お久しぶりです!ギャップイヤーで南アフリカに訪れていた内田光咲です。
南アフリカギャップイヤーシリーズ第三弾です!
これまでの記事はこちらから!
私は南アフリカで1ヶ月間Cape ChameleonというCapeTownを明るくするためのWebマガジンのオフィスでジャーナリズムインターンをしていました。活動を通してたくさんの人に出会い、たくさんの場所を訪れ、ケープタウンをローカルな目線から探検することができました。
今回はそんな私の経験をシェアしていきたいと思います。
この記事の目次
なぜジャーナリズムインターンを行なったのか
ギャップイヤー活動を行う前までの私の将来の夢は、編集者になることでした。小学生の頃に読んだある海外情報誌がきっかけで海外に興味を持ち始めて、そして今の私があるので、同じように多くの人の価値観が広がるような雑誌や本を作りたいと考えていました。
しかし、誰に、何を、なんのために伝えたらいいのか…。そもそもジャーナリズムについても何も知らない…。
そこで、大学に入る前のギャップイヤー期間に、実際にジャーナリズムの経験を積んで、大学で何を学べばいいのかを明確にしよう!と考えたのです。
そういうわけで、第2弾でお話ししたプロジェクトと組み合わせてジャーナリズムインターンに参加したのです!
Cape Chameleonでの活動
Cape ChameleonはProjectsAbroadのボランティアが運営するWebマガジンです。CapeTownをencourage, inspire, empowerすることをコンセプトに、地域に根付いた記事を書いています。
自分の書きたいことをスーパーバイザーに伝えて、取材のアポを取り、インタビューをして、記事を書くという流れです。私の英語力の問題もあり、スーパーバイザーとごたごたしてしまったりなどのトラブルはありましたが、それでも自分の書きたいことを必死に伝え続けて、最終的に1ヶ月で4本の記事を書くことができました。
今日は4つの記事の中の一つ、タウンシップのIT教育に関する記事を書いた時のお話をしたいと思います。
タウンシップで見た光景
ケープタウン滞在中にタウンシップで活動することがたくさんありました。
タウンシップとは、南アフリカの旧アパルトヘイト政策の一環として、都市近郊に設けられた黒人専用居住区のことです。
YOUTH DAYという祝日に、お祭りを手伝うためにMuizenbergのVrygroundにあるタウンシップを訪れた時に、上記の看板を見かけました。
インターネットカフェの看板です。
周りを見渡すとスマートフォンを使っている人がちらほら。
私はバイアスで、「タウンシップでは電子媒体より紙媒体の方が主流なんだろうな」と思っていました。なので、インターネットカフェの看板を見た時に、また私は日本人の価値観で考えてしまっていたんだ…とひしひしと感じました。
そして、タウンシップの人たちがどのようにインターネットを使っているのんだろう…
IT教育は行われているのかな…
と疑問に思ったので、タウンシップのIT教育について取材をして記事を書こう!と決めました。
南アフリカで唯一タウンシップベースのTech hub「Khayelitsha Bandwidth Barn」
私は、「Khayelitsha Bandwidth Barn」というテクノロジーハブに取材に行きBusiness Development ManagerのFezeka Mavusoさんにお話を伺いました。
Khayelitsha Bandwidth Barnは南アフリカで唯一タウンシップを拠点としていて、
- タウンシップの人々にIT教育
- 子供たちにオンラインゲームで遊ぶ機会を提供
- 企業にオフィススペースを貸し出し
主に3つの仕事を行なっています。
1. タウンシップのIT教育
「タウンシップの人たちは、自分のデバイスを持っているけど、それをどのように使うのかを知らないのです。だから、メールアドレスの作り方から、ビジネスで使う知識まで基本的なことを中心に教えています。」
スマホを持っていてもどのようにメールをすればいいかわからない… どのようにSNSを使えばいいかわからない…という人が多い。そのため、インターネットを有効に活用できていない人が多いという現状でした。
そんな現状を解決すべく、Khayelitsha Bandwidth Barnはタウンシップの人たちにIT教育を受ける機会を作っていました。
しかし初めは、デジタルの世界に足を踏み入れることをためらう人が多かったようで、デジタルの世界を理解してもらうことに苦労したと話していました。
それでも一つ一つ基本的なことを教え続けた結果、IT技術を身につけて都市部で仕事得ることができた人が誕生するようになったそうです。
インターネット環境をうまく使ってビジネスができるようになったら、仕事も得られるしお金を生み出すことができる。そんな希望が感じられました。
2. 子供たちのオンラインゲーム
「ゲームがデジタルの世界へのきっかけになる」
先ほども話したように、デジタルの世界に恐れを感じる人もいます。デジタルの世界は自分には無縁だと思って嫌悪する人もいます。しかし、ゲームという簡単な入り口を用意することで、デジタルの世界を身近に感じてもらえることもあるのです。特に好奇心旺盛な子供達は新しいものに興味津々。
オンラインでeSportsを楽しんでいました。
また、ご存知のように、タウンシップでは性的虐待やドラッグの乱用などが問題として残っています。しかしゲームが代替になり子供達をそんな道から避けることもできる可能性もあるのですと話していました。
3. 企業にオフィススペースを貸し出し
「Khayelitsha Bandwidth Barnはいろんな分野が出会う場所でもあります」
Khayelitshaまで車で行ったのですが、警察の誘導がないとUberが通れないと言われるくらい危険とされている地域のため、Khayelitshaで企業をしたいとなっても、オフィスが見つからない…という問題があるそうです。
そんな起業家の人たちのために、コンピューターも使えるオフィスを貸し出しています。そのため、いろんな分野の企業が集まり、そこからビジネスが始まったりするようです。
Khayelitsha Bandwidth Barnは教育の場であり、遊びの場であり、出会いの場でもあるのです。
実際に書いた記事にもっと詳しいことや、Fezekaさんの言葉も載っていますので是非読んでみて下さい!
https://capechameleon.co.za/how-digital-learning-can-transform-a-township/
未来について
この取材を通して私が感じたのは、「IT教育がタウンシップを変革できる可能性を秘めている」ということです。
実際に訪れるまでは、デジタルディバイドが…とかタウンシップでは紙の方が教育には効果的じゃないか…ウンタラカンタラと考えていましたが、現実はもっと明るい!!!
もちろん問題はたくさんありますが、タウンシップでIT教育が充実していけば、雇用が生まれ、お金が生まれ、仕事が生まれ、とタウンシップが変革していけるのではないかと感じました。
それと同時に、インターネットを効果的に使えるようになれば、私達だけが情報発信するのではなく、現地の人たちも自分自身で情報発信していくことができて、私達のバイアスを減らしていくこともできるのではないかと思いました。
いつか双方が平等に情報発信できるコミュニティができたらいいなと思います!
最後に一番心に残ったFezekaさんの言葉を。
“I do not want them to be consumers of technology, but creators and innovators”
(人々にテクノロジーの消費者でなく、クリエイター・革新者になってほしい)