「トーゴってどんなとこ?」
と突然聞かれ、すらすら答えられる日本人はまずいないだろう。
エジプト、ケニア、南アフリカ、モロッコ、ガーナetc
これらの国々はなんとなくでもイメージを持てる人たちが多い。
しかし、トーゴに関しては頭をフル回転にしても導き出せるキーワードは皆無だ。
こういう場合、訪れたことがある人に聞くのが一番である。
すでにライターのYurikoさんがトーゴに関する記事を書いているが、彼女は
「西アフリカにあるガーナとべナンに挟まれた、フランス語圏の小さな国」
と的確かつシンプルに表している。
▽Yurikoさんの記事はこちらから
さて私ならトーゴをどのように表現できるだろうか。
“アフリカの笑顔”
と称されるトーゴでの旅を振り返りながら、答えを見つけてみよう。
トーゴに行くきっかけ。
それは仲良くしている後輩がトーゴについて話していた際の一言であった。
他にはないの?と聞くもののこれ以外、特に印象がないのだそうだ。彼にとっては地獄の印象しかないみたいである。
でも彼がこの、ご飯まずい×何もないというワードを私に与えてくれたおかげで、私の心はくすぐられ、トーゴの首都ロメに降り立つのであった。
首都、ロメ。
公用語はフランス語であるものの、ドイツが統治していた過去があるからか英語も少し通じる。
西アフリカ=フランス語圏というイメージを強く持っていたし、西アフリカ地域に滞在していた経験上、英語を話せる人は限られた人だけだと思っていた。
到着して一番驚いたことだ。
これからは西アフリカ=英語が通じない地域とは言わせないぞと心に誓う。
現地語で「小さな市場」を意味する首都は、世界でも珍しいガーナの国境沿いに街が広がる。
トーゴは南北に長い形をしていて、北部・中部・南部でそれぞれ違った気候を楽しめる。
北部は乾いた熱帯サバンナ気候、中部は砂漠の熱風ハルマッタンが吹くから気温は35℃まで上がる、南部は高温多湿の熱帯性気候。
面白いでしょと言わんばかりの笑顔で教えてくれたヤオが今回の私の旅を彩ってくれる。
ヤオとの出会い。
彼との出会いは名前も分からない海岸でのんびりしていた時である。
”ほんとうに何もないな”と思いながら海を見ていた時に声をかけてきたのがヤオだった。
べナンで学生をしている彼は休暇中でトーゴに戻ってきており、私を偶然見かけ声をかけてみたと言う。
”新たな出会いの予感―!!!”
と思ってときめいた私だが、彼はお小遣い稼ぎをしたかったようだ。
観光よりも…
ともかく5日程という短い時間ながらも彼が知っているトーゴを案内してくれた。
昔から変わらない伝統的な暮らしを体験できるクタマク。
ちょっと不気味なブードゥー教市場。
食料品から宝石までなんでも手に入る巨大な市場。
訪問しなかったけれどケニアに負けないくらいの国立公園もあるようだ。
でも、彼が案内してくれる観光地よりも
一緒に魚を捕ろうと声をかけてきてくれた人、
罰があたるのではとひやひやした呪術用品で遊ぶ人、
地元の学生たちのお腹を満たしている人気サンドイッチを販売している人、
伝統の踊りを受け継ぎ、観光客の私に見せてくれた人。
その人たちの表情に見とれてしまった。
アフリカに住んでいるからではなく、子供だからではなく、貧しいからではなく、彼ら一人一人のストーリーが表情にあふれていた。
そんな彼らが自身のストーリーを共有してくれたので、トーゴの素敵な場所とともにちょっとだけ紹介したい。
つづく。