これに加えて、現地の小・中学校と連携し、主に経営改善を行った農家の子どもを対象に、夢を持つことの重要性を理解してもらうワークショップを開催する予定です。
将来的には、子どもたちの夢のための財団を設立し、彼らの夢を資金面からサポートすることも目指したいと考えています。
クラウドファンディングへの挑戦を通じて、ベナンの美味しいパイナップルのこと、そして、そのパイナップルの裏側にあるベナンの現実を一人でも多くの人に知ってもらい、応援いただけたら嬉しく思います。
どうぞよろしくお願いします。
この記事の目次
このプロジェクトの主催者
早稲田大学商学部卒業後、国際石油開発帝石株式会社にて海外原油の販売に携わる。カナダ駐在を経て独立。
現在は早稲田大学国際戦略研究所招聘研究員の傍ら、パイナップルの美味しさに惚れ込み、西アフリカベナン共和国で農業商社Small Soldeを設立。Exective Strategic Officerとして経営に参画している。
大学在学中からアフリカでのNPO活動に関わり、日本語学校ボランティア、学生交流事業の主催、グローバルフェスタなどでの広報活動、スタディーツアーを実施してきた。
2016年の第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)では、外務省公式サイドイベントを担当。ケニアのジョモ・ケニアッタ農工大学で、アフリカ初の日本人が関わるビジネスコンテストを立ち上げた。
共著に「アフリカに生きる-アフリカを選んだ日本人たち-」(カナリアコミュニケーションズ)
ベナンのパイナップルはとっても美味しい!
初めてベナンの地に降り立ったのは大学1年生の春休み。
そこで、世界一美味しいと感じたパイナップルに出会ったのです。
その後世界の様々な地に赴きましたが、これを超えるパイナップルに私はまだ、出会ったことがありません。
「いつかこれをまた日本で食べたい」
「日本の皆さんにもこの美味しさを知ってほしい」
そう思った10年前のあの日、「ベナンのパイナップルをいつか日本に持って行きたい!」と心に決めたことが、私がアグリビジネスを始める種となり、現在に繋がっているのです。
Give me MONEY!という子供をなくしたい
実はベナンのパイナップルの価格はとても安いのです。
かつてフランスの植民地であったこともあって、主にフランス中心の欧州勢が廉価でパイナップルを買いたたくということが背景にあります。値段が安い、ということは消費者にとっては悪いことではありません。
しかし、生産者であるパイナップル農家の方々にとってみれば、収入が少ないということは生活を脅かすものにほかなりません。ベナンでは初等教育の就学率は男子100%、女子88%に上ります。アフリカの中では非常に高い水準です。
しかし、中等教育になるとこの比率はぐっと落ち込み、男子49%、女子は41%になります。国民所得は世界197位。中等教育を受けないと、安定的な職を得ることが難しくなります。
正確な統計は存在しませんが、私が関わっているパイナップル農家では、学校に行ける、家業以外の夢を持つことのできる子どもは、統計よりもさらに少ないと感じています。
中等教育への就学が実現せず、家計のために仕事をしなさいと言われる。そこで悲しい勘違いをするのです。
「そうか、お金がいちばん大事なんだ」と。
子どもたちから中等教育への進学の機会を奪うことは将来の夢を奪うことでもあり、外国人を見つけると「Give me MONEY」!と声掛けをしてしまうような、貧困の負の循環を生み出すことになってしまうのです。
佐藤さんの取り組み
このような現実を変えていかなければいけない。
アグリビジネスを行い、農家と向き合ってきて切実にそう感じてきました。こうした状況を踏まえて、当社では、以下のような取り組みをしています。
市場の1.5倍ほどの値段で原材料を農家から購入する
家庭に入ってしまっている女性と業務委託契約を結ぶことで女性が働く環境をつくり、家庭の経済環境を安定させる
パイナップル農家近隣の小学校と連携し、「夢」をもつことの素晴らしさを伝えるワークショップを8回開催する
しかし、現実を変えていくためには、1企業の地道な努力だけではとても足りません。
こんなに美味しいパイナップルがベナンにはあって、そのパイナップルの影にはこんな現状があるのだということを、もっとたくさんの人たちに知ってもらうきっかけを作る必要がある、とずっと思っていました。
その実現のため、今回のクラウドファンディングへの挑戦を決意した次第です。
支援金の使い道
1, 耕作機の導入
農家の経営安定化・効率化は農家に経済的な安定と人手の削減を可能にします。
そうなれば、経済的にも時間的にも子どもたちが、学校で学ぶ余裕が生まれます。これまで手作業で行っていた耕運作業を機械化し生産力を向上させることで、このような好循環を生み出す子ができると考えています。
一台当たり15万円程度で輸送費用など入れると90万円ほどかかる見込みのため、まずは、3台の導入を検討しています。
2, 現地4カ所の小・中学校でのワークショップの開催
現地の小・中学校と連携し、夢を持つことの重要性をアフリカ人起業家を講師にワークショップを実施します。
起業家が自身で稼ぐことの面白さを伝え、夢を持つことで、教育を諦めないマインドを子どもたちの中に醸成します。このワークショップは約10人のスタッフによって運営しています。
スタッフの交通費や人件費・会場台などで約100万円かかります。
3, 日本とベナンを繋ぐ情報発信
日本の皆さんにベナンのパイナップルのおいしさと、その背景を理解していただく情報発信を行う。
日本の皆様にも実際にパイナップル農園の一口オーナーになっていただきます。
農園をサポートし、そこで獲れたパイナップルが製品になる喜びを共に分かち合い、さらに子どもたちの夢をサポートするプロジェクトに参加していただけると嬉しく思います。
未来につながるプロジェクトを目指して
パイナップルジュースの販路を日本に拡大- 子ども達の夢を応援する奨学金制度の創設へ -
パイナップルよりも、ジュースなどの加工品の方が市場では高く売買されることもあり、私たちもパイナップルジュースづくりにトライしています。試行錯誤を科重ね、この製品は十分日本でも通用すると確信をしております。
既に、パイナップルジュースをお店で出してもいい、と言ってくださっている飲食店の方もおり、より多くの方に知って頂けるよう今後も努力を継続していきたいと思っています。
このジュースの販路を日本国内で拡大し、将来的にはその収益の一部で子どもたちの夢を応援する奨学金制度を創設したい、というのがいまの私の大きな夢、このプロジェクトの最終ゴールでもあります。
プロジェクト終了後も、彼らの生活は続きます。
今回のご縁をきっかけとして、末永くベナンの子どもたちと私たちの活動を温かく見守っていただければうれしく思います。
みなさまの応援、どうぞよろしくお願いいたします。