TwitterのMr. シロアリマンと聞けば思い浮かぶAAA読者の方も多いのではないでしょうか。
彼の名前は、キップランガト ジャスタス。16年前に来日、現在は六本木のIT企業でエンジニアをされています。
そして彼にはどうしても取り組みたい社会的課題があり、もう一つの顔「Mr.シロアリマン」として活動しているのです!
そして、今回は故郷アフリカの人々の栄養失調をシロアリ昆虫食で救うために、Mr.シロアリマンとそのチーム Healthy Termite Productionでクラウドファンディングを実施する決意をされました。
読者の皆様の頭の中にはさまざまな疑問が浮かんでいると思いますが、ひとつひとつMr. シロアリマンさんから、順を追って説明していただきますね!
読む時間ないよーーー!って方は、是非このyoutubeだけでも是非見ていただけると嬉しいです。今回の取り組みの要点が2分弱でまとめられています。
Mr. シロアリマンとは
はじめまして、皆さま!私はアフリカ ケニア出身のジャスタスと申します!
故郷ケニアの現状
私はアフリカのケニア共和国のケリチョ郡で生まれました。緑豊かな紅茶畑の風景が広がる自慢のふるさとです。
しかし、村の人々の生活はけして豊かではなく、お肉はとても高価で特別な時しか買えませんでした。そのため、日々の食事の栄養価は乏しく、食べ物に困ることさえありました。
それにより、クワシオルコル(kwashiorkor)という病気になってしまう人が少なくありませんでした。これはタンパク質やエネルギー、その他の栄養の欠乏によって下腹部が膨らみ、痛々しくやせ細ってしまう病気です。
幼少期にこの病気にかかると後遺症を残し発達障害になってしまう人もいます。成長期に十分な栄養をえられないと、その後の人生の可能性までもが奪れてしまうことがあるのです。
学校に進学した私は、世界に7億人の慢性的栄養失調の人がいることを知りました。私が目撃したこの問題は故郷だけでなく世界のたくさんの人が抱える問題だと知って大きなショックを受けました。
そして2018年、世界の慢性的栄養失調者の数は8.2億人にまで拡大しています。
こうしている間にも、1時間に5万人ずつ栄養失調で苦しむ人が増えていっている歯止めのきかない危機的な状況です。
Mr. シロアリマン誕生秘話
その後、私は日本にエンジニアとしてやってきました。そしてある日、会社のメンバーにこう誘われたのです。
「2030年、世界の人口は90億人になり食糧危機が来ることがわかっている。そんな中、昆虫食が未来のタンパク・栄養源として注目されている。これで栄養失調という社会課題を解決する活動をしませんか?」
彼らはFAO(国際連合食糧農業機関)が発表した昆虫食に関するレポートなどを用いて私に説明しました。
FAO(国際連合食糧農業機関)より抜粋
(昆虫食は)有望な食材になり得ます。世界的な人口問題により、食材要求と特に動物性タンパク源の需要が増えてきました。食料問題の対策として食用昆虫があげられます。昆虫は遍在性、餌料変換率が共に高く、環境に与える被害が少ない生物です。昆虫はたんぱく質や脂肪、微量栄養素を多く含み、栄養価も高いと言えます。
その話を聞いたとき、私の頭に浮かんできたのは小さな頃にケニアで食べたシロアリでした。
「え!シロアリを食べる!?」
驚いた方もいるかもしれませんが、ケニアではシロアリを食べる文化があるのです!(※日本にいるシロアリとは異なる種類ですが)
このシロアリは、現地スワヒリ語でクンビクンビ(kumbikumbi)と呼ばれ、ご先祖さまの時代からとても栄養が高いと言い伝えられていました。私もよく捕まえて食べました。事実、ケニア保健省(The Ministry of Health, Republic of Kenya)が発行しているレシピ本にもシロアリ料理のレシピが掲載されています。伝統食として国からオススメされているのがわかります。
私たちはさっそくシロアリだけでなく食用になっている昆虫をリストアップして、栄養データの比較調査にあたりました。ケニアで昔から市場に出回っていたバッタやゾウムシの幼虫、そして、欧米で養殖化の進んでいる話題のコオロギなど。
――― そして今、私は宣言します!
「シロアリこそ人々に必要な栄養を安価に提供し、地球の豊かさも再生させる救世主だ!」と。
シロアリをうまく活用すれば、私の故郷のアフリカ、いや、世界の栄養失調をサステナブルな方法で解決できることでしょう。