こんにちは!コジマです。
私は、タンザニアのザンジバルで、日本人唯一のサッカー選手としてプレーしていました。
その経験をもとにザンジバルのサッカーや現地の生活についての情報をこちらで発信しています!
▼第一弾はこちら▼
今回、ご紹介するのはザンジバルを語る上で欠かすことのできない「イスラム」とサッカーについてです!
冒頭の画像はイスラム教の伝統衣装Kanzu(カンズ)をイスラムの祝日に着ているザンジバル人と私の写真です。
写真から見てわかるようにザンジバルはイスラム教社会であり、ムスリム(イスラム教徒)の割合はなんと96%といわれています!(タンザニア全体では35%)
そんなイスラム文化に溢れる社会での「イスラムとサッカーの関わり」をご紹介していきます!
1.ラマダンとサッカー
イスラムといえば様々な戒律があることで有名です。
例えば、「豚を食べてはならない」「1日5回の礼拝」などが挙げられます。
そのなかでも「断食月」、つまりラマダンは有名ですね。
イスラム暦の9月にあたるラマダンの30日間、ムスリムは日の出から日没まで一切の飲食を断つのです。敬虔なムスリムの場合は自分の唾を飲むのも嫌い、吐き出します。
日中に飲み食いができないため、選手の体調を考慮し、この期間中はザンジバルのサッカーリーグは全面的に中断されます。
しかし!このラマダン中に、サッカー自体が全く行われない訳ではありません!
第一弾でご紹介した草サッカーがラマダン中は特に活発になります。
ザンジバル全土で昼夜問わず草サッカー大会が開催され、豪華な賞金や賞品を目当てにたくさんのチームが参加します。
楽しい草サッカー大会ですが、ひとつだけ、私には問題がありました。
というのも、日中に行う試合では例の如く飲食できません...
ただでさえ暑いアフリカの地で、前夜から何も食べていない身体を90分間酷使するのは、まさに修行でした。
一般にラマダン中は、断食以外にも一切の欲や娯楽を断つことが奨励されます。
そのため期間中、街中で音楽を流すことやボードゲームすること等は嫌われますが、サッカーはラマダン中にも盛んにおこなわれているのです!
つまり、ザンジバルではサッカーが「娯楽を超えた文化的な位置付け」であると考えられます!
2.勝利は神頼み!?
ムスリムは1日5回の礼拝をしますが、ザンジバルではサッカーの場面でもduaと呼ばれる祈りをチームの勝利のため、選手が怪我をしないために多用します。
画像のように胸の前に手を当て、コーランの一節を声に出します。大体1分足らずで終わる祈りですが、コーランはアラビア語であるため、私は訳もわからず参加していました。(笑)
筆者が所属していたチームは敬虔なムスリムが多く、とにかくduaが多用されていました。
例えば、練習前、練習後、試合前日、試合直前、前半終了時、ハーフタイム、後半終了時試合後などなど、、、、、まさに神頼みです!
そのため
見事勝利すれば、「神様のおかげ。」
負ければ、「祈りが足りなかった。」
というようにザンジバル人は勝ちに奢らず、負けを引きずらない素晴らしいメンタルを持っています!
3.無音・無言でテレビ観戦!?
第一弾でご紹介したように、ザンジバル人は街の公共のテレビでサッカー観戦をします。
しかし、このテレビ観戦はある時間になると、突然だれかに音を消されます。場合によってはテレビの電源を切る人もいます。
当然、周りで観戦している人は音を消され文句を言うと思いますが...
文句を言うどころか、観戦している人は突然無言になるのです。
実は、ある時間とは「礼拝の時間」です。ザンジバルでは礼拝の時間になるとアザーンという礼拝の呼びかけが大音量で流れます。
実はこのアザーンが流れている最中、そのあとの礼拝の十数分間は礼拝の邪魔をしないために、テレビの音を切らなければならないことになっています。
また、大声での会話も礼拝の邪魔になってしまうので観戦している人も無言にならざるをえない訳です。知らずにこの状況を見てしまうと、奇妙に感じますね!
まとめ
イスラムとサッカーの関係を色々な角度から見てきましたが、イスラムとサッカーがこれほどに融合しているザンジバル社会は世界的に見ても珍しいのではないでしょうか。
イスラム教と聞くと厳しい戒律や排他的であるといったマイナスイメージが先行しがちですが、ザンジバルでは人々が宗教の違いを超えて、私を温かく歓迎し、さまざまなイスラム文化を経験させてくれました。
この記事を見て、皆様のイスラムのイメージが少しでも良くなれば幸いです!
次回は、ついに!!私がザンジバルでサッカー選手になった経緯を詳しくご紹介します!
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