世界8億人の栄養失調を救う「シロアリ昆虫食」普及プロジェクト

TwitterのMr. シロアリマンと聞けば思い浮かぶAAA読者の方も多いのではないでしょうか。

 

彼の名前は、キップランガト ジャスタス。16年前に来日、現在は六本木のIT企業でエンジニアをされています。

 

そして彼にはどうしても取り組みたい社会的課題があり、もう一つの顔「Mr.シロアリマン」として活動しているのです!

 

そして、今回は故郷アフリカの人々の栄養失調をシロアリ昆虫食で救うために、Mr.シロアリマンとそのチーム Healthy Termite Productionでクラウドファンディングを実施する決意をされました。

 

え?なんでシロアリ!?
家を食べる害虫として有名なシロアリが、アフリカの慢性的栄養失調を救う!?

読者の皆様の頭の中にはさまざまな疑問が浮かんでいると思いますが、ひとつひとつMr. シロアリマンさんから、順を追って説明していただきますね!

 

読む時間ないよーーー!って方は、是非このyoutubeだけでも是非見ていただけると嬉しいです。今回の取り組みの要点が2分弱でまとめられています。

こりん
それではジャスタスさん、よろしくお願いします!

Mr. シロアリマンとは

はじめまして、皆さま!私はアフリカ ケニア出身のジャスタスと申します!

Kiplangat Justus K(キップランガト ジャスタス)
アフリカのケニア共和国で生まれ。ケニアと日本に15年以上在住。故郷の栄養失調解決のためシロアリ昆虫食の持続可能な地産地消・砂漠緑化を研究事業開発を通じて、実際にアフリカ人の生活に貢献したい。その為にも、R1ぐらんぷり2019アマチュア決勝進出、NHKラジオ出演、JICAで講演、グロービス経営大学院のクラブ活動で登壇、日本テレビ、TBSの番組に出演などなど… さまざまな活動を行っています。 Twitterはこちら。

 

故郷ケニアの現状

私はアフリカのケニア共和国のケリチョ郡で生まれました。緑豊かな紅茶畑の風景が広がる自慢のふるさとです。

 

しかし、村の人々の生活はけして豊かではなく、お肉はとても高価で特別な時しか買えませんでした。そのため、日々の食事の栄養価は乏しく、食べ物に困ることさえありました。

 

それにより、クワシオルコル(kwashiorkor)という病気になってしまう人が少なくありませんでした。これはタンパク質やエネルギー、その他の栄養の欠乏によって下腹部が膨らみ、痛々しくやせ細ってしまう病気です。

【参考】クワシオルオルとは?

 

幼少期にこの病気にかかると後遺症を残し発達障害になってしまう人もいます。成長期に十分な栄養をえられないと、その後の人生の可能性までもが奪れてしまうことがあるのです。

 

学校に進学した私は、世界に7億人の慢性的栄養失調の人がいることを知りました。私が目撃したこの問題は故郷だけでなく世界のたくさんの人が抱える問題だと知って大きなショックを受けました。

 

そして2018年、世界の慢性的栄養失調者の数は8.2億人にまで拡大しています。

 

 

こうしている間にも、1時間に5万人ずつ栄養失調で苦しむ人が増えていっている歯止めのきかない危機的な状況です。

Mr. シロアリマン誕生秘話

その後、私は日本にエンジニアとしてやってきました。そしてある日、会社のメンバーにこう誘われたのです。

 

「2030年、世界の人口は90億人になり食糧危機が来ることがわかっている。そんな中、昆虫食が未来のタンパク・栄養源として注目されている。これで栄養失調という社会課題を解決する活動をしませんか?」

 

彼らはFAO(国際連合食糧農業機関)が発表した昆虫食に関するレポートなどを用いて私に説明しました。

 

 

FAO(国際連合食糧農業機関)より抜粋

(昆虫食は)有望な食材になり得ます。世界的な人口問題により、食材要求と特に動物性タンパク源の需要が増えてきました。食料問題の対策として食用昆虫があげられます。昆虫は遍在性、餌料変換率が共に高く、環境に与える被害が少ない生物です。昆虫はたんぱく質や脂肪、微量栄養素を多く含み、栄養価も高いと言えます。

全文はこちら

 

