皆さん、はじめまして!
東アフリカで小学校の先生をしていましたアンリです。
青年海外協力隊として、2016年6月から今年6月までの2年間、ウガンダの小さな田舎町で活動をしていました。行く前は大学で教育について学んでいた、いわゆる新卒組です!
・アフリカで生活ってどんなだろう?
・ウガンダってどんな国?
・ウガンダの小学校って日本と似てる?
・新卒で協力隊って結構大変じゃない?
・ウガンダの子どもたちの様子は?
などなど。
帰国して、いろんな人に投げかけられた疑問たち。
そんな疑問にこの場を通じて答えられたら、そして私の大好きなアフリカの魅力を伝えることができたらと思っています◎
Episode①:ウガンダの小学校
Episode②:ウガンダで暮らす。ということ
Episode③:ウガンダの子どもたち
Episode④:2年間の活動で辛かったこと
Episode⑤:新卒で協力隊に参加した理由
Episode⑥:2年間の活動で得たこと
この記事の目次
EP1:ウガンダの小学校
第1章では、私の活動していた小学校やウガンダの教育制度について紹介します。
これがわたしの小学校
私が協力隊として活動をしていた小学校は、首都のカンパラから車で1.5時間ほど北に進んだボンボタウンと呼ばれる町にあります。
首都からあまり離れていないものの、幹線道路から奥に入るので、町も小さく、タウンというよりかは村に近いようなこぢんまりとした印象を受けました。
そんなタウンの中で、一番大きな公立小学校「BOMBO MIXED PRIMARY SCHOOL」がわたしの活動校です。
なんと、児童数1800人!
幼稚園も併設されているので、全体では2000人弱の子どもたちがここで勉強をしています。
小さな町の一番大きな公立小学校ということもあり、町に出れば出会う子のほとんどが自分の児童。大好物のパイナップルを買った翌日には、学校で必ず「昨日のパイナップル美味しかった?」なんて聞かれていました(笑)
(これ、学校のチャイムなんです!後ろに広がるのが校舎です。)
日本とここが違うぞ!ウガンダの小学校
文化も制度も異なる国同士なので、違いがあるのは当たり前なんですが、その中でもわたしがびっくりした点を紹介して行きます。
(ウガンダの中でも学校によってそれぞれだということを前提にお楽しみください!)
⑴ 1日12時間?!
一番びっくりしたのが、学校時間の長さ。
わたしの学校は
朝の6:30から夕方6:30まで授業がありました!
通学の子もいれば寮生の子もいる学校だったのですが、寮生に関しては夜間授業もあり、その子たちは夜9時まで。
一応国で決められている学校時間というのは、朝8:30から夕方4:00までなんですが、それに加えて特別授業という形で、学力向上のためにそれぞれの学校で授業を増やしているのです。
派遣前、”アフリカの学校はきちんと授業を行われていない”だの、
”時間を守らず先生がいない”なんてことをよく聞いていました。
だから、これにはプラスの意味での驚きでした!
正直方法にはあまり賛成は出来ないですが、教育、学ぶことが重要視されていて、先生たちも時間を守って授業を行う。
改めて、アフリカのイメージって全部が全部じゃないなと感じました。
といっても、わたしだったら…と考えたら、泣けます(笑)絶対に乗り切れない!
そんな中でも頑張る子どもたちに頭があがりません。
⑵ 授業間に休み時間がない!
これは、わたしが活動を行う上でも一番厄介だったこと。
日本では、授業が一つ終わると10分間の休憩があると思います。そこで子どもたちはトイレに行ったり、終わらなかった問題を解いたり、次の授業の準備をしたり。
でもウガンダには、その休憩がないんです。
一時間の授業が終わったら、それと同時に次の科目の先生が入室。
そのまま違う科目の授業が開始。
またその授業が終わったと同時に違う授業…。
大きな休み時間(ランチタイムなど)以外は、ずっと教室で座りっぱなし。そりゃあ隣の子にちょっかい出したくなっちゃうよねって(笑)
わたしも採点をしたノートを返すとき、本来であれば10分休みに、気になる子だけ呼んで一緒に解き直したりと指導ができるんですが、ウガンダではそうもいかず。なかなか大変でした。
(現地教員による算数の授業。みんな真剣!)
⑶ 保健の授業?いや、理科の授業!
