こんにちは!のじはるです。
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今回は活動先のNGOを紹介!
この記事の目次
地域に根付く保健NGO、”BiSO”
私の所属するNGO、Bwafwano Integrated Services Organization(以下、BiSO)は6つの部署があり、
- HIV
- 結核
- 外来
- 母子保健
- 学校
- 服飾学校
に分かれています。
今回はHIVの部署について紹介します。
深刻な社会課題・HIV
ザンビアを始めアフリカにおいて、HIVは単なる感染症ではなく、社会に大きな影響を与えている問題です。
HIVエイズが原因で仕事ができず貧困になってしまうことや、親をHIVエイズで亡くしてなったエイズ孤児と呼ばれる子供たちもいます。
予防としてコンドームの使用が推奨されていますが、最近はPrEP(Pre-Exposure Prophylaxis)と呼ばれる薬を毎日内服することでHIV感染を予防することができます。
ザンビアのヘルスセンターでは、PrEPは無料で処方されており、男女ともに利用しています。
また結核の方や妊婦さんは感染リスクがあるためPrEPの内服が推奨されているそうです。
HIVは適切にお薬を飲み続ければ、エイズを発症することなく、ウイルス量を減らすことができ、他の人に移すこともなくなります。
早期発見、早期治療が大切なので定期的に検査を受けることが重要です。
ザンビアではHIV検査は無料で受けることができます。
病気を予防することも、病気になったときに適切なケアを受けることも大切ですね。
NGOに所属して驚いたシステム
私は、学生時代より医療アクセスに関心があったため、
- ザンビアの方たちがどのように医療にアクセスしているのか
- 必要な人に医療が届いているのか
という疑問がありました。
そして、BiSOで活動を通して、
- クリニックに来ることが難しい方の名簿がある
- クリニックに来られるか電話で確認をして、来れない場合は家庭訪問する
- 検査や薬がなくても家まで足を運んで様子を確認する
など、たくさんの発見と感動がありました。
驚いた!”ケアの本質”を知ったNGOのシステム
まずクリニックに来ることが難しい人たちを取り残さないシステムがあることに感動しました。
BiSOのHIVグループは5~6人のスタッフが活動しており、8時過ぎからちらほら集まります。
その日に割り振られた名簿(クライアントの名前と電話番号と住所、受診目安日が書かれています)を受け取ると、担当する人を決めてそれぞれのノートにクライアントの情報を書き写します。
(患者さんではなく、クライアントと呼ばれています)
電話でアポイントメントが取れると目的の家に向かって出発します。
BiSOが周るエリアはコンパウンドという低所得者の方が住んでいる集合住宅エリアになります。
ブロックと土で作られたおうちで、見た目はほぼ同じ家が集まっています。
水道やガスは通っておらず、汲んだお水と炭を使用しています。
電気は通っていますが、日中は使っている家はほとんどなく、玄関を開けっぱなしにして外明かりを取り入れたり携帯のライトを使ったりしていました。
この家庭訪問、何よりおうちにたどり着くのが大変です。
なぜなら住所がないから!
ザンビアのおうちは個別の住所がないのが当たり前らしく、〇〇通りや××広場の裏など、ざっくりです(笑)
もちろんグーグルマップも役に立ちません。
そのため、道端の人に尋ねて道を教えてもらいます。
おおよその方向を確かめながら歩いて、迷ったら近くの人に聞いて家を探します。
1件のおうちを訪問するのに30分から1時間半ほどかかります。
お薬を渡すときもあれば、ただ様子を見に行く時もあります。
住所がない家を1時間以上歩いて探して、クライアントの方が元気にしているのか様子を見に行っているんです。
日本にいた時は想像もしていなかった活動でした。
あるスタッフの方は、帰り道に
と話してくれて、その姿にとても感動しました。
完全ボランティアの方もいれば、お給料をもらっていることもありますが、それでも日給150円ほどです。
自分の生活も大変なのに、相手を思いやる心や人のために行動できることにただ尊敬の気持ちが膨れ上がります。
歩いていけないほど遠い地域に住んでいるおうちに車で行ったこともあります。
車で1時間移動すると、サバンナのようなエリアになり、ライオンキングの世界のようでした。
道路も舗装されていなくて揺れるので、窓や天井に頭をぶつけないように気をつけてながら、みんなとキャーキャー笑いながらの移動でした。
道路標識も地図もないため、前に行ったことあるスタッフの記憶を頼りに、目的地に向かいました。
日本で看護師として働いたころは、アフリカでは救える命が救えなくて可哀想と考えていたのですが、BiSOの活動に参加して、医療、ケアの概念を大きく揺さぶられました。
確かに、
- 医療施設は少ない
- 検査設備も整っていなくて十分な検査ができない
- 豊富なお薬もなくて限られた治療しかできない
など解決すべき課題はあります。
でも、BiSOでの活動を通して、時間を気にせずに一緒に座りながら、じっくり話を聞いて、同じ時間を共有して、穏やかな時間を過ごして心が癒されることを経験しました。
そして、それがケアの本質なのかもしれないと感じました。
心を救うこと、安心できる居場所があり、生きている時間をどう過ごすのかという大切なことを教えてもらいました。
自分のためではなく、相手のために行動し、相手が喜んでいる姿に自分自身も歓びを感じている。
相手のために行動し、ともに喜び合うことに幸せを感じるなんて、とても素敵だと思いませんか?
この記事を読んでくださったあなたも、誰かの喜びに繋がる行動で、ともにHAPPYな時間を過ごせますように。