初めまして!
兵庫県の大学に通う21歳のあかちょです。
令和に変わるこの5月から大学を一年休学し、アフリカをメインに1年旅していこうと考えています。
ですが!その活動が始まる前にどうしてもアフリカに行きたい気持ちが抑えられず、3月にモザンビークのペンバというところへ行くことを決めました。
今回はその冒険から感じたことを書かせて頂きます。
この記事の目次
1なぜモザンビーク!?ミュージカル映画のワークショップって!?
今回モザンビークを訪れる最大の目的。。。
それは、「ミュージカル映画」を作ること!
3/8から3/21の約10日間、LES WORLDという団体が企画した、モザンビーク、ペンバのスラム街に住む「寺子屋」の子ども達とミュージカル映画を作るというワークショップに参加しました。
話を書き進めていく前にLES WORLDや「寺子屋」についての説明を少し。
まず、LES WORLDってどういう団体なのか。。
それはずばり「旅するエンターテイメント集団」です。
彼らは「誰もが自分のステージで輝ける世界」を創ることをVISIONに掲げ、世界中の孤児院やスラムの子ども達と共にミュージカルや映画を創っているNPO法人です。
▽LES WORLDについて詳しく知りたい方はこちらから!!
そして、「寺子屋」とは、「モザンビークのいのちをつなぐ会」が運営している教育施設。
この組織を運営してるのは榎本恵さん!
寺子屋だけでなく、農業や公衆衛生の分野でも尽力し、「こんなところに日本人」にも出演したことがある凄い人。
世界を股にかけて活躍している皆さんと共に、モザンビークに住む子ども達とミュージカル映画を作ってきました!!
このミュージカル映画はグリム童話「ハーメルンの笛吹き」のアフターストーリーを子ども達と共に考え、歌詞やダンスの振り付けも子ども達からアイデアを拾い作り上げました。
主人公はフラビアとマルセーロです。
二人とも、決して順風満帆な家庭に生まれたわけではなく、父親は誰か分からず、母親も男をつくって出て行ったり、親が家にお金を入れてくれず自分で鉄くずを集めてお金に変えて生活していたりします。
そんな彼らと私たちがやってきたことは、毎日全力で向き合うこと。
遊んで、遊んで、遊んで、歌って、踊って、絵を描いて、お互いが正面から向き合って、そんな中で生まれたのがこの映画です。
それは、私にとって幸せでたまらなく、そこにある全ての人や空間が愛しかった。
しかし!このワークショップ困難なことも多かった。。。
まず、はじめに言語の壁。
ポルトガル語が公用語のモザンビークですが、子ども達はマクワ語、マコンデ語を話し、日本語からポルトガル語そして現地の言葉へと何重にも通訳を挟まなくてはいけない状態でした。
続いて警察に連行されるという事件が。
普段外国人が来ないところに私たちが大勢で来たということ、州の北部で相次ぐテロへの警戒が重なって、夜中に警察が押し寄せ署まで連行されることに。パスポートも一時取り上げられ、あくる日も1日警察署で過ごさねばならぬ事態に。。
その事件が落着すると過去最大級のサイクロンがモザンビーク中部を直撃。
その影響がペンバにも及び、ワークショップが延期になることに。最後には、病人多発。デング熱や腸チフス、原因不明の高熱を出すメンバーも。。。
私自身、自分に何ができるのかという葛藤を抱え、様々なアクシデントが続きましたが、ポジティブの化身のようなメンバー達や恵さんやナジャをはじめとした現地で動いて下さった方々、いつも満面の笑みで抱き着いてくれる子ども達、日本で応援してくれている人、沢山の人のおかげで乗り越えてこれました。
今私がこんなにも素敵で尊敬できる人達に囲まれていることをこのアフリカの大地で再確認できました。
どんなことがあっても皆がみんなのことを想い、助けあい、一緒にいる「今」という時間を慈しんで、全力でぶつかり合ったあの「寺子屋」はまさしく愛に溢れた場所。
そしてこの作品のタイトルは「sound of love」。
愛の響く場所へ帰ろうという家族愛をテーマにした物語です。血は繋がっていなくとも、言葉は通じなくとも、心だけは繋がっていました。
▽沢山の愛が詰まった作品。ぜひご覧ください。
アフリカのスラムに住む子ども達が創った映画「SOUND OF LOVE」を公開!!!
