
道に迷っても誰かに聞ける!
方向・方角をマスターしよう
上下左右
1) juu
→「上」
発音: ジュー
1) chini
→「下」
発音: チニ
1) kushoto
→「左」
発音: クショト
1) kulia
→「右」
発音: クリア
よく使う単語です。まずはこの4つを覚えましょう。
「○○の上/下/左/右 」と言いたいときは、「○○ + -a (属辞) + juu / chini / kushoto / kulia 」と言えば大丈夫です。
(例)
juu ya meza 「机の上」
chini ya mti 「木の下」
mkono wa kulia 「右手」
mkono wa kushoto 「左手」
また、 upande wa kulia (kushoto) で「右側 (左側)」となります。これも重要!
▼第1回目のコラムはこちらから▼
東西南北
2) Mashariki
→「東」
発音: マシャリキ
2) Magharibi
→「西」
発音: マガリビ
2) Kusini
→「南」
発音: クスィニ
2) Kaskazini
→「北」
発音: カスカズィニ
ここで注意点です!
「○○の東 (西、南、北) 」という日本語、厳密に言えば二通りの意味がありますよね?
「北海道は日本の北にある」のように、「日本」という範囲内での「北」なのか、
「ケニアはタンザニアの北にある」のように、「タンザニア」という枠外にあるという意味での「北」なのか。
日本語では同じ「○○の (方角) 」でも、
前者は ○○ mwa (方角)、
後者は ○○ ya (方角) と表すんです。
真ん中の属辞の部分が違いますね。
役に立つその他の表現
第9回でもご紹介した表現も含まれています。
スワヒリ語 | 日本語 |
moja kwa moja | まっすぐ |
karibu na ~ | ~の近く |
kando ya ~ | ~のそば、わき |
ng'ambo ya ~ | ~の向こう側 |
nje ya ~ | ~の外 |
ndani ya ~ | ~の中 |
mbele ya ~ | ~の前 |
nyuma ya ~ | ~の後ろ |
-pinda | 曲がる |
では、会話例を見てみましょう!
会話例
A:Kituo cha basi kiko wapi? 「バス停はどこですか?」
B:Kiko karibu na kiosk. 「コンビニの近くだよ。」
A : Nielekeze zaidi. 「もう少し教えて。」
B:Nenda moja kwa moja, halafu upinde kulia. Kituo cha basi kinaonekana upande wa kushoto.
「まっすぐ行って、そして右に曲がって。バス停は左側に見えるよ。」
A : Asante. 「ありがとう。」
B : Karibu sana. 「どういたしまして。」
第27回はこれで終わりです。みなさん、ここまで見てくれて、Asanteni sana! どうもありがとうございました!
第28回は命令形をご紹介します。
誰かに頼みごとをするときは何て言えばいいのでしょう…お楽しみに!
それでは Kwa herini! さようなら!

今回は、上下左右・東西南北・前後など、方向をあらわす重要な語句をたくさん学びましたね。「前」は mbele、「後ろ」は nyuma でしたね。ただ、この使い方、日本語と逆になる時があるのでご注意を。
たとえば、村を歩いていて、藁ぶき屋根の小屋が見えたとします。
その小屋の後ろに、大きな木が一本立っている風景を想像してみてください。
ほら、あの大きな木ですよ!
小屋の後ろに、大きな木が立ってるでしょ!
あれは、マンゴーの木なんですよ。
そんな感じを想像してくださいね。
「小屋の後ろに、大きな木がみえます」
この状況を説明する時、スワヒリ語では、
Naona mti mkubwa mbele ya kibanda.
と言います。
Naona(見えます)mti(木)mkubwa(大きい)mbele(前)ya(の)kibanda(小屋)
直訳したら「小屋の前に、・・」となりますね。
そうです、スワヒリ語では、このような状況では、木が小屋よりずっと先に、つまり前の方にあるという風にとらえるのです。
私 → 小屋 → 木
この順番で並んでいて、視線の先に木がある、つまり、小屋の前に木がある、ということになるのです。
日本語では、こんな風にはとらえませんね。
日本語では、私と小屋が対面しているようにとらえ、小屋の「後ろ」に木が控えている、そんな感じでとらえています。「私」対「小屋・木 連合」という対立的な図式でしょうか?
スワヒリ語は、木が先頭で、小屋、私の順に一列に並んでいる、という感じです。
なので、こういった場合に限り、mbele ya kibanda は「小屋の後ろ」と訳す方がいいということになります。
「視点」がどの方向を向いているのか、言語によってとらえ方がちがう、という興味深い例ですね。