ALL ABOUT AFRICAをご覧の皆さん、こんにちは!
現在、東京都の教員(現職参加)として西アフリカのベナン共和国で青年海外協力隊として活動している高田裕行です。
「教科書を超えた教材になる」「教室から世界を変える」をモットーに、日々の教育活動に励んでおります。
全3回の連載というかたちで、私自身のこと、ベナンでの現在の活動のことをこれまで書かせていただきました。
それでは、いよいよ「長友ドリーム」について紹介します!
プロジェクトの概要とこれまでの経過を詳しくお伝えしていきますね!
この記事の目次
それはあるツイートから始まった。
2019年6月、サッカー日本代表の長友佑都選手の次のようなツイートを見つけました。
100万円を3年間支援で、1人300万円。
今後100人を応援、総額3億円サポートしたいです!まずは第1弾として僕個人のお金3000万円で10人の夢を応援します!この投稿をフォロー&リツイートをした人の中から僕が夢を応援する人を決めます。#長友ドリーム をつけて夢への想いなどをツイートしてください! pic.twitter.com/Novj0ATemw— Yuto Nagatomo | 長友佑都 (@YutoNagatomo5) June 20, 2019
長友選手自身、高校進学の際に経済的な理由で夢を諦めそうになった経験があり、同じような状況の人達の力になりたいとの願いから、このようなプロジェクトが発足したとのことでした。
実は私はこのtweetを見る前日に、任地先であるザポタの子供達と一緒にサッカーゴールを蚊帳で作っていました。
35度を超える中、3時間以上かけてゴールを完成させました。
その後、借りてきたサッカーボールで子供達とサッカーをしました。
そこには笑いながら、楽しみながら日が暮れるまでプレーする子供もいれば、「将来はサッカー選手になるんだ」と意気込む子供もいて、国や人種は違えど、その光景はまるで自分の子供時代を見ているようでした。
「どこでも自由に、純粋にサッカーをさせてあげたい」
「生まれた環境によって夢を諦めざる得ない状況をなんとかできないだろうか」
そんなことを考えながら、子供達のサッカーに夢中になる姿に余韻を残して帰宅したことを覚えています。
サッカーは「私の人生」でもあった。
私自身、幼少の頃からサッカーを通して、様々なことを学んできました。
目標に向け、毎日チームメイトと一生懸命に練習した小学校時代。
自由に主体的に練習を積み重ねた実力を最大限に発揮できた中学校時代。
自分を押し殺し、監督の目ばかりを気にしながらプレーしていた高校時代。
当然、その時代時代に、楽しかったこと、辛かったこと、いろいろな物語があるけれど、経験を通して学んだこと全てが、今の私を支える力になっていて、そしてこれからは「サッカーをやっていた人生を越えられる人生を作りたい」とさえ思っています。
スポーツを通して与えられる「可能性」は無限にあると思います。
東日本大震災のチャリティマッチで三浦和良選手が決めたゴールに多くの人が励まされたように、ここベナンでも、その可能性を最大限に発揮できる「環境」を作り出すことが、子供たちの確かな成長を促すと同時に未来への投資に繋がることを確信しています。
世界は不平等を前提に動いている。
堅い話になりますが、世界は不平等を前提に動いていると思います。
アフリカだけでなく、日本も同様であり、与えられたスタート位置は皆それぞれだと思います。
だからこそ、恵まれた環境と能力を持つ人々が、恵まれない人々を助ける長友選手のような「行動」が社会全体に追い風をもたらし、「平等」な社会の実現を近づけるのだと思います。
算数の授業を終え、家に帰り一息ついたところで、ツイッターを開き、長友選手のツイートを偶然見かけました。
その時は、何も考えず「これに賭けてみよう!」と反射的に返信を送りました。
青年海外協力隊として西アフリカのベナン共和国で小学校の教員をしています。300万もいりませんのでサッカーボールやマーカー、ビブスなどを寄付していただけませんか。サッカーをしたこともない子供達に「あなたの夢は?」と聞くと「サッカー選手」と笑顔で答えるそんな子ども達です。#長友ドリーム
— 高田裕行@小学校教員 in ベナン🇧🇯 (@7hiroyuki9) June 20, 2019
長友ドリームを手にした男
そして、幸運にも長友ドリームで支援していただけることになったわけです。
これから私は「長友ドリーム」の実現に向けて動き出します。
ここで蒔いた種が、いつか花開くことを信じ、そして10年後か、20年後かに「長友JAPAN」とW杯で対戦するベナン代表を見る日をイメージしながら、この「夢のバトン」をしっかり繋いでいきたいと思います。
今後の動きについても引き続き発信していきたいと思います。
挑戦することに、遅すぎることはない
私の大切にしている言葉に「教員は素晴らしいものを、自分を通して生徒に伝える“媒介者”」というフレーズがあります。
「私」は子供達にとって一番身近な大人であり、私という人間の言葉を通して、子供達は世界を知ることになります。
だからこそ、自分が常に成長し続けなければならないし、アンテナは常に高く張ってきたつもりです。
私は今改めて見ると「ベナンに来てよかった」と思っています。アフリカでの生活を通して、知らない世界を知ることができたからです。
シャワーのない生活も、カルピスのような白い水も、キッチンのない家も、サソリがでる環境も、学校に行けない隣人との触れ合いも、全てが簡単なことではありませんでした。
日本との違いに戸惑うこともありました。悲しむことも、考えさせられることもありました。
しかし、「挑戦」したからこそ、この経験を「生きた言葉」で語れることができます。このチャレンジは一生私の「財産」として残り続けます。
私はこの「財産」を惜しむことなく、東京の子供達に与えていくつもりです。
私の「背中」を見て一人でも多くの子供達が自分の「生き方」について考えるきっかけを持ってくれたり、様々なことに「挑戦」することの大切さを実感してくれれば、最高ですね。
私はまだまだこれから。
ベナン生活も残り6ヶ月、全力で走り抜けたいと思います。
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