この記事の目次
ーアフリカ人と仕事するうえで一番大事なことは?
以上2つを紹介してみると、現地の人びとと仕事をする上で、私たちにいつも足りないことは、「まずは相手を信じること」だというのが、最近の気づき。
私たちが彼らは信用できないと感じるより先に、彼らのほうが、日本人を信用していません。このプロジェクトは、12名の仕立て屋の収入を支えることなのですが、次回2018年の渡航では、各テイラーショップのボスと契約し、就労組合をつくり、アラジの事業を現地で組合化しようと考えています。
2020年までに30名のテイラーの収入を支え、彼らの子どもたち全員が安心して学校に通い続けるようになることが目標です。
今回活躍してくれた8名のテイラーたち
組合化することで、こちらの納品価格・検品基準に従ってもらい、納期を守らなければ、仕立て代の天引きも考えています。組合に登録しなければ、オーダーを受けることができません。
それでもまず私たちは、最初にお金を先払いしています。私たちの布のストックは、すべてイブラヒムさんのショップに預けています。
私がまずは彼らを信頼したことで、彼らもなんとか継続してオーダーを受けるにはどうしたらいいか、と考えてくれるようになりました。
私がショップに来るたびに、晩御飯をごちそうしてくれる人、おやつを買ってくれるベテランテイラー、自分たちも余裕がないのに、新しい商品を作って、プレゼントしてくれる若手テイラー、今度はパッチワークがやりたい!リサイクルにもなるし!と提案してくれるみんなが、本当に大好きです。
アクセサリー担当の女性たち
こちらはAdama、Patricia、Jessica、Fatuの4名の女性たちに簡単な小物(ヘアゴムやお守り)の制作をお願いしています。いつも夜ごはんを用意してくれて、一緒に食べます。フォートストリートの多くの住民が2016年の火事で家を失い、彼女たちは現在もユニセフのテントで暮らしています。
私がシエラレオネに挑戦する理由
最終章になる最後まで、大切なことを書くのを忘れていました。私がシエラレオネについて知ったのは、高校2年生の時にみたテレビ番組のドキュメンタリーでした。ダイヤモンドを巡る内戦で両親を目の前で殺された8歳の男の子「アラジ君」のストーリーをみて、衝撃を受けたことがきっかけです。
それから導かれるようにシエラレオネに関わっていくうちに、不思議なことに、シエラレオネまでの道のりを自然と後押ししてくれる、チャンスや温かい応援に何度も恵まれることができました。
活動を続けるうちにほんのささやかな出来事でも、とても「幸せ」と思えるようになりました。何より、顔の知らない誰かからご支援を頂く私たちは、活動を通して人の温かみを感じることのできる、とてもかけがえのない経験を毎日しています。この大切な経験は全部、シエラレオネのおかげだと思っています。
日本にはチャンスが溢れています。努力すれば、なんにでもエントリーできます。けれども、シエラレオネの就職率は、わずか40%。子どもを学校へ行かせるために、毎日必死で生きている人々がそこにはいます。
NPO法人アラジの、「誰もが誰かの夢を応援しあえる社会の実現」=「シエラレオネで働ける人を一人でも増やす」という就労支援のミッションは、シエラレオネの根本を解決しうる活動になりえると考えています。
「シエラレオネの神様が夢を選んだ」
一番最初に渡航した時、英語もわからなくて、クリオ語も全然通じなくて、シエラレオネで何をすればいいかさえも分からなくて、アルバイトで生計を立ててた私に、シエラレオネですれ違った誰かが、言った言葉。まぁ、誰だか忘れっちゃったけど。笑
人口600万人のシエラレオネで、就職率を1%あげるのに、2,000人の就職が必要なんですって。ひとまずの来期の目標は、20名の収入を支えること。テイラーの家族ベースで換算すると、およそ200名の人々の生活に影響が及びます。
さて、どこまで行けるかわからないけど、もう人生かけてしまっているので。笑 まだまだ挑戦していきますよー!
長らくお付き合いありがとうございました!
特定非営利活動法人Alazi Dream Project
代表理事
下里夢美
作った人の顔が見えるネットショップを運営中です
最後に、ネットショップで私たちの制作した商品をチェックできます。ぜひ覗いてみてください。作った人の顔がわかるアラジのネットショップ。テイラーさんたちは、商品がサイトに掲載されるたびに、大喜びです。これからもみんなで頑張っていこう!
商品を置かせてもらえるお店や飲食店も募集しています!
まずは、お声かけいただけると嬉しいです。
shimosato@alazi.org
▶世界にただ一つのMede in Sieera Leoneのネットショップ
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