レソト教育大学の授業に参加してみた。最貧国に住む若者らの悩み-渡邊莉瑚

こんにちは、Palesaです!!今回はレソトの教育についてお話します!

 

レソト教育大学で授業に参加させてもらった

私がレソトにいたときは青年海外協力隊の田保さん(仮名)にお世話になっていたのですが、その田保さんがレソト教育大学で働いていたので、私もその大学に通って特に歴史や社会開発の授業に参加させてもらっていました。

 

まず、授業の様子なのですが、レソトではキリスト教徒の人がほとんどなので、朝1限の授業は賛美歌を歌うことから始まります。神様に感謝してそれから学校の1日がスタートです。

 

教室には無造作に椅子と机が置かれています。椅子と机の数が合っていないのもお構いなしで授業が始まります。

レソトの視点から世界史を見直す

歴史の授業はレソトの歴史とレソトの視点から見た世界史を見直すことができてとても勉強になりました。中でも一番興味深かった歴史の授業は、西洋がレソトにもたらしたものというトピックでした。

 

先生はこう言いました。

 

西洋がレソトに持ってきたもの、それは本とお金。すなわち聖書と資本主義。良いものと悪いもの両方持ってきたの。なぜならお金はすべての不幸のもとだったから。お金のせいで争いや戦争が起き、人が死に、分断され、格差ができた」と。

 

レソト王国は実は最貧国の一つです。働いても満足なお金を得られない、そもそも働き口がない、という社会問題をこの言葉は反映しているように感じました。

放課後に知ったリアルな悩みから、レソト社会を見る

また、授業以外の時間に大学で仲良くなった子たちと卒業後の進路について話すことも多かったのですが、ほとんどの子が悩んでいました。

 

というのも、レソトには先ほど言ったように働き口がないという社会問題があるからです。

 

レソト教育大学はその名の通り、教員になるための大学なのですが、この大学を卒業しても教員をほとんど募集していないので教師になることができないのです。

 

加えて、教師の給料が低いという問題もあります。

 

レソトでは教員が十分な給料が得られないという理由でボイコットを起こし、学校が閉鎖されることが何回もあります。私がレソトを訪れたときもちょうど教員がボイコットをしており、公立の学校はお休みになっていました。しかもそのボイコットは長い時だと2ヶ月ほど続きます。

 

教員の方に話を聞くと、政府は規定のお金を払ってくれないから払うまで学校へは行かない、そして給料も少なすぎるから上げてもらわないと困る、と不満を漏らしていました。

 

確かにレソトでは、物価は年々上がっているのに給料は上がっていないという現状がありました。

 

しかし、この教員ボイコットは同時に子どもが学校に行けないということを意味します。

 

先生の権利、子どもの学ぶ権利。どちらも同等に大切ですが、教える立場の先生が自分の生徒の学ぶ場をなくしてしてしまっている。もちろんそれは先生の責任ではないのですが、そこに葛藤を感じている先生もいました。

 

 

今回は最終的にレソトの社会問題の話になってしまったのですが、少しでも皆さんがレソトについて知っていただけたら嬉しいです。

 

次回はレソトの田舎にあるHa Sekantsiという村での生活について書きたいと思います。

 

次回もまた読んでいただけると嬉しいです!!それでは今回もありがとうございました!!

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