大学在学中アフリカについて専攻し、タンザニア・ルワンダ・モロッコへの渡航履歴を持つ吉川ますずさん。
インターンや旅行を通して気付き学んだこと、そしてそれらを自分の人生にどう昇華させていくのかを綴る、新連載です!進路に悩む高校生・大学生必見です!
本当はどういう場所?
「アフリカを歩く時は、常に5,6人から見られてると思って行動してね!」
タンザニアについて、初めてインターン先のオーナーに言われた言葉が忘れられません。
私が泊まっていたホストファミリーのお家から、インターン先のレストランまでは歩いて5分くらいでしたが、初めて一人で歩いた時は「緊張」でいつもの3倍くらいの速さで歩いていたと思います笑
オーナーに言われた通り、本当に自分が歩くと注目されました笑
こんなにも注目してもらえることなんて日本ではないので、ある意味ハッピーですね笑
でもこの時はすごく怖かったです。現地のガイドから追いかけ回されたこともありました笑
- 「あの人は安全かな?」
- 「バイクにぶつからないようにしなきゃ」
- 「ここに長時間いたらハマダラカに刺されるかも」
- 「あそこにいるのが変な集団だったらどうしよう」
とか、ありとあらゆる妄想が浮かんできました。
そして、そんな自分を残念に思いました。
「大学で、他社の文化の尊重や、異文化理解について学んでいるのに、自分自身が一番偏見を持ってしまっているのではないか」と気づかされました。
一方で、タンザニアで過ごして1ヶ月が経つと、その「非日常」はすっかり「日常」として自分の中に染み込んでいました。
アリが歩いているお砂糖を食べたり、スイカの種を道端に飛ばしながら歩いたり、前から歩いてくる人には誰にでも挨拶したり、待ち合わせには遅れて行ったり。
出稼ぎに来ているマサイ族の人たちとも仲良くなりました!!!
どれも自分にとって当たり前になっていました。(ある意味、慣れって怖いなと思います笑)
これは嬉しかったことでもあるのですが、沢山の現地の方が、物珍しさからか、セールスのためからか、次々と「JAMBO」と話しかけてくれるので、いつも3倍くらいの時間をかけて、職場まで歩いていました笑
なぜ時間に来ない?
日本人が海外で感じるギャップとして、「時間」が挙げられます。
私はある日、スタッフの1人と出かける約束をしていたのですが、時間になっても彼女はやってきませんでした。よくある話ですね笑「時間はちゃんと守りたい!」というタイプの私は、多少なりともイライラしてしまったのですが、数分経って電話がかかってきました。
正直、「本当かな…。これだからアフリカは…」と思ってしまいました…。
とりあえず待つしかないので、待ち合わせ場所に立っていると、妹や弟を連れ、沢山の荷物を持って彼女は現れました!その子供たちが本当にかわいい!!!
その時、私はどうして彼女のことを理解してあげられなかったんだろう…とすごく後悔しました。
アフリカでは、やっぱり「家族」を大切にする文化が根強いと思います。他のスタッフも「オフの日は兄弟の世話を見るよ〜」と話していました。
「家族を大切にする」という彼らの文化を、もっと理解し、尊重しようとする姿勢を持てていればこんな気持ちにはならなかったのではないかと感じます。
別世界??
帰国してからタンザニアでの生活を振り返り、あれは別世界だったのかな…と考えるようになりました。あれだけ「日常」として染み込んだものも日本に帰ると、遠いものに感じてしまいます。
ある日、在日アフリカ人と働く日本人の方とお話しする機会がありました。その時に、「タンザニアはどうだった?」と聞かれ、「最初はすごく怖くて…」というようなことをお話ししました。
すると…「日本にいるアフリカ人は、いつもそう感じながら生きているってことだよね。」と言われ、ハッとさせられました。
私は、よくこのタンザニアでの経験を人に話すとき、「自分がその時に怖かった」という経験を話していただけで、逆の立場で考えることができていなかった、と反省しました。
ここでようやく、帰国してからも全くの別世界と感じていたアフリカが身近になった感覚がありました。初めて「自分自身と同じなんだ」と分かり、「アフリカに対するマイナス」のイメージをすべて払拭できたような気がします。
辛い思い出?楽しい思い出?
私が4年間の大学の講義の中で、一番納得させられたのが「アフリカ文化論」という授業で教授がおっしゃっていた言葉でした。
その日の授業では、アフリカの昆虫食について学んでいたのですが、お昼前の授業ということもあり、「気持ち悪い」とか「絶対無理」とかいう言葉が教室に聞こえていました。
その中で、教授は「異文化理解では、他文化を否定するのではなく、自文化と重ね合わせて、共通点を見つけることが大切!」とお話されました。何気ない一言だったのですが、この言葉は、私のタンザニアでの学びや、帰国後の学びを明確に言い表しているな!と思いました。
つまりは「相手の視点で考える」ということです。異文化を否定するのではなく、自分と身近に考えることで、「文化の違い」も「楽しい思い出」に変えられます!
これは、アフリカでの実体験と日本での学びが繋がった瞬間だったと思います。
さて、今回の問いは
「アフリカと日本は本当に別の世界ですか?」
ぜひあなただけの答えを見つけてみてください。
そういえば、この満員バスも楽しかったなぁと思い出します…。
次に繋がる!