ウガンダの小学校では、
算数、英語、社会、理科、宗教学、(体育、音楽、図工)の科目の授業が行われています。(カッコ内の授業は学校によってあったりなかったり。)
日本の小学校ではある、道徳や生活、保健の授業はありません。
ただ、それらの内容を学習しないのかと言えば違っていて、保健の内容は理科のカリキュラムにきちんと入っていたり、生活や道徳に当たる部分は宗教学の中で学習をしたり。
「神」が主体となり宗教学で道徳に関して学ぶ様子を見ていると、私たちとはまた違った視点で物事を捉えているんだな〜と新たな気づきにも繋がりました。
⑷ なんでも出てくるドラえもん?!ポケット
これは小学校のことというより、わたしの教え子たちのことなんですが。
ウガンダでは、基本的に公立・私立問わず小学校には制服があります。わたしの学校は、女の子は緑のワンピース、男の子は緑シャツにベージュパンツでした。
体操服も一応ありますが、持っている子はあまりいないので、体育の授業の際もほぼみんな制服で参加していました。
校庭に向かう前に、怪我や事故防止のためにポケットの中に何か入れていないかみんなでチェックするのがルールだったのですが、中からびっくりするぐらい色んなものが出てくるんです。
ペン、鉛筆、定規はいいとして、マンゴーやアボカド(食べかけ)、砂糖、飴、スプーンなんかは必ず休み時間後は出てくるし、小銭、石、壊れたおもちゃやボールなんかが出てくることも!ここまできたら、もう四次元ポケット(笑)
ちなみに石は、マンゴーの木に向けて投げる用で、壊れたおもちゃは通学路で拾ったと解説してくれました(笑)
(右が男の子の制服、真ん中が体操服、左二人が女の子の制服)
⑸ リピーター制度
日本の大学生が恐れる「留年」。
まあ、真面目に授業を受けている学生さんには無縁の言葉かもしれませんが(筆者は恥ずかしながら、結構な不真面目学生でした…)、ウガンダでは幼稚園生から留年制度があります!
わたしが算数を担当していた5年生にも、約180人の中から5人ほどの留年児童が出ていました。2年生ではなんと、40人もの児童が留年に!
日本人からすると、小学生から留年だなんて可哀想!って思いがちですし、実際には留年をしたことで学費を払い続けることができずに退学をしてしまう児童もいることから、確かに酷な制度ではあります。
ただ、一クラスに7,80人の児童が一緒に学習することが多いウガンダでは、ひとりひとりのペースに合った、目の行き届いた教育を受けるのはなかなか難しい状況にあったりもします。
そんな中で、分からないまま、なんとなく周りと一緒に学年が上がるのではなく、同じ内容をもう一度きちんと学んでから進級するというのは、制度としては悪くないなと思ったり。
まあ、もう一度“きちんと”学ぶことができる環境を用意できるのか、そもそも目の行き届いた教育がされるべきじゃないのかという懸念もあるんですが(笑)
日本でしか教育を受けて来なかった私にとっては、日本の教育制度についてより考えさせられました。
その国に合った、その国の教育ってなんだろう
こうやってウガンダと日本の教育制度の違いをお話すると、決まってマイナスのイメージに取られがちです。
確かに、マイナスに働いているものも多いし、改善の余地があることも沢山あるのは事実。
それにやっぱり、日本の教育の形に馴れてしまっている私たちには、日本の教育の形が一番に感じてしまうんですよね。
だから知らず知らずのうちに、優劣をつけてしまったりします。
でも、ウガンダで教員をしていて思ったのは、その国にはその国に合った教育の形があるということ。
ウガンダの文化を知らなければ
見えてこなかったこと。
「先生」として働かなければ気付けなかったこと
当たり前のように思えるのですが、彼らの中に入って一緒に働いたからこそ、その事実を実感することが出来ました。
次回予告!
今回、EP1では小学校について紹介しました。
教育関係じゃない人から見たら、ちょっと面白くなかったかも?
次回は、【Episode2:ウガンダで暮らす。ということ】です!
2年間をアフリカ、ウガンダで暮らして感じたことや、楽しかったこと・苦労したことをお話したいと思います!
まだアフリカに行ったことがない、けど行ってみたい!
協力隊に参加したい!アフリカに住みたい!などなど。
色んな人にプラスになる記事になるよう、書いていきます!
お楽しみに:)