![第27回【方向・方角編】スワヒリ語で「右側」は?「まっすぐ」ってどう言うの?](https://all-about-africa.com/wp-content/uploads/2020/04/swahili-study_27.jpg)
道に迷っても誰かに聞ける!
方向・方角をマスターしよう
上下左右
1) juu
→「上」
発音: ジュー
1) chini
→「下」
発音: チニ
1) kushoto
→「左」
発音: クショト
1) kulia
→「右」
発音: クリア
よく使う単語です。まずはこの4つを覚えましょう。
「○○の上/下/左/右 」と言いたいときは、「○○ + -a (属辞) + juu / chini / kushoto / kulia 」と言えば大丈夫です。
(例)
juu ya meza 「机の上」
chini ya mti 「木の下」
mkono wa kulia 「右手」
mkono wa kushoto 「左手」
また、 upande wa kulia (kushoto) で「右側 (左側)」となります。これも重要!
▼第1回目のコラムはこちらから▼
東西南北
2) Mashariki
→「東」
発音: マシャリキ
2) Magharibi
→「西」
発音: マガリビ
2) Kusini
→「南」
発音: クスィニ
2) Kaskazini
→「北」
発音: カスカズィニ
ここで注意点です!
「○○の東 (西、南、北) 」という日本語、厳密に言えば二通りの意味がありますよね?
「北海道は日本の北にある」のように、「日本」という範囲内での「北」なのか、
「ケニアはタンザニアの北にある」のように、「タンザニア」という枠外にあるという意味での「北」なのか。
日本語では同じ「○○の (方角) 」でも、
前者は ○○ mwa (方角)、
後者は ○○ ya (方角) と表すんです。
真ん中の属辞の部分が違いますね。
役に立つその他の表現
第9回でもご紹介した表現も含まれています。
スワヒリ語 | 日本語 |
moja kwa moja | まっすぐ |
karibu na ~ | ~の近く |
kando ya ~ | ~のそば、わき |
ng'ambo ya ~ | ~の向こう側 |
nje ya ~ | ~の外 |
ndani ya ~ | ~の中 |
mbele ya ~ | ~の前 |
nyuma ya ~ | ~の後ろ |
-pinda | 曲がる |
では、会話例を見てみましょう!
会話例
A:Kituo cha basi kiko wapi? 「バス停はどこですか?」
B:Kiko karibu na kiosk. 「コンビニの近くだよ。」
A : Nielekeze zaidi. 「もう少し教えて。」
B:Nenda moja kwa moja, halafu upinde kulia. Kituo cha basi kinaonekana upande wa kushoto.
「まっすぐ行って、そして右に曲がって。バス停は左側に見えるよ。」
A : Asante. 「ありがとう。」
B : Karibu sana. 「どういたしまして。」
第27回はこれで終わりです。みなさん、ここまで見てくれて、Asanteni sana! どうもありがとうございました!
第28回は命令形をご紹介します。
誰かに頼みごとをするときは何て言えばいいのでしょう…お楽しみに!
それでは Kwa herini! さようなら!
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今回は、上下左右・東西南北・前後など、方向をあらわす重要な語句をたくさん学びましたね。「前」は mbele、「後ろ」は nyuma でしたね。ただ、この使い方、日本語と逆になる時があるのでご注意を。
たとえば、村を歩いていて、藁ぶき屋根の小屋が見えたとします。
その小屋の後ろに、大きな木が一本立っている風景を想像してみてください。
ほら、あの大きな木ですよ!
小屋の後ろに、大きな木が立ってるでしょ!
あれは、マンゴーの木なんですよ。
そんな感じを想像してくださいね。
「小屋の後ろに、大きな木がみえます」
この状況を説明する時、スワヒリ語では、
Naona mti mkubwa mbele ya kibanda.
と言います。
Naona(見えます)mti(木)mkubwa(大きい)mbele(前)ya(の)kibanda(小屋)
直訳したら「小屋の前に、・・」となりますね。
そうです、スワヒリ語では、このような状況では、木が小屋よりずっと先に、つまり前の方にあるという風にとらえるのです。
私 → 小屋 → 木
この順番で並んでいて、視線の先に木がある、つまり、小屋の前に木がある、ということになるのです。
日本語では、こんな風にはとらえませんね。
日本語では、私と小屋が対面しているようにとらえ、小屋の「後ろ」に木が控えている、そんな感じでとらえています。「私」対「小屋・木 連合」という対立的な図式でしょうか?
スワヒリ語は、木が先頭で、小屋、私の順に一列に並んでいる、という感じです。
なので、こういった場合に限り、mbele ya kibanda は「小屋の後ろ」と訳す方がいいということになります。
「視点」がどの方向を向いているのか、言語によってとらえ方がちがう、という興味深い例ですね。