第19回【名詞クラス編①】これぞスワヒリ語の真髄!?

スワヒリ語の名詞クラスって何?
もっとスワヒリ語を知ろう!!

こんにちは。ALL ABOUT AFRICAスワヒリ語学習室です。

今回はスワヒリ語の「名詞クラス」というものについて学習します。

全ての名詞はクラスに分類される!?

スワヒリ語の名詞は15個のクラスに分類されます。
実際には、1~18までのクラスがありますが、12,13,14クラスは欠番となっています。
全ての名詞がクラスに分類されるとはどういうことか。
例えばこれまで何度も出てきたmtoto(子供・単数)という単語。この単語は1クラスに分類されます。mtotoの複数形であるwatoto(子供たち)は2クラスに。
mtu(人・単数)という単語も1クラス。watu(人々・複数)は2クラスに分類されます。
何か規則が見えてきませんか??
そうなんです、m-から始まり、生き物の単数形を表す単語は1クラスに。そして、wa-から始まり、生き物の複数形を表す単語は2クラスに。
このように多くの単語は、形を見ればそのクラスがわかります。しかし、例外もあるのでどのクラスに属するかは覚えなければなりません。
今回は、1クラスから6クラスまでを見ていきましょう。

1クラス(m-/mw-:単数形)・2クラス(wa-:複数形)

 

1クラス( m/mw- : 単数)2クラス( wa- : 複数)意味
mtotowatoto子ども
mwalimuwalimu先生
mwanafunziwanafunzi生徒
mswahiliwaswahiliスワヒリ人
mjapaniwajapani日本人
1クラスの名詞はすべてm-/mw-から、2クラスの名詞はすべてwa-から始まります。
このクラスの単語は人物を表しますが、例外として、mnyamaーwanyama( 動物 )とmdudu-wadudu( 虫 )があります。

 

 

3クラス ( m-/mw- :単数形)・4クラス ( mi- :複数形)

 

3クラス( m-/mw- : 単数)4クラス( mi- : 複数)意味
mkatemikateパン
mtimiti
mjimiji
mkekamikekaゴザ
msikitimisikitiモスク

 

3クラスの単語はm-/mw-から始まり、4クラスの単語はmi-から始まります。
表からわかる通り、このクラスに属する名詞をひとくくりにすることはできませんが、自然に関する名詞が多いと言われています。

 

5クラス ( ji-/ ∅:単数形)・6クラス ( ma-:複数形)

5クラス( ji-/ ∅ : 単数)6クラス( ma- : 複数)意味
jiwemawe
jichomacho
gazetimagazeti新聞
yaimayai
-maziwaミルク
-maji

 

5クラスに属する単語はji-から始まるか、あるいはこれまで見てきたような共通した接頭辞(名詞の一番初めの文字)を持たないものもあります。
6クラスに属する単語はma-から始まります。maziwa(ミルク)やmaji(水)のような数えられない単語には、5クラスが存在しないものもあります。

 

・Wewe ni mwanafunzi. Wao ni walimu.  ( あなたは学生です。彼らは先生です。)
➡  mwanafunzi = 1クラス(単数形)
walimu = 2クラス(複数形)
・Nilinunua mayai mawili na mkate mmoja.  (私は卵2つとパンを1つ買いました。)
➡  mayai = 6クラス(複数形)
mkate = 3クラス(単数形)

 

第19回はこれで終わりです。みなさん、ここまで見てくれて、Asanteni sana! どうもありがとうございました!

次回はスワヒリ語の時制について学習します。
それでは Kwa herini! さようなら!

 

Maneno muhimu = 重要単語
mdudu = 虫(単数) / mnyama  = 動物(単数) / mji  = 町(単数)/ mkeka = ゴザ(単数) / msikiti = モスク(単数) / jicho = 目(単数)/ gazeti = 新聞(単数)

 

小森先生のアドバイスコラム
小森淳子 : 大阪大学外国語学部スワヒリ語専攻・教授

「名詞クラス」は、スワヒリ語文法の中で、重要な特徴の一つです。スワヒリ語の名詞は、語頭の「接頭辞」の形によって、いくつかのクラスに分かれています。たとえば、kijiko「スプーン」や kikombe「コップ」は、ki- で始まっているから「ki クラス」の名詞、というわけです。(スワヒリ語学では、名詞クラスに番号をつけて呼ぶので、ki クラスは、7クラスとも呼ばれます。)

ki クラスの名詞の複数形は vi クラス(8クラス)になります。vijiko「スプーンpl.」や vikombe「コップpl.」のように。

「子ども」とか、「日本人」とか、「人」を表す名詞は、だいたい m- で始まっていて、その複数形は wa- になります。だから、mtoto 「子ども」(1クラス)、watoto「子どもたち」(2クラス)となるし、Mjapani「日本人」、Wajapani 「日本人たち」ということになります。

「名詞クラス」は、名詞が、語頭の接頭辞によって、いくつかのグループに分かれることですが、「名詞クラス」の重要さは、その名詞を修飾する単語、たとえば形容詞とか指示詞とかも、形を変えてしまうというところにあります。

たとえば、「コップ」のkikombe は7クラスで、ki- が接頭辞ですね。そうすると、7クラスの名詞を修飾する形容詞にも、この ki- がつきます。「良い」という形容詞は -zuri ですが、「良いコップ」と言いたい時は、kikombe kizuri となります。

じゃ、「良い子ども」(mtoto)は?

そうです、mtoto mzuri となりますね。

「良い子どもたち」(watoto)は?

Ndiyo! (Yes!) watoto wazuri ですね。

「この」という指示詞も、クラスによって形を変えます。

「このコップ」は、kikombe hiki.
「この子ども」は、mtoto huyu.
「この子どもたち」は、watoto hawa.

指示詞の場合は、形容詞ほど簡単ではないですね。
hiki とか huyu とか、どうなってるの? これ、全部、覚えるしかないの?

はい、そうです。

でも、まぁ、あんまり面倒くさいなら、9クラスの「これ」、hiiを代表させて、全部hii ですませちゃう、っていうのもありですが。

ちょっと、ネィティヴには、変に聞こえるけどね。日本語で例えれば、

「1冊の本」、「2台の車」、「3本の鉛筆」、「4枚の紙」というのを、外国人が全部、
「1コの本」、「2コの車」、「3コの鉛筆」、「4コの紙」って言ってる感じかな?

どの言語にも、「ちょっと覚えるのが面倒くさい」部分というのは、あるものです。

 

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