セネガルに女性のための避難所を建設したい

はじめに

こんにちは、「Gueneu(ゲヌ)」というアフリカ布ブランドをしています、宮村暢子(みやむらのぶこ)と申します。

 

 

これまでAll About Africa2本の記事を書かせていただきました。1つめの記事では、私がセネガルに行くことになったきっかけと、ブランドを始めたきっかけをお話しました。2つめの記事では、そのきっかけであるFGM(女性器切除)についてお話しました。

 

 

 

 

今回は、FGM、強制結婚、性暴力から女性たちを避難させ、自立支援を行っていくための避難所の建設についてお話したいと思います。

 

どんな避難所を作っているのか

避難所は過去2本の記事に登場したキャディさんの団体によって、現在建設中です。キャディさんが育った町ティエスの中心部から車で30分ほどの場所、緑に囲まれた静かなところにあります。

 

 

そこではまず女性たちの心のケアを行います。文字を読む訓練や、女性たちがアウトプットを出せるように支援をする前に、まずは彼女たちが自信を取り戻し、日々の生活に戻るための支援を行います。

 

 

またその後、女性たちには文字教育を含めた教育の機会を提供し、さらに裁縫、美容技術、電気工学などの専門知識を教え、女性たちが避難所を出て自立し、仕事を見つけられるように支援したいというのがキャディさんの願いです。つまり、避難所兼学校のようなものを作ろうとしているのです。

なぜ避難所を作るのか

キャディさんは7歳でFGMを受けました。13歳のとき、見知らぬ従兄弟と強制的に結婚が決まりました。夫からの強姦の日々に耐えながら16歳で1人目の子どもを出産、次の年に2人目、さらに次の年に3人目を出産しました。彼女は合計5人の子どもを出産しましたが、FGMのせいで裂傷がひどく、尋常でない痛みを味わいました。彼女は夫が仕事に出ている間に資格をとり、仕事を見つけ、なんとか自立をしようと試みましたが、収入をすべて夫に奪われ、離婚は長い間成立しませんでした。38歳でようやく離婚が成立した後、自身と同じように傷つく女性たちを救いたいと世界中で活動を始めました。

 

 

彼女は、女性が男性と対等に生きていくためには、教育を受け、仕事を持ち、自立することが不可欠であると私に話しました。そのため、彼女は避難所を作って女性たちを一時的にかくまうだけでなく、職業訓練をすることで彼女たちに生きる力を与えたいのです。

 

 

↑窓はガラスではなく鉄格子になっています。追ってきた家族が石を投げることを想定しているためです。その話を聞いたとき、改めて深刻な問題と向き合っていかなければならないこと、そしてここは紛れもなく「避難所」なのだということを感じました。

 

 

また、避難所を建設しているティエスという町は女性に対する暴力が多い地域です。2011年、ティエスでは12歳から19歳の少女の間で、351件の暴力事件が報告されています。しかし、ティエスにはまだ避難所がありません。病院に暴力を受けた女性が駆け込んできたときには、病院のスタッフからキャディさんに連絡がくるようになっています。

 

 

避難所には、トイレ、シャワー、キッチン、寝室、教室などがありますが、まだまだ物資はそろっていません。まずは雨漏りのする屋根を直し、ソーラーパネルを設置する予定です。

 

↑寝具のないベッド(写真左)

 

 

↑まだ水の出ないトイレ、シャワー室

 

ブランドと避難所

私は現在、避難所の資金集めをお手伝いしています。ブランドの売上の一部を送るだけでは建設が追い付かないので、キャディさんのNPO名義で申請できる資金援助がないかを探したり、実際に申請書の作成のお手伝いをしたりしています。

 

 

 

また、いずれ避難所で職業訓練が始まったら、ブランドの商品を避難所に避難してくる女性たちに制作してもらうことで、女性たちの自立支援に繋げられないかと考えています。

 

 

ブランド開始当初、ほとんどの商品は私が日本で作っていました。

いつか職業訓練に使いたいと考えているため、初心者がどれぐらいミシンを扱えるのか体感したいという思いもありました。ですが、いざやってみるととても難しく、私には無理だ!と思うことが何度もありました。

 

↑はじめて作ったポーチ。5時間かけて失敗作が出来上がりました。

 

 

 

↑何度も何度も縫い直し、何度も何度もめげながら作ったマスク。それでも沢山の人のもとに届き、喜んでもらえたことでやってよかったと思えました。

 

私はテイラー(縫い物をする職業)にはなりたくないなあ、避難所に来る女性たちは果たしてテイラーになりたいだろうか…と思いました。キャディさんが、「裁縫や、ネイルや、電気工学や、パン焼きや、農業や、色々なことを教えられる避難所にしたい」と言ったとき、私は、ちょっと欲張り過ぎでは?と思ったのですが、今はそれが女性たちの選択肢を増やしてあげるキャディさんの優しさなのだとも感じています。避難所にくる女性たちはどのような生き方を望むのか、一緒に新しい将来を考える日が楽しみでもあります。

 

 

それでも、避難所のすべてを一度に完成させることはできないので、今は最低限必要なものは何なのかをキャディさんやNPOのスタッフと話し合い、予算と計画を立て直しています。

 

 

皆さんにも避難所のこれからを見守っていただけると嬉しいですし、資金の集め方や建設の進め方など、もしお詳しい方がいたらアドバイスをいただけると幸いです。

 

 

さて、次回の記事はいよいよ最終回です!

私のブランドゲヌでもう1つ進めているプロジェクト、セネガルでの養鶏についてお話して終わりたいと思います。

 

ゲヌオンラインサイト:http://www.gueneu.tokyo