
どんな家族構成なのか
スワヒリ語で聞いてみよう!
今回は、そんな家族の名称についてご紹介していきます!
きょうだいはいますか?
Una ndugu?
→「きょうだいはいますか?
(きょうだいを持っていますか)」
発音 : ウナ ンドゥグ?
返答例 1 : Nina kaka. (兄がいます)
返答例 2 : Sina ndugu. (きょうだいはいません)
(主語接辞) -na 〜 は「 〜を持っている」、ndugu は「きょうだい (兄弟姉妹) 」という意味で、きょうだいはいますか?と訳します。また、返答例 2 のように、主語である私「Ni」を「Si」に変えることで否定形になります。
◎wangapi「いくつ」という単語を文末において、兄弟姉妹は何人いるの?と聞いても話が盛り上がりますよ!
⇒ Una ndugu wangapi?
(発音: ウナ ンドゥグ ワンガーピ?)
Check
例) mama mdogo=おばさん(お母さんの妹)
kitabu kikubwa=大きな本
▼第1回目のコラムはこちらから▼
日本語と似ている単語も多くて、意外と簡単なスワヒリ語の家族の名称。繰り返して響きもとってもキュートな単語をいくつかご紹介!
家族の名称
- Familia
発音 : ファミリア「家族」
- Mama
発音 : ママ「お母さん」
- Baba
発音 : ババ「お父さん」
- Ndugu
発音 : ンドゥグ「きょうだい」
- Kaka
発音 : カカ「兄」
- Dada
発音 : ダダ「姉」
- Mdogo
発音 : ムドゴ「弟/妹」
- Bibi
発音 : ビビ「おばあちゃん」
- Babu
発音 : バブ「おじいちゃん」 - Mtoto (Watoto)
発音:ムトト (ワトト)「子ども(子どもたち)」
- Mzazi (Wazazi)
発音:ムザズィ(ワジズィ)「親(両親)」
※人を表す名詞は単数形だとm、複数形だとwaと語頭が変化します。
上級編の家族の名称
- Shangazi
発音:シャンガズィ 「おばさん(父方の)」 - Mama mdogo
発音:ママムドゴ 「おばさん(母の妹)」 - Mama mkubwa
発音:ママムクブワァ 「おばさん(母の姉)」 - Mjomba
発音:ムジョンバ 「おじさん(母方の)」 - Baba mdogo
発音:ババムドゴ 「おじさん(父の弟)」 - Baba mkubwa
発音:ババムクブワァ 「おじさん(父の兄)」
例
- Nina dada mmoja. (私には姉が一人います)
- Una mdogo wa kiume? (弟はいますか?)
- Sina ndugu (きょうだいはいません)
今回の単語を交えながら、ぜひ、家族について深イイ話を繰り広げてみてください。現地でもすぐに打ち解けられること間違いなし!
会話例
A:Habari yako! 「元気?」
B:Nzuri kabisa! 「とっても元気!」
A:Habari za familia?「ご家族はどう?」
B:Wote wazima. 「みんな元気だよ」
Dada yako hajambo? 「君のお姉さん元気?」
A:Hajambo. 「問題ないよ」
Una dada pia? 「あなたもお姉さんいる?」
B:Sina dada. 「姉はいないよ」
Nina kaka mmoja. 「兄が一人いるよ」
※これまで、いろいろな種類のnaが出てきていますがそれぞれ意味が違うので混乱しないように、ここにまとめておきます。
- 主語接辞-na 「持っている」
- 接続詞「~と」(and)
- 時制接辞(現在)
- Nina mtoto
(私は子供を持ってます=子供がいます) - Ninakula ugali na samaki
(私はウガリと魚を食べます) (ku)la=食べる、samaki=魚 - Ninapenda ndizi
(私はバナナが好きです(現在時制)) penda=好き、ndizi=バナナ
第7回はこれで終わりです。みなさん、最後まで見てくれて、Asanteni sana! どうもありがとうございました!第8回は「~したい!」と伝えたいときに重宝するフレーズをご紹介。
ではでは Kwa herini! また次回お会いしましょう!

