国の経済が良くなっても国民は豊かにならない?

抱きかかえられるアフリカの子供

アフリカは最後のフロンティアと近年では呼ばれ続け、経済成長を続けています。GDPも全体で3%の成長率で上がっていっています。

 

しかし、実際に国の経済が成長すれば、国民が豊かになるかといえばそうではありません。

 

例えば僕の住むベナン共和国で一番大きなスーパーは、フランス資本のスーパーです。そこに売られている商品は、ほとんどがフランスを含むヨーロッパの輸入品です。中にはベナンで生産できないものもありますが、野菜など、ベナンで買うと安くてもっと美味しいものまで輸入品だったりするのです。

 

そこで買い物をする人たちは、ベナンでは富裕層と言われる人たちです。つまりお金を一番使うであろう人たちの消費が、ほとんどベナンではなく諸外国に流れていっている訳です。

 

このような理由で、国が豊かになれば国民が豊かになるという単純な考えではいけないということも知りました。

 

とにかく現場を見なければいけない

内藤さんと学生さん

アフリカに足を踏み入れなくとも、こうした情報を得ることは可能です。しかしながら、日本にいながらその事実を知っても「なんとかしないといけない」と強く思うのはせいぜい数日くらいです。

 

気がついたら、また無関心な自分に戻ってしまうことを自覚していた僕は、「とにかくアフリカに行き、その問題となっている現場を見なければいけない」と心に決めました。

 

もちろん、アフリカに行き、働き続ける理由は、前回書いたワクワクなどのポジティブな理由もあります。

 

しかし、今回ご紹介した内容のように、自分も間接的に関わり続けている問題に向き合いたいという思いは今でも持ち続けています。

 

まとめ

 

タイトルにある、東証企業勤務と結婚をやめて、アフリカに行くと決めたのは同じタイミングです。この二つは世間一般では安定の象徴のようなものかもしれません。それを自ら手放し、アフリカ行きを決めたのには、こうした理由がありました。

 

そして、ルワンダで協力隊を2年間経験し、大学院行きがほぼ決まりかけていたのにそれをやめ、アフリカに戻ったのも同じような理由からです。大学院に行くこと自体は良いことですし、自分も今後行く可能性が十分にありますが、まだまだ自分は現場をもっと知り、挑戦する必要があると考えたからです。

 

とはいえ、自分がアフリカに何か出来ているのか?と聞かれれば殆ど与えてもらっていることだらけです。まだまだ経験値も知識も人脈も影響力も足りません。日々挑戦を繰り返して、少しでも目標を達成できるように精進したいと思っています。

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内藤獅友(ないとうしゆう)

NPO法人AYINA副代表、株式会社Africa Network副社長

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