その話を聞いたとき、私の頭に浮かんできたのは小さな頃にケニアで食べたシロアリでした。

 

「え!シロアリを食べる!?」

 

 

驚いた方もいるかもしれませんが、ケニアではシロアリを食べる文化があるのです!(※日本にいるシロアリとは異なる種類ですが)

 

このシロアリは、現地スワヒリ語でクンビクンビ(kumbikumbi)と呼ばれ、ご先祖さまの時代からとても栄養が高いと言い伝えられていました。私もよく捕まえて食べました。事実、ケニア保健省(The Ministry of Health, Republic of Kenya)が発行しているレシピ本にもシロアリ料理のレシピが掲載されています。伝統食として国からオススメされているのがわかります。

 

私たちはさっそくシロアリだけでなく食用になっている昆虫をリストアップして、栄養データの比較調査にあたりました。ケニアで昔から市場に出回っていたバッタやゾウムシの幼虫、そして、欧米で養殖化の進んでいる話題のコオロギなど。

 

――― そして今、私は宣言します!

 

「シロアリこそ人々に必要な栄養を安価に提供し、地球の豊かさも再生させる救世主だ!」と。

 

 

シロアリをうまく活用すれば、私の故郷のアフリカ、いや、世界の栄養失調をサステナブルな方法で解決できることでしょう。

 

シロアリはこんなにスゴイんです!

どうしてそんなにシロアリがすごいのか?今から皆さまにシロアリの4つの特性をお伝えします。

特性1. シロアリの高い栄養価

疑問・・・

「シロアリって、ちっちゃい虫でしょ?そんなに栄養あるの?」

 

アフリカやアジアの栄養失調がおきている地域で足りていない栄養は、タンパク質、亜鉛、鉄分、ビタミンA、ビタミンB2の5つのです。

 

現地にはヤムイモやキャッサバ、コーンなどを中心とした食文化があり、エネルギーはとれるものの、肉などのタンパク源やビタミン・ミネラルを含む食材はとても高価です。そのため必要な栄養素は欠乏してしまっています。

 

しかし!このレーダーチャートを見てください!

グラフの赤い部分が、5歳未満の子どもたちが1日にとるべき5つの栄養素の量です。そして緑の部分が、現地のオオキノコシロアリ(macrotermes bellicosus)というシロアリ種の100g(乾燥後の重量)の栄養素です。

 

試算すると、1食あたり「たった大さじ一杯半」のシロアリで必要な栄養をほぼ摂取できることがわかりました!

 

コオロギや、バッタやゾウムシ、ミールワームなど他の昆虫も調査しましたが、現地ですぐ獲れ、これほどまでに不足する栄養素をバランスよく含んでいる昆虫や代替食物は、他に見当たりませんでした。

 

シロアリはとんでもないスーパーフードなんです!

シロアリのすごさ、まだまだ続きます!

 

特性2. 世界でシロアリを食べる人の多さ

疑問・・・

「でもシロアリを食べるなんて、やっぱり抵抗があるんじゃないの?」

 

そう思う方も多いと思います。食べてもらえなければ、いくら栄養価が高くても栄養失調の解決にはつながりません。

 

しかし!シロアリなら大丈夫!

 

なんとシロアリは世界29カ国で45種類が食事や医療に用いられているのです!(日本では木造の建物の食べてしまう害虫として認知されているというのに)

 

 

シロアリ食に関する研究論文は世界中で発表されており、赤道に沿ったアフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、オセアニアで、シロアリを食べる文化が確認されています。
それぞれの大陸でそれぞれの人がそのすごさに気が付き、広く長く伝わるってすごくないですか!?

 

「知ってるよ。シロアリって食べられるんでしょ?」

 

こんな風にシロアリ食の認知があると、はじめて食べる時の抵抗感は大きく減少します。ケニアにおいては80%がその文化を知っているという調査結果もあり、実際に私のまわりはほぼみんなが知っています。

 

食文化の範囲も広く認知度も高く「シロアリって食べられるんだよ、気持ち悪くないでしょ?」とゼロから教えなくても良い!これは栄養食として普及していく上で、とてもプラスになります。

 

特性3. ケニアのローカルフードとの親和性が高い

疑問・・・

「栄養が多くて食べる文化が広がっているのはわかった。だけど、大さじ一杯半、どうやって食べるの?」

 

本当の意味で現地に文化として定着しない限り、慢性的栄養失調の問題は解決しません。
「どうすれば違和感なく、毎日くりかえし食べてもらえるのだろうか?」

 

そんな問いに悩み考え行き着いたのが、シロアリの乾燥・粉末化によるローカルフードとの融合でした。

 

以下がいくつかの現地の料理と混ぜてみた結果です。

 

混ぜてみた結果は、無味無臭でした!

