「迷ったときは楽しい方を」ウガンダからサッカーで拓く未来-大場 由太

 

迷ったときは『どっちが正しいか』なんて考えちゃダメ。『どっちが楽しいか』で決めなさい。

 

某宇宙飛行士漫画で出会ったこの言葉。

 

これに天啓を受けたかのように、10代から人生の選択をするときは『楽しそうな方』を選んできた。

 

そして現在、27歳。東アフリカのウガンダ共和国で、プロサッカークラブの運営をしている。

 

好奇心を軸にして生きてきた自分にとって、これまでの人生の様に、5年後・10年後、自分がどこで何をしているのか、さらに言うと、もちろん生きているのかさえ分からない。

 

生き方を自由に選択できる国に生まれ、そして後押ししてくれる家で育った1人の人間として、これまでもこれからも、自分がワクワクする人生を歩んでいきたい。

 

さて、今回から3部に分けて、連載をさせていただくことになった。

 

全3連載

第1回は、「ウガンダに来るまでの自分の人生」(:本記事)

第2回は、「SOLTILO UGANDAの仕事やサッカークラブ運営」

第3回は、「これからの展望」

 

上記3テーマについてを、他の方々とは違ってあえて”固く”書いてみたい。

 

本連載がサッカーファンをはじめ、アフリカビジネスに興味のある方への参考に。さらに、いま進路に迷っている学生や社会人の背中を押すものになれば嬉しいです。

 

ウガンダ産コーヒー片手に、最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

バスケに打ち込んだ青春時代(〜18歳)

1992年、富山県富山市生まれ。小学3年生からバスケットボールを始め、全国大会に出場する。

 

バスケの名門中学に入学し、県大会優勝や3年連続北信越大会出場を経験。(僭越ながら大スターの馬場雄大や八村塁の先輩にあたる。実力の差は言うまでもない)

 

高校進学はそのままバスケの強豪校へ行くことも悩んだが、既に強いチームでやるよりも弱いチームを強くする方が楽しそうだと思い、バスケは弱いが就職と進学に強い富山高専へ進学。

 

思い返せばこのときに、クリアを目指すよりもレベル上げこそが楽しいだろと言わんばかりの”RPG人生”が始まった気がする。

 

親譲りの強い性格と半ば強制的なリーダーシップで1年生でコーチ兼選手になり、最終的には仲間に恵まれ北陸高専大会で20年ぶりの優勝を果たす。

 

武勇伝欲しさのヒッチハイクの旅から・・・

一方、大人になって我が子に『父さん昔な〜!』って武勇伝を語りたいが為にと、高専3年生の春休みにヒッチハイク日本一周の旅に。

 

順調に富山→石川→福井へと進んだ矢先、乗せていただいたドライバーの方から「お前、日本が今どんな状況か知っとるんか?」と言われ、発生から5時間後、サービスエリアのテレビでようやくあの光景を目に。

 

東日本大震災とボランティア(18〜21歳)

自粛ムードにわざと抗うように、3週間かけて東北地方以外の本州を巡ってから富山へ帰宅。

 

せっかく乗せてくれた(ご飯もご馳走になったし、中には家にも泊めてくれる人もいた)ご恩をなにかの形で恩送りしたくなり、人手が足りないというニュースを基に、GWを使って福島県南相馬市へボランティアに行く。

 

取り立ての免許で高速道路を半日ひた走り。道中、自衛隊や特別車両をこれでもかというほど目にし、『どうやらやっぱり普通じゃない』と感じたことを今でも覚えている。

 

わずか一週間の滞在だったが、被災された方と話したり、ボランティア同士で何ができるか悩んだり、ときには家屋での泥かき中に家主から「帰れ!」と言葉を浴びたり、一生忘れることのない経験をした。

 

なにより、テレビやネットで得た”情報”=自分の中の”全て”になりがちな中、実際に行って見て話して、五感を使って体験することが、情報で凝り固まった価値観を壊してくれると感じた。

 

高専卒業後の進路に海外ボランティアを決意

災害ボランティアの経験を高専で話すと「じゃあ次は海外でボランティアしてみたら?」と先生に言われ、すぐさまネットで[海外 ボランティア]と検索。JICAを初めて知る。

 

調べていくうちに、バスケを教えられるボランティアがあることが分かり、さらに隊員の活動ブログを読み漁るうちに「これは俺もできるな」と根拠なき自信が湧き上がる。

 

就職も進学も選ばず、卒業後進路として2年間の海外ボランティアを決意。わざわざ高専を出てすぐ協力隊へ行くのは稀で、聞いたところによると学校初だったそうだ。

 

在学中からTOEIC取得とバスケ指導に時間を費やし、運良く試験に合格。福島県二本松市での派遣前訓練では21歳の最年少隊員だったこともあり、人生の先輩方に沢山可愛がっていただいた。

