クラウドファンディングで350万円調達!デニム業界にデビューから一気に切り込みをかけた祇園涼介(ぎおん りょうすけ)、そしてAll About Africa管理人にして、法人化したTokyo Africa Collectionで取締役も務める稲川雅也(いながわまさや)
彼らは共に1995年生まれの24歳、そしてアフリカに魅せられ人生を突き動かされてきた者同士でもある。
そんなアフリカ若手の筆頭とも言える2人の対談がついに実現!
経歴が濃すぎる2人の対談のファシリテーターを務めるは、Korinです。
この記事の目次
クラファン350万円超えでフィニッシュ。旅人を歩かせるジーンズ JOURNEY-ARMOUR
『いまだかつてない、旅人を歩かせるジーンズ』どこにでも簡単に行く事ができる今だからこそ、自分の足で稼ぐ情報が何より大切。そんな思いからJOURNEY-ARMOURは誕生した。鉄板のように硬く、肌触りはコンクリート、鋼の鎧のような装着感。しかし、履けば履くほど生地が体に馴染み、柔らかくなっていくという不思議な特徴を持つ、まさに怪物ジーンズ。だから名前は「JOURNEY ARMOUR(旅の鎧)」
「まずはクラファン達成おめでとうございます。いや~すごかった。自分はアフリカ縦断中に見たんですが、痺れました、、。本当にかっこいいプロジェクトだ。」
「マサヤ君、一日中ずっとカッコいい、カッコいいって何度も再生してたのよく覚えているよ(笑)」
「ありがとうございます。嬉しいす。」
「何よりこの動画にやられました、、。」
「イメージ戦略というか、ヴィジュアル的なアプローチが本格的ですよね。目で見てわかる、読まなくてもわかるって時代にすごくフィットしているなって。クラファンの成功もそういうところって関係あると思いました? 」
「とても意識してやっていることですね。 あれも撮影も編集も全部あわせて5日間くらいでやってます。」
「あの撮影はどこで? 」
「あれは中国地方とか四国とかをメインでやってて。鳥取砂丘とかも行きました。 」
「あ、あれ国内だったんですね。スケール的にてっきり海外かと思っていました!目が離せない、、。」
でもこれアフリカ関係ないよね?
「でもぎおんさん、あなたアフリカジーニストですよね?ジャーニーアーマーはアフリカ関係なくないすか?どうなってんすか?」
「ジャーニーアーマーは、アフリカデニムプロジェクトの途中にできた偶発的なプロジェクトで、本来はアフリカユーズドを使ったアフリカデニムプロジェクトやろうとしていたんですよ。でも、色々あって足踏み状態になっちゃったから。映像制作も出来ないまま、一度ストップせざるを得なくなって。だから結果的にジャーニーアーマーが先に世に出たという形なんです。」
「じゃぁ、ジャーニーアーマーはハプニングからの起死回生プロジェクトだったんだ。」
「そうなんです、でも前からやりたいなあとイメージはあったんですけどね。」
「じゃぁ、そもそもやりたいこととしては本当にアフリカデニムのプロジェクトだったんだ。疑ってごめんなさい(泣)」
「そうですよ!(怒)気持ちというか本筋はやっぱりアフリカにあって。だからデニムのロットナンバーも201がジャーニーアーマーで、101はアフリカのためにとってあるんですよ。」
「おーーー良いエピソードいただきましたよ、それ!笑」
「じゃぁ、つぎのプロジェクトは101で進む可能性が高いんすね。」
「そういうことですね。 」
原料からこだわるアフリカデニムプロジェクト
「最終的にはやはりアフリカデニムプロジェクトをやりたいと思ってるということですが、どんなことを考えているんですか? 国とか決まってるんですか?」
「いや、そこは特に国に拘っているわけではないですね。ただ原料をいちから、アフリカ調達ってことも考えてます。 」
「ぶっちゃけアフリカ界隈のマテリアルってアフリカンプリントのパターンだけで、正直どこまで本当にアフリカンファブリックなのか、って問われると結構難しい部分てあると思うんですよね。」
「プリント自体は最近中国でやっていることも多いしね。」
「そうそう。アフリカンプリントもすごく素敵だし可愛いって思うけど、やっている人たちも多いし、かつ日本で男性がきるものって全然ない。実際、私持ってないんですよね、アフリカ服。」
あえて「アフリカ」を押し出さない。
「僕も“アフリカ”を前面におしだしてやっていくつもりはもともとなくて。まずは一番最初にブランドとしてカッコいいかどうかがきて、そのあとに興味をもってくれた人の導線・導入として次にこれはアフリカ原産のものをつくっていてという流れがいいと思っています。だから、アフリカを助けるための商品だから買ってねっていうやりかたはしたくない。この商品を買うと売りあげの数パーセントが還元されるからっていう売り方は個人的に違うかなって。」
