「軽さ」こそ難しく、こだわっていきたい。


「そうかそうか、ぎおん君は内側から湧き上がってくるものを見てて、マサヤ君が外側からみて足りないものを埋めたいって思うってことか。」

 

「そういう意味でいったら私のやりたいことて課題解決なのかな?例えばAAAだったら自分が初めてアフリカに行こうと思って調べた時に、ヒットするアフリカ情報がすっごい古い&少ないっていう課題がひとつあった。あと、実際に自分がアフリカ行って帰ってきて、行ったことない人達に『アフリカってこうなんでしょ?』と言われることの内容と、自分が実際に体験してきたことがあまりにも違った。要はストリートチルドレンって怖くなかった?とか『あっちって性病ひどいんでしょ』とか、そういうネガティブなイメージがいろいろある。でも自分があっちで得てきたものって"愛"だったり"優しさ"だったりした。」

 

「わかるわかる。」

 

「だから、私はどっちかっていうと足りないものを見つけて、そこを補う場所をちゃんと作って、その中で輝く人に光を当てたい。つまりすごい能力と熱意があって、でも世間ではそこまで光があたっていないような人たちをもっと輝かせたい。一方そこで個人でやりたいことに集中してプロダクトをつくっていくっていうぎおんさんのモチベーションと私の立ち位置ってかなり違うなって思った。」

 

「Tokyo Africa Collectionも同じような考えで?」

 

「TACのファッションの使い方は、ぎおんさんのジーンズと似ていて散々言っている"マスにどうやって伝えていくか"っていう問題になるんだけど。アフリカとか国際協力とかって正直大半の人には、世間にとってはどうでもいい。 そこにそもそも関心がある人って1%くらい。 でも、もっとアフリカのためを思ったり、関心を向けたいと思っているなら残りの99%にアプローチしないといけなくて。でもそれをやるんだったら、掛け算がいいと思ってて、だからマスに響くファッションっていうのを使ってます。」

 

「入り口をもっと広く軽くしたいんですね。」

 

「まさにそうで入口は"アフリカ"じゃなくて全然いい。モデルさんが可愛かったから、とかダンスが見たいとか、そういうので全然よくて。そういうことをきっかけで行ってもらうほうが、ぐっとアフリカの関心層が広がっていくって思ってやっています。アフリカを知って欲しい、知って欲しいと言っている人に限って、アフリカを前面に出しすぎていて、それってアフリカが好きな人には響くかもしれないけど、その他大多数に広める仕様にはなっていない。

 

「確かにそんな気がする、、。」

 

「アフリカ好きな人たちってイベント好きじゃないですか?でいろいろ企画はするけど集客面でいつも苦労してる。例えばアフリカを知って欲しいからってアフリカの歴史を学ぼう!とかってやっちゃうと誰がくるの?っていう。私は行きたいって思うよ、だってアフリカにそもそも興味があるからもっと学びたいって思うし。でもさ、そこを突き詰めちゃうと結局興味のないマスとのギャップばかりが広がっていく。だから、いかに軽いって言われようと、私はスモールステップを作り続けます。

 

「ほんとそれなんですよね。僕もむしろ"軽くみせたい"んですよ。アフリカ関連の活動をする人って少数だから、圧倒的に"自分たちのやっていることは正しい"っていう感覚になりやすいと思っていて。でもその"正しさ"って知らない人にしてみれば、ただうっとおしいだけだけなんですよね そんな正義を振りかざされても、えってなるから。 圧倒的に正しいことを発信するのは響きにくい。そこをいかに隠して、結果的にはその自分の訴えたいことにはつなげていくということが大事だと個人的には思ってる。」

 

「自分もアフリカの事は本当に大好き。でもこういう活動していると『本当にアフリカのこと好きなの?』ってアフリカを利用している』とか言われる。うっるさい意識の高い世界と戦わなきゃ。

クローズドな意識高い世界での戦い方。

 