料理の色や食感を変えることもありませんでした正直、言われなければ入っていることすらわかりません。

 

乾燥シロアリの粉末は、まるで空気のように現地の料理と融合したのです!

 

チャパティやウジのような小麦粉やお粥のベーシックな料理は、世界各国にあります。これにシロアリ粉をまぜることで、必要な栄養を無理なく摂取できるのです!これは世界8.2億人の栄養失調を改善するとてつもない可能性を秘めているといわざるをえません。

 

特性4. シロアリはほぼ無限にいる

疑問・・・

「でも、どうやってシロアリを大量に集めるの?そもそもそんなにたくさんいるの?」

 

実は、シロアリは地球上で最も個体数の多い生物と言われています。

 

世界の熱帯地域において、シロアリはバイオマス(簡単にいうと生物の量)の約10%もの量を占めています。

 

さらに驚くことに、熱帯の土に生息する昆虫の約95%がシロアリなのです。これは想像を絶するようなとてつもない量です。

 

 

シロアリは、私たち人間が食べ尽くすのが不可能なほど量、すなわち無限と言ってもいい分量が存在しているのです。シロアリは一生に1億6千万個の卵を生むって知っていますか? 食糧難なんてなんのそのです!

 

持続可能な栄養改善を。

私たちはこれらシロアリの特性をいかして、世界の慢性的栄養失調を解決するための計画を進めております。

 

そのためには、まず小さくても着実な一歩が必要です。

 

私たちはいただいた支援金を使い、世界的に有名な某研究所の研究員*にご協力いただき、私の母校であるケニア・ケリチョの3つの小学校・幼稚園で、(1) シロアリを使った持続可能な栄養改善、および、(2) シロアリを安定的に供給するための技術確立のための事前調査をおこないます。*大人の事情により名前を伏せさせて頂きます。

 

(1) シロアリを使った持続可能な栄養改善

「どうしてシロアリを食べる必要があるのか?」

まずは、それを現地の人々それぞれが理解して「実際に食べる」という自らの体験を通して「継続的に食べたい」と思うことが必要です。

 

そのために、私たちはケニアの小学校・幼稚園の先生と子どもたちに4つの取り組みを実施します。

1.栄養講座

人が健やかに成長し病気にならないためには、どのような栄養素が必要なのか?子どもたちでも理解できる講座を行います。

 

2.シロアリの栄養講座

シロアリにはどの栄養が含まれており、どのぐらいの分量を食べればいいのかを説明します。高価な牛肉や豚肉などと比べて、栄養やコストパフォーマンスがいかに優れているかも説明します。

 

3.シロアリレシピ伝授

シロアリの加工・調理方法を伝授します。現地で行える乾燥〜粉末化の方法を説明し、それをウジやマンダジなど、いつも食べている料理にどのように混ぜて調理すれば良いのか、どのように食べれば良いのかを伝えます。

 

4.シロアリ料理試食会

シロアリを食べた時、どのような味がするのかを体験してもらいます。抵抗がある人もない人も、無理なく毎日続けられることを、体験を通して理解してもらいます。

 

これらを子どもたちへの講座を通じて、先生たちを中心とした大人の方々にもパッケージとして展開し、私たちがいなくても上記の知識をコミュニティに広めていける状態を作ります。

 

そしてシロアリ食の導入支援だけでなく継続的に関わっていくことで、普及の壁となる問題をつぶして、改善をしていきます。

 

(2) シロアリを安定的に供給するための事前調査

私たちはこの問題をケニアのケリチョ郡で解決するだけで終わらせるつもりはありません。

 

シロアリを安定的に収集し供給する方法を実地調査によって科学的・定量的に構築し、他のエリアにも広げていきたいと思っております。

 

そのため、これらを実現する前準備として、世界的に有名な某研究所の研究員「Dr.マトリョーシカ」さん*の協力を得て、事前調査を行います。*大人の事情で言えませんが、すごい人!