「それは、完全に私が常々思っていることと同じですね。それこそTokyo Africa Collectionのコンセプトが全く一緒で。」
Tokyo Africa Collection (東京アフリカコレクション)は、2016年に有志団体として設立され、2019年に株式会社東京アフリカコレクション(本社:東京都品川区)として登記したファッションショー運営団体。アフリカ各国の日本では知られていない魅力を、日本の10-20代のアフリカ無関心層に向けたブランディング・キャスティング・企画演出の下行われるファッションショー「Tokyo Africa Collection」を通して伝えていくことを目的としている。アフリカの伝統衣装や音楽を取り上げるのではなく、アフリカ各国の魅力を反映したオリジナルの衣装を制作し、10-20代の若年層のニーズを反映したモデルキャスティングや演出に力を入れている。
「チャリティーや国際協力としてやるつもりは全くない。でもエンターテイメントこそ一番力を持っていると思っているから、というか『ダサいか、カッコいいか』が入口だと思っているから、そこからどれだけ興味をもってくれる人が増えるかが大事だと思ってる。硬い界隈の人はどうしても深さを追求してしまう傾向にあるけれど、そもそもアフリカをマスにどう届けるかっていうところが抜けている気がする。 」
「興味ない人にとってみればアフリカなんてどうでもいいですもんね。」
「そう、どうでもいいし、好きな人だってめちゃくちゃ少数なんですよね。」
「“これでアフリカのお母さんたちが助かります”っていう売り方をする限り、可哀そうなアフリカっていうイメージは絶対に消えない。それは、私たちがやろうとしている本当にカッコいいアフリカ発信には繋がらないんだよね。でも、やっぱりブランド・マテリアル・デザインありきで勝負をしたら究極アフリカって言わなくても商品を買ってもらえるし、アフリカだから、助けになるから、多少の品質は目をつぶって買ってって言い訳みたいにしたくない。」
「商品タグでアフリカに気づくくらいでいいよね。 」
「そうなんだよ。何回か洗濯して、干した時にたまたま『あれ?よくみたらこれアフリカって書いてあるじゃん』みたいな。 」
「そうそうそうそう!そうなんですよ。わかるわーーーーーー(笑) 」
「(笑)国際協力とか支援が絶対に必要なことは前提で、ただそれは自分のやり方じゃないと思ってる 。」
「ずっと支援だ支援だってイメージを日本側で一方的にもっていても仕方にないしね。だから、最初に立ち上げたアフリカユーズドのデニムも支援っていう形でそもそもスタートしていないんですよね。正直そこは誰でもいい。ただ、生活スタイルってその人たちそれぞれで、その影響や違いがデニムに色濃く出るんですよね。そこをアートみたいなイメージで打ち出したい。」
アフリカはユーズドデニムにとって世界最高の環境なんです。
「アフリカの環境がデニムを色落ちさせるには世界最高の環境なんですよ。デニムの色のインディゴが落ちるのが汗と汚れと紫外線。それがバチバチにあって、一着をずっと着続けるのがアフリカ。とくに東アフリカ、ケニアとかエチオピアって本当に最高の環境で、 標高が高いところが基本的にはよくて、というのも気温が高いとやっぱりデニムを履き続けるのは難しいんですよね、暑いから。そういう意味では、年間通して平均気温が20度とかだから年中デニムを履き続けることができる。かつ紫外線はバチバチに強いっていう、世界でこれ以上かっこよく色おちする場所はないだろうっていう環境で。でも、世界中に”ジーンズマニア”っていますけど、僕がインスタとかでチェックしている限りまだアフリカにそいういうマニアっていない、だから、そいういうアフリカに生きる人々の生き様をアートとしてデニムに投影したい。いつかそういう人生を刻み込んだデニムのアート展とかもやりたいなって思ってます。あと、最終的なイメージはそのユーズドを買ってくれた人と現地の人をつなげたい。」
「(急に語るなあ、、)じゃぁ、デニムをユーズドにする環境がアフリカが一番良いてことなんだ。」
「そうです、世界で一番かっこいいユーズドを作ろうと思うと、それはアフリカだろうって僕は思っています。 」
「ユーズドになるんじゃなくて、それを創るって面白いね。それはジャーニーアーマーのデニムを持っていくってこと? 」
「いや、違います。そこはアフリカの綿花を使ったデニムを作ります。実は今もうサンプルは出来てて、ジンバブエの綿花をつかったやつなんですけど。まだ試作段階なので、それでいくかもまだ未定です。究極は綿花から自分の足で調達できたら最高だなって思ってます。いまデニムを預けているエチオピアの村の名前が偶然なんですけどギオンっていうんですよ。だからそこにはやっぱり運命的なものを感じているのもあって。プロジェクト名とか今後考えていく上では使ってもいいなって思ってる。デニム業界自体も今は縮小傾向で、各事業者が何かしなきゃって施策を巡らせている。そこには、アフリカの綿花に興味をもってる篠原テキスタイルさんっていう生地屋さんとかもいて。いまそっちではブルキナファソの綿花使って、生地の生産しようとしてて。」