日本だと、「きょうだい、いる?」とか、「きょうだいは何人いるの?」とか、普通にきく質問ですね。こんな感じで、タンザニアの、特に田舎なんかに行ったとき、子どもと話がしたくて、聞いたことが、何度もあります。
Una ndugu? (きみ、きょうだい、いる?)とか、
Una ndugu wangapi? (きみ、きょうだい何人いる?)とか、ね。
ところが、この質問に困惑されることが多くありました。
小さな子どもや、いや、結構ないい青年でも、ちょっと当惑して、「わからない」とか、「数えられないよ」とか、そんな風に答えられたことが、何度もあります。
え、自分のきょうだいの数もわからないの? と驚きましたが、この驚きこそが「異文化理解」への第一歩ですね。スワヒリ語の ndugu というのは「きょうだい」と訳されますが、「きょうだい」の範囲がndugu の方が広くなるわけです。
話はちょっと逸れますが、日本語で「叔母さん」という場合、自分の父親、母親、両方の姉妹のことを指しますね。でも、スワヒリ語では、父親の姉妹と母親の姉妹を区別します。
この回の、本文の説明のところにもありましたね。そう、父親の姉妹は shangazi、母親の姉妹は mama です。母親の姉と妹を区別したいのなら、mama mkubwa(大きい母)、mama mdogo(小さい母)になりますが、いずれにしても mama です。
日本語の文化だとちょっとピンときませんが、スワヒリ語の文化の中では、お母さんの姉妹も自分の「お母さん」なわけです。自分の「お母さん」から生まれた子どもは、当然、自分の「きょうだい」ですよね?
「お父さん」の場合も同じです。自分の母親の兄弟は mjomba 「叔父さん」ですが、自分の父親の兄弟は、baba mkubwa(大きい父)あるいはbaba mdogo(小さい父)、いずれにしても「お父さん」です。ということで、自分の「お父さん」から生まれた子どもも、全員、自分の「きょうだい」になります。
アフリカでは、一人の親が生む子供が4,5人というのは、まだまだ当たり前。自分の母親に複数の姉妹、自分の父親に複数の兄弟がいるのも当たり前、となると、それぞれの子どもたちも、全部「きょうだい」ですから、まぁ、確かに、すぐに数えられなくても無理もないなぁ、という感じですね。
しかも、アフリカでは、伝統的に一夫多妻の習慣があって、一人の男性が複数の妻をもっていることもある。もちろん、アフリカの女性も自分のダンナに他の女がいることを決して快くは思っていないけれど、日本の「愛人」と違って、世間的にも認められていることで、田舎だと、妻同士が同じ敷地内に暮らしていることも珍しくない。
となると、自分の父親の、別の妻から生まれた、いわゆる「異母きょうだい」も ndugu ということになる。自分の父親のお兄さんだって、複数の奥さんがいて、それぞれに子どもがいるかもしれない。それも全部、自分の ndugu 。
あ、もしかしたら、自分の母親が、未婚の時に生んだ子だっているかもしれない。別れた前のダンナとの間にも、子どもがいるかもしれない。日本なら「異父きょうだい」っていうのかな? もちろん、それもみんな自分の ndugu。
愛人や異母きょうだい、異父きょうだい、離婚した妻やダンナなんて言ったら、日本だと、ドロドロとした人間関係模様が渦巻きそうだけど、アフリカではそんなことは全然なくて、実に風通しのいい人間関係になっている。
まぁ、個人的には、恨んだり嫌ったり、なんてことはあるだろうけれど、どんな関係でもオープンに知らされていて、そして絶えずいろんな関係の親族と行き来している。たとえば離婚した両親でも、子どもは自由に会いに行き、時には母親と、時には父親と暮らしたりしている。
そんなアフリカの様子に慣れてくると、逆に、日本で、離婚した両親の子どもが、それぞれの親に会うのが難しかったり、親子関係が断絶したり、なんていうのが、ものすごく窮屈な関係のようにも感じるくらい。
ということで、アフリカでは、Una ndugu wangapi? (きょうだいは何人いるの?)というのは、かなり難しい質問だったりする、ということです。で、逆に、日本だと、一人っ子が普通に「きょうだいはいません」って言うけれど、スワヒリ語で Sina ndugu.(きょうだいはいません)っていうと、ものすごくビックリされるから、気をつけようね。「自分のお母さんと自分のお父さんから生まれた子どもは、私だけです」くらい説明して、ようやく、ちょっと納得してもらえる感じです。