2モザンビークのスラムで感じたこと
私がモザンビークのスラムで感じたことは大きく分けて2つ。
それは、子ども達の持つ可能性と国(モザンビーク)が抱えている問題です。
アフリカのスラムに住む子どもと聞いてどんなイメージが思い浮かぶでしょうか?
周りの友達に聞いてみると、「可哀想」とか「夢も持てず労働している」とかネガティブな印象を持つ人が多いように感じます。
しかし、恵さんの「私は弱者を助けているわけではない」という言葉の通り、この「寺子屋」にくる子ども達の中に俗にいう可哀想な子どもはいませんでした。
この寺子屋には、毎日50人くらいの子ども達が来ます。
皆個性溢れた子ばかりで、主人公のマルセーロは表現力にたけていて言葉を使わずしても、仕草や表情で自然と会話が成立します。フラビアは歌も演技力も高く、子ども達をまとめるリーダーシップも持ち合わせています。
他の子ども達も、絵が上手な子、大人顔負けのダンスを踊る子、ヘアアレンジが得意な子、小さい妹弟達をあやすのが上手な子。
皆それぞれに素敵な所があって、自分が好きなことや得意なことに一生懸命になっている姿は眩しいほどキラキラしています。
子ども達の持つ才能は無限大だなと感じました。
それと同時にこの子達の才能が世界へ羽ばたいていく姿を見れたらどれほど幸せだろうなと思いました。
しかし、アフリカそしてモザンビークという国は明るい一面だけではなく、問題も沢山抱えていることに改めて気づかされました。
それは、先に述べたように、ワークショップ中、警察署に連れていかれ賄賂を請求され不当にパスポートを取り上げられたり、その警察署で捕まった青年が警察官から暴行を受けてるにも関わらず警察官達はあざ笑っていたり、また私達のメンバーには病気にかかった人も多く、行政機関の腐敗や衛生面においても問題が山積みであると実感しました。
また、若くして母になる子どもも多く存在し、夫は逃げ、一人で子どもを育てていかなくてはならず、貧困がさらなる貧困を呼ぶという悪循環。
そこに生まれた子も誰が親かも分からず、自分の力でお金を集め生きていかなくてはならない子ども達にも出会いました。社会構造的な課題もまだまだ残されています。
3なぜアフリカなのか~私がアフリカを好きな理由~
約1年半前、私は初めてアフリカの大地を訪れました。
子どもたちの私を見上げるキラキラした目、ママの温かいハグ、ついつい踊りだしてしまう素朴で陽気な音楽、人がパンパンのダラダラ(乗合いバス)の揺れ、全てが忘れられず、またいつかこの大地へ戻ってきたいと思うようになりました。
他にもアジアやヨーロッパをはじめとした国で旅しボランティア活動にも参加したことがありますが、アフリカは私の中で何かが違いました。
広い青空の下で「生きてる!!!」っていう感覚がとてつもなく私を幸せにします。
アフリカでの生活はまさしく「生きる本質」に近い生活です。
彼らはいい意味でも悪い意味でも今日という日、今という時間を全力で生きているように感じます。
分からない未来を思い悩むより、今この瞬間を大切にしたいと。
そんな生命力で渦巻いているアフリカ。
すべてを受け入れてくれるようなKaribu(ようこそ)の精神。
それらが全て、今回の旅で私の中で確信に変わりました。
それは、アフリカが大好きだということ。
これからもどこでアフリカと繋がっていきたいと思います。
ということで、これからのアフリカの旅は、タンザニアやケニア、ルワンダ、エチオピア。。。などを周る予定なので、また記事を執筆します。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
モザンビークでは、3月中旬に過去最大級のサイクロンに襲われましたが、4月下旬にも再びサイクロンが襲いました。
私たちが訪れたペンバも停電、浸水等の大きな被害にあっているようです。
1日も早い復興をお祈りしています。