「その綿花を日本に輸入している人たちがいるってことだ。」
「そうですね、ブルキナファソの綿花のデニム生地をもとにワンピースとか、デニムのシャツとかの展開も考えてます。でもそもそも、メンズとかレディスとか分けるつもりもないので、日本ではデニムのワンピースはまぁ女性が買うんだろうなとは思いつつも、そこはあえて男女両方にモデルとして着てもらおうと思っています。」
「着るもんね、丈の長い服、アフリカの人って。」
「なかなかないよね、本当にゼロから素材にこだわって作ってるっていうアフリカブランドって。既製品のアフリカ布を使っての展開はたくさんあるけどね。 」
「そうですね、自分の場合はアフリカの原料を使ったコレクションラインを作ろうと思ってます。高級ラインでやっていきたいなって。いまセルビッチのあるデニムってどんどんなくなってて。この赤いラインが出るやつなんですけど。これは、結構古い織機を使わないと表現できなくて。」
「上の写真みたいな織機をつかって生産します。でもこれを使うと最近の織機のような効率での生産は出来ないから、値段も高くはなってしまうんですけど、そこはやっぱりこだわってやっていきたくて。 この赤のセルビッチの部分をブルキナファソの国旗の色で再現しようと思って、ちょうど最近出来上がったんですよ。 ユーズドの商品はまだまだ計画段階で全然世にはまだ出せない。素材作りとかもどんどん進めていきたいなって思ってるんですよね。」
そもそもぎおんって職人なの?
「そもそも、ぎおんさんはデニム職人なんですか?」
「いや職人というよりかは、デニムプロデューサーですね、強いていえば(笑) 」
「デザインとかはいつもどうしてるの?」
「デザインはもともとデニムが好きなんでしょっちゅういろんなデザインをチェックしてて、そういう自分の好きなコレクションとかからインスピレーションを得てますね。というか、Tokyo Africa Collectionにデニムは使わないんですか? 」
「そういえば使ったことないですね。衣装はデザイナーが手作りでやってるんですけど、デニムはまだやってみたことないですね。」
「もし誰かデニム使いたいって人いたら、提供しますよ!」
「もし今年ブルキナファソテーマとかあれば、ぜひやりたいですね。コラボやりたい。今回のコレクションからは、アフリカのプロのデザイナーやモデルの人たちを日本に呼んでくるので、むしろそういう人たちに素材提供とかできたら、もっと面白いことになりそうですよね。 」
「物が間違いなくいいから日本のデニム職人が作った素材を、アフリカのプロのデザイナーさんが手がけたらどうなるのかって、すごいワクワクしますよね。」
ジャーニーアーマーの新ムービーが凄すぎた!
「クラファンで集めた資金を元手に、モンゴルでドローンとかつかって撮影してきました。 」
(鑑賞終了)
「すごすぎ!やば!(語彙力)これはもう完全に映画だ! 」
「この動画撮影している人も若手の人ですか? 」
「同い年ですね。もともと新卒で入った会社の同期で、最近彼もフリーで活動するようになりました。」
「マジか。センスありすぎる。これはもう本当に才能だね。(動画に出てくる馬のシーン)馬とかこういう演出ってどうやってやったんですか? 」
「これはもうその辺にいる馬を、良い動画とるために何時間も待機して撮影しましたね。」
「こだわりと技術がやばすぎる・・・」
「超大作ができましたね。笑」
「これはもうトレイラーだね、プロだね。」
「フリーになった彼も最近デニム界隈から仕事もらえるようになってきて。」
「いやTokyo Africa Collectionでも外注したいってほんとに思いました。」
「ぜひ、面白いことそっちでもできたらいいですね。」
「もう言葉がないです、本当にこれは素晴らしい。感動しました。」
「いやぁ、もう本当に話が尽きないよね!Tokyo Africa Collectionとぎおん君のコラボとか本当に見てみたいし!今回は主にぎおん君のプロジェクト、そしてマサヤ君の取り組んでいることにスポットあてて話してもらたんだけど、次回はもっとお互いの個人的なことをガンガン掘り下げていきたいなって思います!きっと相当面白い話出てくると思うんだよ…」
第2弾はこちら☟
最後に、語彙力が足りなくなるほどカッコいいアイキャッチを作ってくれたのは、この彼です!
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