「自分はこれだけのことを知っています。でもその正面の浅いところしか知れてない人に対してまだまだですよねってマウントを取る人っているじゃないですか。」

 

「わかる!わかる!ほら、初めていったアフリカで『貧しい中でも笑顔が素敵だった』みたいな感想があったとして、その感覚って良い感覚だと思うんだよね。でもそこに苦言を呈するベテランの方たちがいて。うん、みんな最初はそう思うんだよね~みたいな冷笑コメントする人たちがいるのよ。」

 

 

「あーーーーー!それ嫌い!笑」

 

実際にあった例として、自分がアフリカ縦断中にルワンダに行ったときに、いまICT立国として注目を浴びてるルワンダの知られざる一面としてスラムの動画をツイッターでupしたのね、それが結構バズって、そしたらこれが本当のルワンダです。最近の大学生が初めて行って綺麗だったとか言ってるの腹立つ』とか言ってる人いて、いやお前誰だよって。こうやって"アフリカ愛"とか"アフリカ経験"とかを振りかざして、自分の見たアフリカだけを妄信して、若い子や新しい人たちの感性を否定してるのやばい、時代遅れ過ぎ。それ貴方の愛するアフリカの首絞めてるっすよ、て思う。

 

「その時マサヤ君結構落ち込んでたくせに(笑)」

 

「(言わないで!)あのさ、経験をさ誰かのマウントにするんじゃなくて、その経験こそを誰かの踏み台にしてあげないとって。私はさっきも言ったけどプラットフォーマーになりたいと思ってるから、自分が目立つという考えはあまりなくて、すごい人を引き上げたい、って思うから若手も大好きだし、もっとみんなにアフリカ行って欲しい。なのに、そういう人が居るとますますアフリカに行きづらくなる。

 

「それはジーンズもそうなんですよね。ジーンズマニアの世界もどちらかというとアフリカみたいにクローズドな部分があって。このミシンでこの縫い方じゃないとジーンズとは認めないみたいな。別になんでもよくね。って思うんですけどね」

 

「2人ともそれなりの発信力と影響力付けてきてさ、ぶっちゃけそういう風当たりが強くなってくる部分ってあると思うのね。実際にそういう事で心が折れちゃって発信やめちゃう人達もいたりするじゃない?その辺、2人はどうやって消化してるの?」

 

「初めてそういうの来たときは本当に凹んだ。けど、次からはもう気にしないことにした。だって、今まで誰もやってこなかったことをやったりとか、スピード感をもって動くとどうしても摩擦は生まれる。だから、いかにそれを考えずに走り続けるかっていうのが大事かなって思ってる。」

 

「自分がそうならないように気を付けようっていうのは思う。今後出てくる若い子たちに対して『あー、その時期ねー』みたいにいう人(笑)」

 

「うわー年取るとそういう感じになりがちだもんね!気を付けよう(笑)ということで、今回はここまで!2人のアフリカに対する愛、感じとっていただけましたか?愛のカタチってさ人の数だけ違っていいと思うんですよね。どの形が正しい、とかじゃなくて自分の信じる道を愛をもって進んでいく。それがいずれ世界を変えていくことになるのかなって、胸が熱くなる内容でした。ここまで熱く濃い内容の対談が続いてきましたが、次回はいよいよ最終回!今後の2人はどんな世界を見据えているのか、気になる未来展望を自由に語ってもらいました。お楽しみに!」

 

最後に、これって映画ですか⁉っていうくらいに、カッコいいアイキャッチを作ってくれたのは、すでにお馴染みのこの彼です!

 

Robert Lee(ロバート リー )
1995年、千葉県成田市出身
都内の大学へ進学し、大学卒業後は大手商社に入社。約1年で退職し、フリーランスの映像クリエイターとして活動を始める。GHION DENIMの映像制作に加えて、岡山県や広島県を中心に世界レベルのアパレルブランド、産地職人の映像を制作する。
https://www.robertleevisual.com/

 

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