皆さんこんにちは!ケニアの島で生活中のたくみ(@nakano235_tk)です。
いつもは現地の人へのインタビュー記事を執筆していますが、今回は違います。
今回、クラウドファンディングを始めることになりました!現在すでに公開中です!
https://camp-fire.jp/projects/view/221387
僕が住んでいるケニアの島はHIV感染率が非常に高く、国平均の4-5倍ほどのHIV感染率があるともいわれています。
そうした背景もあり、以前記事を書いたベナッドさんや、他にもHIV孤児のための学校を運営している団体がいくつかあります。
そんな中で、僕たちは学校に対して介入し、HIV予防のための教育を含めた性教育を行うのと、現地パートナーのケビンが運営しているプレステや、音楽・動画ダウンロードのできるネットカフェのような場所にHIV診療カードを導入し、利用者が絶対にHIVテストを受けなければいけないシステムを構築します。
こちらの記事では、僕とパートナーのケビンに焦点を当てていきます!
なぜ僕は今、ケニアの島にいるのか、どうしてこのプロジェクトを始めることになったのか、そんな僕たちの軌跡をご覧ください!
プロジェクトの詳細はこちらの記事をどうぞ!
この記事の目次
自己紹介
僕は1997年宮城県仙台市で生まれました。
幼い頃の記憶はもうあまりありませんが、昔から背が高く、雰囲気が大人びているとよく言われました。
そのまますくすく育った結果、今では美容師さんに
とよく聞かれるまでに成長...いや、老いてしまいました。
実年齢を言うと
と返されます。
いいから黙って切ってくれと何度思ったことかわかりません。
そんな僕ですが、家族親類見渡しても誰一人海外志向の人などいないのに、ただ英語が好きだから!という理由で海外に飛び出しました。
初海外はアメリカ、次はカンボジア、トルコ…そのあとヨーロッパをヒッチハイクだけで6000㎞近く移動しまわったりと、一族の中でも突然変異ぶりを遺憾なく発揮していました。
ヒッチハイクでパリからイスタンブールまで渡ったときの写真
初めての途上国・カンボジア
大学に入学し、「カンボジアにいけるサークルがある!なんか面白そう!」というなんともふわふわした動機で静岡学生NGOあおいというサークルに入部した結果、なぜか今ケニアの島でクラウドファンディングを始めることとなってしまいました。
サークルでは、カンボジア現地NGOとパートナシップを結び、実際に現地に行きモニタリング評価を行うという、学生にしてはガッチリした活動を行っていました。
こうした学生サークルにはありがちですが、実際に渡航できる期間はとても短いんです。長期休みを利用して、なけなしのバイト代で対象地に滞在できるのはせいぜい1週間。
その短い間で、村人に聞き取り調査を行ったりするのですが、話でしか聞けない現状が、目で見たものがすべて主義の僕のモヤモヤを募らせていきました。
「途上国で生きるって、どういうことなんだろう。」
極めてシンプルな思考の僕は、Workawayという海外ボランティアサイトを通じてケニアのムファンガノ島という場所に5か月滞在することにしました。
ムファンガノ島での滞在
島に住むにつれて、途上国の現実がゆっくりとその姿を現し始めました。
ある日、夜に血まみれで帰ってきたホストマザー。夜になると、街灯などなくごつごつした道ばかりのこの島では、頭に荷物を載せて運ぶ女性のリスクは計り知れません。
おでこに石をぶつけてやっとの思いで帰宅したであろう彼女は、ひどく衰弱していて、そのまま死んでしまうのではないかとすら思いました。
急いで応急キットで手当てをします。
夜は外を出歩けないし、最寄りの診療所は歩いたら30分以上かかります。
黙って何もせず、ズンと構えるホストファザーを見てキレそうになりましたが、ここはそういう文化なのかもしれない。それに、彼にかまっている暇はない。
あふれ出す血を必死で抑えました。
そんな中、一緒に住んでいる3人兄弟の長女が僕に、およそ衛生なんてものとは程遠い薄汚れた布切れを差し出してきました。「これを使って。」と。
僕は、「もし僕がここにいなかったら」と想像してゾッとしました。
ケビンとの出会い
それから島の保健状況が気になった僕は、近くにあったEKセンターと言う保健センターの活動を知ることから始めました。
そこで出会ったのが、今一緒に活動するケビンです。
保健センターで働いていた彼は、そう声をかけてくれました。
次の日、山奥まで険しい道をバイクで往来し、途中昼ご飯を食べに立ち寄った民家で彼と話をしていました。
彼は自分のビジネスとしてプレステやパソコンを使って音楽・動画をダウンロードできる場所を運営しているという話を聞いて、何の気なしにふと、
と口走りました。
すると彼はノートとペンを取り出し、必要なもの、その値段、誰の助けが必要か、などを書きだしました。
突然のことに驚きを隠せなかった僕の口から飛び出たのは、この言葉でした。