 

Dr.マトリョーシカとは?
某研究所研究員。微生物生態学の研究をしながら、生物間共生に基づく循環型社会を構築することを目指している。シロアリの共生生物の生態系機能を使ったバイオマス利活用を目指しているが「シロアリを食べたことがある」の一言がチームの目にとまって協力することに!

 

事前調査内容

1.シロアリの種別の調査と栄養素分析

現地で伝統的に食べられているシロアリが、生物学上の分類では何にあたるのか?また、実際に栄養価が高いのか?学術論文で発表されている情報を自らの調査によって検証し、信頼できるデータとして利用できるようにします。

 

2.シロアリのバイオマス量(生物の量)調査方法の選択

食料としてのシロアリを十分に安定的に供給できるかどうか、科学的調査を行います。調査方法は、土壌をサンプリングして計測する方法や、ドローンで空撮して計算する方法など、さまざまな選択肢が考えられますが、実地を見て確認することで何が最も適しているかを考察します。

 

3.シロアリの効率的、安定的な供給方法の事前調査

シロアリの採取方法としては、伝統的手法を現代のテクノロジーに置き換えて効率的に採取したり、養殖したり、シロアリの嗅覚が好む物質で誘引したりなど、さまざまな方法が考えられます。まずは実地のフィールドワークを通して、何が最も実現性・持続可能性・コストパフォーマンスとして優れているか、調査をします。

 

ご支援をお願いします!

私たちのビジョンは

「人々に必要な栄養を安価で提供し、地球の豊かさも再生させる」こと。

 

シロアリ食の供給における問題解決、需要に的確に応える検証を通して、まずはケニアのケリチョ郡で持続可能なサイクルを確立します。

 

その後、壮大ではありますが、人口の増大し食糧難が訪れるであろうアフリカ全土、アジア、ラテンアメリカへ展開し、世界8億人の慢性的栄養失調の問題改善を進めます!

 

これ以上、苦しむ人を増やしてはいけない。
未来を奪われる人がいてはいけない。

 

そのためには皆さまの力が必要です。どうか、その第一歩のご支援をお願いします!

必要経費

皆さまからご支援頂いた資金は、社会問題解決のため意義のある使い方をすることを約束します。

 

費用内訳
幼稚園へのシロアリ給食費 (約40名分3ヶ月分)
現地での研究調査費
現地で採取したシロアリ種の栄養分析費
渡航費・滞在費・リターン制作/購入費
クラウドファンディング手数料 (18.36%)

Healthy Termite Production チームメンバー

加瀬 維行(かせ つなゆき)
日本 東京都出身。プロジェクト企画構成・計画立案、シロアリや昆虫食の調査・研究、シロアリマンのプロデュースが主担当。小さな頃に祖母の故郷の長野でイナゴを食べたのが昆虫食との出会い。社会的課題を解決し経済も回すことができるフードテックカンパニーを目指し社会の役に立ちたい。
山本 愛(やまもと あい)
日本 富山県出身。プロジェクト企画構成・計画立案、ソーシャルメディア広報、シロアリマンのプロデュース、キャラクターデザイン、クリエティブが主担当。昆虫という新たな動物性タンパク源で、アフリカの子ども達が元気に暮らせるお手伝いがしたい。
Dr.マトリョーシカ(どくたー まとりょーしか)
通称Dr.M。共生生物学を通じて循環型社会の確立を目指す某研究所の研究者。「生物はひとりでは生きられない」を座右の銘に、様々な生き物の持つそれぞれの持ち味を活かした資源循環技術の構築を目指している。生物間共生をマトリョーシカに例える癖がある。熱帯が好き。シロアリが好き。ねこも好き。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

最後にもう一度だけ、言わせてください。

 

 

こりん
シロアリマンの挑戦!アフリカの慢性的栄養失調を改善するために、彼の母国ケニアの母校である幼稚園で、栄養価が高く地産地消できるシロアリ昆虫食の普及支援を行います。 クラウドファンディングによる応援を私からも、よろしくお願いいたします!