一方通行な体罰に頼るな。参加型授業でベナンに「学ぶ楽しさを!」日本人教師の挑戦

ALL ABOUT AFRICAをご覧の皆さん、こんにちは!

 

現在、東京都の教員(現職参加)として西アフリカのベナン共和国で青年海外協力隊として活動している高田裕行です。

 

「教科書を超えた教材になる」「教室から世界を変える」をモットーに、日々の教育活動に励んでおります。

 

前回の記事はこちらから👇

 

今回は、派遣先のベナンでどんな活動をしているかをお話ししようと思います。

 

青年海外協力隊としての活動

私の学校での主な活動は「算数」を教えることです。

 

まず、はじめにみなさんにベナンにおける算数科の課題を知ってもらいたいと思います。

 

算数の課題

 

ベナンの算数の課題
  • 繰り下がりのある引き算ができない
  • そもそも引き算が何かわかってない。
  • 1の位や10の位を揃えずに計算してしまう
  • 教員が問題を解けない
  • 間違えると体罰を受けるので、生徒が積極的に学習に向き合わない
  • 教科書は全員が持っているわけではない
  • フランス語が理解できない
  • 数に対する理解が不十分である
  • 0って何?という生徒がいたりする

 

と思いつくものを書いてみました。

 

「考える算数」の授業実践

 

みなさんは授業中にボーっと時計をみて「まだ2分しか進んでないや」と思ったり、先生の言葉が耳を通らずに、頭の上を通過して「早く終わらないかなー」と授業を受けていた経験はありませんか?

 

私もたくさんあります。

 

ベナンでは、一方的に先生が生徒に説明する講義型のスタイルが主流です。

 

わけのわからないフランス語で約2時間、先生の話を聞かなければならないと思うと、生徒達に同情してしまうこともあります。

 

高田
ベナンは小学校からいきなりフランス語で授業をするので、フランス語がわからない子供は授業には全くついていけません。教師も子供のフランス語力をしっかり把握はしていない状態です。

 

そこで、私は算数の「楽しさ」を知り、「できる」ことの喜びを子供達に味わってほしいと思い、参加型・体験型の授業を作りました。

 

それが私の「考える算数」の授業実践です。

 

考える算数の問題 (しっかり考えてね!)

 

それでは、実際に問題を解いてみましょう!!

 

(答えは一番最後にあるので、実際に問題にチャレンジしてみてください)

 

「居眠りカエル」

10Mの井戸の中にカエルがいます。カエルは1日に3M井戸を登りますが、午後になると居眠りをしてしまうため2M落ちてしまいます。さて、カエルは何日目に井戸を出られるでしょう?

 

やっぱり勉強って「わかる」「できる」「楽しい」って思うことが大事だと思います。

 

「教師は教材研究の深さしか教えられない」私が大事にしている言葉の一つです。

 

※算数に関する詳しい内容に関しましてはブログ「教えて!ピタゴラス」をご覧ください。(別ウインドウで開きます。)

 

「居眠りカエル」回答

あ!算数のカエルの問題ですが、答えは8日です。

 

高田
まず10日と答えてしまったそこのアナタ!惜しかったですね〜 解説をしますので、次は答えられるように頑張りましょうね!

 

初めに確認ですが、カエルは1日に3メートル井戸を登り夕方になると2メートル落ちてしまうんでしたね?

式にすると「3 -2=1」で1日にカエルは1メートル井戸を登ることになりますね。

2日目は2メートル
3日目は3メートル
4日目は4メートル

カエルはどんどん井戸を登って行きます。

そしていよいよ8日目に到達しました。
8日目の朝の時点でカエルは8メートルの時点にいますね。

いつものように、カエルは3メートル井戸を登ります。
おやおや 朝3メートル井戸を登るんでしたね。

ということは「8 +3 = 11」となるので、 8日目でカエルは完全に井戸を脱出できるということになりますね!

したがって、カエルが井戸を脱出できる日は8日目ということになるわけです!

 

「できる」と算数って楽しいですよね!

 

それでは次回はいよいよ、「長友ドリーム」について書いていきます。お楽しみに!

 

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