楽しみです。
是非、現地でではなくAfricanHandsで購入してください
それは、冗談ですが、日本各地まわっているので、是非展示会に遊びにきてください。
11月末からは、タンザニアにいるので、ダルでビール飲んでくれる人も募集中です。
AfricanHandsとは
IzumiTone Twitter
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AfricanHands Web
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