 

土日はNPOを介して郡山市の仮設住宅を訪問し、自分ができる被災者支援に勤しんだ。

 

1月、晴れて自分が志した協力隊になる。

 

そして、ここから今に繋がる海外キャリアが始まることになる。

 

JICA青年海外協力隊(21歳〜23歳)

 

派遣国はモンゴル。派遣期間は2014-2016年。

 

派遣地域の子どもたちにバスケを教えることが主な活動だった。加えて、県選抜チームの指導や審判講習、同じバスケ隊員とともに県外での指導も経験した。

 

興味がある方は、隊員時代のブログをご参考あれ

http://blog.livedoor.jp/mongolyuta/

 

2年間で多くの苦楽を味わった。苦の方が多いかもしれない。

 

活動スタートからカウンターパート(:現地人の同僚)がアルコール中毒だと判明し、序盤から一緒に活動ができなくなった。そのまま一人でバスケ指導していると、彼が気を悪くしたのか私の活動を妨害するようになった。

 

子どもを無理やり帰らせて私にウォッカを強要するようになった。もちろん酒を飲むために協力隊に来たわけじゃないので、JICA事務所へ相談し約1年後に任地を変更した。

 

新しい配属先のカウンターパートとともに「ここから再スタートだ!」と思った矢先、彼が首都へ失踪したため、また一人で活動することになった。

 

その後も、配属先がスポーツ指導事業を辞めたり、審判中に人種差別を受けボールを投げつけられたり、日本では得られない多くの経験をした。

 

誤解の無きよう申し上げたいが、決してモンゴルやJICA・協力隊のネガティブキャンペーンをしたいわけではなく、自分が渡航前に思い描いていた活動のイメージとは大きくかけ離れた2年間を過ごしたことで、得たものも大きいと感じたからだ。

 

先述したRPG思考(特にポケモン)で捉える癖がある。

 

草むらからいつ敵が出現するのかも分からなければ、その敵を今の自分が倒せるかも分からない。
だからこそ、その過程=レベル上げが楽しく、そこで失敗したときは『経験値もらった』と捉えて再出発。

 

とはいえ、予想できない途上国の暮らしや人間関係に対してネガティブに感じることも多かったが、最終的には「自分が望んで来たんやろ、嫌なら帰れよ、誰も止めんわ」と脳内で喧嘩させて自己奮起モードに入ることもあった。(などどかっこつけているが…当時はなかなか辛く、愚痴を吐き散らしていた記憶がある)

 

2年間の活動を終えて、帰国。

帰国後は、次なる協力隊を支援したいと思い、JICA国際協力推進員として国内事業に2年半携わる。

 

初めての社会人経験は色々と上手くいかないこともあり、「海外は海外で難しいけど、日本は日本で難しいよな」と、今まで何万人と歩んできた道を歩いていることに気付く。

 

任期もあと半年というところで、かつてのモンゴル先輩隊員(同じくバスケ隊員)からとある求人の紹介を受ける。

 

ウガンダへ(26歳〜)そして、現在。

サッカー元日本代表・本田圭佑選手がオーナーを務めるプロサッカークラブ「SOLTILOBright Stars FC」のゼネラルマネージャーに就任。同時に、SOLTILO UGANDA Ltd.の代表としてウガンダ法人の責任者となる。

 

思えば遠くへ来たもんだ。

 

全ての始まりが何なのか分からないが、選択の岐路で「楽しそうだ」と思った方を選んできた結果として今がある。

 

昨年、協力隊へ行く彼女に「2年間、日本で待つから」と言って送り出した。その2ヶ月後にウガンダに行ったのは自分でも予想できなかった最高のフェイントだった、と思う(理解のある人で良かった)。

 

ウガンダをはじめ、アフリカに日本人は意外だと思うほど沢山いる。
その一人ひとりが違うバックグラウンドや経緯を持ち、異なるミッションを掲げて生活している。
挑戦している人の数だけ面白い人生がそこにある。

 

その先輩日本人の方々と話すと”未来を見て、点を結ぶことはできない。過去を振り返って点を結ぶだけだ。”という言葉を思い出す。

 

流れに流れてアフリカに来て、今を生きることがいかに面白いか。

 

それだけの”ユルさ”を受け入れてくれるのは、アフリカという母なる大地の寛容さなのか。

 

いつか振り返ってみて、アフリカという点を次の点に結べるように、今を大切に生きていく。

 

次回:私の仕事(サッカーを通して世界を平和に)やサッカークラブ運営について

 

大場 由太(おおば ゆうた)
SOLTILO UGANDA Ltd.代表 / SOLTILO Bright Stars FC ゼネラルマネージャー
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◆SOLTILO Bright Stars FC
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