「クラウドファンディング」
気づけば多忙な日々が始まりました。
ひたすらにクラファンの文章を考え、必要なスライドを作り、ケビンとプロジェクトの打ち合わせを幾度となく行い、診療所へ提携のお願いをしに行き、ケビンのアイデアで性教育も行うことになってからは学校を選ぶために島中を駆け回り…
そうしてやっと、クラウドファンディングを公開することができました。
「なにをやっているんだろう、こんなところで。」
- 慣れない環境で動き回ることからの疲労
- 栄養豊かとは言えない食事
- 少し気を抜けば体を壊してしまう環境
- プロジェクトを始めることからのプレッシャー…
僕は気づけばいろんなものと戦わなければいけなくなっていました。
バクテリアでお腹を壊し、熱からの寒気と腹痛を抱えながら真夜中、なんどもこんなことを思いました。
「俺はこんなところでなんでこんなことやってるんだろう…」
翌日、朦朧とした意識の中、病院へ向かう道中でも同じことをずっと考えました。
何のために俺はここにいて、なんでクラウドファンディングなんて始めることになってるんだろう。
一歩外に出ればチンチョンチャン、ムズングとからかわれる。嫌な思いをした数なんて知れない。
それでも、俺はなんでこんなことやってるんだろう。
クラウドファンディングを始めるのだって怖くてしょうがなかった。でも、もう始まってしまったから引けなかった。
震える手で公開ボタンを押して、毎朝毎朝、パトロンが来ているかどうか不安で目を覚ましてしまう。
そんな弱虫な僕は、ケビンにたびたびこんなことを口にしていました。
昔から責任感が強いと言われていた僕は、できもしないことを口走ってしまうことが嫌でした。それは無責任で、無責任なことは口にすべきでないと思っていたからです。
そんな風に予防線を張っていたら、ある日ケビンが不安そうな顔で
と僕に聞いてきました。疲れ切っていた僕は、少し嫌な顔をしていたと思います。
彼は納得していなさそうな顔でオーケーと言い、僕たちは昼ご飯を食べに行きました。
彼は先に席を離れ、何かいやなモヤモヤが僕の中を支配していました。
コーラを飲みながらFacebookを見ていると、ケビンがこんな投稿をしていました。
この投稿を見て、僕は気づきました。僕は今、彼の背中を押すためにここにいる。
彼が口にしていた「HIVゼロの世代を創る」という彼の夢をかなえるための一歩を踏み出すために、彼の背中を押すために僕は今ここにいる。
「無責任」でもいいんだ。強くなろう。
僕は何の実績もないただの大学生です。
150万なんて金額、個人で集められるはずがない。クラウドファンディングをやるのが怖くて仕方ない。プロジェクトだって正しいかどうかわからない。この道のプロに言わせれば、「なんでこんなことしてんだ」と批判されるかもしれない。もらったお金を、最大限のインパクトを残せるように使えるだろうか。
ケビン、僕は、150万なんて集まられる自信、ないよ。
そんな風に思っていたら、背中を押したいと思っていた人がこっちをくるりと向いてこういうのです。
「お金は大丈夫なのか。」
「集まらなかったらどうする。」
僕は、無責任にものをいうことが嫌いでした。言うならやれ。行動で示せ。できないなら言うな。そんな言葉が僕の頭を支配していました。
でも、そんな風に生きて予防線ばかり張っていたら、いつまでたっても強くなれない。目の前の人を、不安にさせてしまう。
だから僕は、無責任になることを選びました。
彼は笑顔でした。
僕は、いつもより少しだけ胸を張って、バイクタクシーの風を感じていました。
弱虫でも、怖がりでも、きっと世界は変えられる。
僕はこんな質問をされたことがあります。
責任感の強い僕は、端的に言うとこう答えました。
でも、できると自分に、他人に言い聞かせて背伸びして行動しないと、世界なんていつまでたっても変えられません。
それは僕にとって、ケビンの思い描くHIVゼロの世代を創ることです。
自分にできそうなことばかりを言っていたら、それに応じた身の丈になってしまう。
いつまでも臆病者のままでは、世界なんて変えられない。
こんなことを今書いてしまって、たくさんの人が見ているAll About Africaに宣言するのは今も怖いけれど、今のままじゃいけないと思うから、ここに書きます。
弱虫でも、怖がりでも、きっと世界は変えられる。
これから先、できもしないことに立ち向かうことがきても、僕はできると言います。
どれだけそれが怖くても。じゃないと世界は変わらないから。
こんな未熟で弱虫な僕ですが、支援していただければ後悔させません。
それすら言うのもまだ少し怖いですが、それでも応援していただける方は下記リンクからお願いします!
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
新しく何かへ挑戦しようとする人々の励みになりますように。