JICAを目指す人達へ
入社前と入社後のギャップ
良く言われますが、資料作成が多いです。そして地味なロジ業務も多いです。
裏方としての仕事にやっている意義を見出せないと結構きついと思います。
でも無駄に見える資料もどこかで使用されるし、この一枚の紙が世界を変えるという思いでやれば、あまり苦ではなくなるので、自分の考え方次第だとも思います。
あとはスピード不足も良く感じます。政府の組織だからガバナンスをしっかりする必要があるのですが。
あとは、個人的な意見ですが、スケールが大きすぎて、現場感・実感が得られにくいのは課題です。
これは、国際協力経験の少ない僕だから感じる課題なのかなと思いますが、子ども10万人に計算ドリルを配布したとしても数が大きすぎて実感がありません。
そこにいる子どもがどんな顔をしていて、どんな気持ちでそれを受け取ったのか、その瞬間がこの仕事の醍醐味でもありますが、JICAで働いているとなかなか感じにくい部分があるかなと思います。
なので、現場のリアルと自分の仕事のギャップを埋めるために、NGOや協力隊の報告会には時間のある限り顔を出していました。
また、入社後にポジティブなギャップもあります。
職場で働いている人の性格がすごくいいです。真面目で優しくて勉強熱心、それでいて仕事に情熱を持っている人が多い印象を受けます。
仕事内容には人柄が見えずらい部分があるので、JICAの人は堅いと思われますが、人はすごく良いんです。
また有給や男性育児休業、また在宅勤務など制度は日本の組織の中では、かなり進んでいると思います。(2018年度には、総務省「テレワーク先駆者百選」に選出されています。)
途上国へのその思いを持ち続けて欲しい
僕のもとにOB訪問で訪ねてくる学生は、本当に優秀で情熱もあり素晴らしいです。その優秀さは、今すぐにでも仕事を譲った方がいいのではと思うくらいです。
そんな学生から、「JICAに入るには帰国子女か留学経験か、NGOを立ち上げてバリバリ活動していました!みたいな経験がないと厳しいんですかね。私、そんな経験もないし、英語力にも自信ないし。」
大丈夫です。僕は、JICAに就職が決まるまで大学での海外渡航経験0。TOEICも受けたことなかったし、もちろん英語も喋れなかったです。(しかし入社してからは、めちゃくちゃ苦労しました汗)
そんな僕でも受かってしまうことがあるので、選考は本当に運だと思います。
学生の皆さんは、どうか自分の今の活動に自信を持って全力で取り組んでほしいです。
そして、その想いをJICAの選考にぶつけてほしいと思います。
逆にJICAの選考に落ちてしまった人は、それは能力を否定されているわけでもなく、思いを否定されているわけでもありません。
単に当たってしまった面接官との相性が悪かった、だけと気持ちを切り替えてください。
そして、世界への思いを捨てないでください。
これから誰でも挑戦できる環境を整っていきます。
その取り組みのひとつが今一つ下の後輩が進めている「JICA Innovation Quest(略してジャイクエ)」です。
「ジャイクエ」は、新しい国際協力事業のアイディアを生み出し、それらを実現することを目指す取り組みです。具体的には、「従来の国際協力」の枠組みにとらわれない自由でフラットな議論をするための合宿を行います。
そこで、社会貢献事業に取り組みたい個人や企業、途上国からの留学生、JICA職員等が集い、集中的な講義とグループでの議論をとおして事業アイディアを創出し、それをコンテスト形式で発表します。その後、それらアイディアの実現に向けて取り組んでいきます。
8月下旬から9月頃にかけ、ジャイクエへの参加者の募集を開始する予定です。詳しいことは是非、下記のサイトをチェックしてみて下さい。
http://partner.jica.go.jp/ColumnListView?cat=ColumnList2019¶m=column_010
熱い想いを持った人と日本も含めた世界の課題に挑戦していきたいです。
職場や立場(肩書き)ってのは、ただの与えられた役割でしかないです。
途上国の社会課題に向き合うには、いろんな役割が必要です。
JICAの仕事もその役割の一つですし、NGOやNPOの活動もその役割の一つです。
世界を変える思いに規模も、役割も、立場も関係ない。
大切なのは何か変えたいという熱意。
何か困ったことや尋ねたいことがあれば気軽に聞いてみてください。
僕でよければ相談に乗ります!
ここまでお読みいただきありがとうございました。